きまぐれなたまねぎ

人間LV30over. 濃いヲタクにも非ヲタにもなりきれないけど、いろんなものをマイペ…

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人間LV30over. 濃いヲタクにも非ヲタにもなりきれないけど、いろんなものをマイペースに楽しみたいひと。 ゲーム・マンガ含む書籍・映画などの感想を主に書き散らしていこうと思っています。

最近の記事

いびつで美しい『自分らしさ』を抱きしめて。映画「インサイド・ヘッド2」感想【ネタバレあり】

【「インサイド・ヘッド2」のあらすじ等についてはこちら↓】 『思春期』の嵐と、新たな感情達 前作「インサイド・ヘッド」の終盤にてチラリと登場し、続編の可能性を仄めかしていた『思春期アラーム』。 今作はその『思春期アラーム』によってライリーと彼女の感情たちへともたらされた、”大いなる変化”を皮切りに展開する物語でした。 『環境の変化が引き金となりライリーが見失ってしまった自己を、ヨロコビを中心とした感情たちが取り戻すまでの紆余曲折』という、 ざっくりとしたストーリーの流れ自

    • 同じテーブル、行き違う視点の先/マンガ「ファミレス行こ。」上【感想】

      【「カラオケ行こ!」の感想記事はこちら↓】 『おとぎ話』の先に続く”現実” 「次はファミレスが舞台か…深夜のファミレスでダベったりする、『THE 3名様』みたいなダウナーな空気のギャグかな」 「カ!」のギャグ色を踏襲したそんな作風をふんわりと想像し、ノーガードだった私の脳内は読了後、混乱と興奮、もどかしさと切なさの坩堝と化し、どう情緒を立て直したものかと大変苦慮いたしました。 初見勢の方々がこれから受けるであろう新鮮な衝撃を損なわぬよう、『ラスト5ページにその理由が詰まっ

      • 『奇妙な友情』のバランスの妙が光る/マンガ「カラオケ行こ!」【ネタバレあり感想】

        今回読了した「カラオケ行こ!」(以下「カ!」と記述)の作者・和山やま先生の別作品「女の園の星」を読んだ時にも感じたことですが、ブロマンスとBLの境界線上でのストーリー展開や表現のさじ加減が非常に巧みでいらっしゃる。 「女の園の星」を例にとると、シュールギャグ色が濃く一見普通の学園コメディ作品にも映るのだけれど、主人公である星先生の同僚・小林先生の言動の端々に、星先生への矢印が薄らと見えなくもなかったりするんですね。 ただ、『必要に応じてスパイスを足せる味付けの余地』と形容する

        • 痛苦と救済のものがたり。映画『ルックバック』【ネタバレあり感想】

           予備知識はタイトルと軽いあらすじのみで先入観はほぼゼロ、と言いたいところでしたが、既にXにて『上映開始後十分でボロ泣き』などというレビューも散見されるようになり… 『泣ける映画』というバイアスが自分の中で芽生え、感動の及第点を設置してしまわないうちに観に行かねば、と取り急ぎ鑑賞してまいりました。  結論から言いますと何度か涙する場面はあったものの、号泣というまでには至らず。 誤解なきように念押しておきますが、決して駄作だとか退屈だとかこき下ろしているのではなくて、今作を見て

        いびつで美しい『自分らしさ』を抱きしめて。映画「インサイド・ヘッド2」感想【ネタバレあり】

          望郷、またの名を。

          子どもの頃から、自分の住む町にこれといって愛着がなかった。むしろ成長するにつれて、早くここではないどこかへ行きたいとすら思っていた。祖母や母は何かにつけて『都会の怖さ』を私に説いてみせた。治安的な問題や物欲に染まる事への罪深さなど、おとぎ話のように曖昧で極めて前時代的な警告だったけれど、幼い時分に限っていえばある程度の抑止力にはなっていた。 大人になった今では、それは自分達の享楽的な性格を私に受け継がせたくないが為にしたことだったんだろうと推測できる。言ってはなんだが、彼女

          望郷、またの名を。