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映画『赤羽骨子のボディガード』感想

初日の舞台挨拶回ライビュ付きで見てきました。
以下、原作含む大量のネタバレ感想につき注意。スノ担の自分と原作ファンの自分が胸の内で対立してしまったので、やや辛口かも。






・知ってたけど荒邦のスタイルが良すぎる。あとこれまで何度か言われていたが、片眉を跳ね上げる仕草が本当に上手い。ラウちゃんはライブのアピールの時にもよくやるけど、あれどうやってやるんだろう。難しいよね。ラウちゃんはおめめが大きくてキラキラなので、原作荒邦のようなヤンキー三白眼にはならないんだけど、あの眉の吊り上げ方で独特の凄みを出していたのが良かった。

・まあ二時間映画じゃ難しいよなと思いつつ、荒骨の幼馴染エピソードをもうちょっと入れて貰えたら嬉しかったなという気持ちがある。将来、荒邦の建てた事務所で骨子が弁護士をやるっていう、あれが結構二人の根幹の約束だと思っているので…。あと荒邦が実は勉強出来るキャラ(骨子と同じ高校に行く為にめちゃめちゃ頑張った)っていうのも、ラウちゃんが演じる上でハマり役だったので、チラッと見えたら嬉しかったなぁと…。連続ドラマなら行けたんだろうなこれ。見たいぞ。

・『BREAKOUT』のダンプラを見まくってから、冒頭のシャッター開いて3年4組が登場するシーンを見ると、あのダンプラもめちゃめちゃ映画意識してたよなぁと思う。あそこで3年4組それぞれの戦闘シーンが入り、全員の紹介ムービーになるのが格好良かった。しかし荒邦が何も知らなかったという設定は結構謎。連携取りづらくなるし、やはり最初から知ってるのが自然なのでは。「相手がチームで来てるのに荒邦は一匹狼」と思わせておいて「実はこっちもチームだった」って手の内を明かすのが、最初原作読んだ時にあっと言わされた所だったので…。

・荒骨のデートシーン、メリーゴーラウンドに乗って骨子を誤魔化す所が、全部ラウちゃんのアドリブだと後から知って結構ビビった。荒骨のシーンは全部コミカルで可愛い。骨子が原作よりもぽやぽやしてるのもあって、荒骨の可愛さに拍車がかかっていた感じがする。

・正親がとにかくレベル高すぎた。登場シーンの迫力、かなりのアクション、からのヘタレっぷり、乙女っぷり。太鳳ちゃんが本当に凄い。あの高低差を思いっきり作り出せるのは匠の技だと思う。原作以上に正親が可愛かったし、荒邦とのシーンもコメ成分多めのラブコメって感じで良かった。あれだけ可愛い正親だと、勢いで婚姻届書いちゃってもおかしくない。

・寧が骨子に対して抱える後ろめたさが、単に嘘をついているというだけになっていた。これ、原作知らない人たちも「骨子てwwどんな名前www」という反応が多いので、どうにか入れてほしかったなーというエピソードだけど、時間的に仕方なかったのだろうか。荒邦が骨子をデートに誘う時とか、寧が一人だけ他のクラスメートと反応が違っていて、原作寧と同じ骨子への執着と独占欲が見えてとにかく可愛かった。寧骨ありがとうございます女の子の友情美味しいですむしゃむしゃ。

・骨子の部屋に正親が侵入する所でのやり取り、ちょっと違うけど原作で好きなモノローグやシーンだったので嬉しかった。好きな男が同じという共通点で、なんでか少し仲良くなってしまう姉妹が好き。正親が部屋を去った後、外で飛び降りたりなんだりした音が結構派手に聞こえた演出も好き。

・澄彦のピアスを焦らして焦らして最後につけて出てくる所、分かっちゃいたけど結構テンション上がった。現在、原作の展開が結構とんでもない事になっているので、荒邦と澄彦の友情や連係プレーはアツくなった。荒澄、一生大事な存在でいてくれや…。

・湾さんがめっちゃ良かった。原作でもまあちょいちょい様子おかしくて可愛いな~って感じだったけど、今回映画の3年4組で一番好きになったのが湾さんだった。声も表情も可愛いのにちょっと妖しい色っぽさもあって素晴らしすぎる。

・裏切者、映画は映画で完結させなきゃいけないからどう処理するんだろうなと思ってたらお前かーい! もう名前も忘れてしまったチョイキャラであった。まあ仕方ない。

・なんで父ちゃん死んでるの!? これは映画見るまで知らなかったのでマジでビビった。別に殺さなくても良かったのでは…原作通りに母ちゃんが殺されたって話でも…えっ駄目なんですかね…。でも死んだ父ちゃんが残した古傷が息子(たち)を助けた、っていうのは良いシーンだよね。

・そもそもの極道設定が無くなったので、骨子が命を狙われる理由付けが何だかよく分からなくなってしまったというのがある。あの理由だと卒業後も狙われ続ける事になるのでは? まあ夏休みにやる映画でアイドルが主演で、高校生×極道の話にするのはコンプラ的にアウトだったんだろうな、というのは分かるけども…。






以下、原作好きで澄彦推しオタクの叫び。辛口加速注意。

澄彦はそんな事言わない!!!!!!!
というシーンが中盤にあり、そこから先の澄彦にどうも集中出来なくなってしまった。設定の改変はまあ二時間の尺に納める為とかご時世的にとか色々あるのだろうと思ったが、キャラクターの解釈が違うのはどうしても看過できない。細かい事が気になってしまうのが僕の悪い癖、と脳内で杉下右京がずっと囁いてくる。

まあ仕方ないのも分かる。原作の澄彦はあまりにチートキャラだからそのままにすると無双してしまうし、荒邦と衝突させたりする方が、ストーリーとして展開し易いのは間違いない。
でも澄彦はそんな事言わないんだ。諦めるとか絶対しないんだ。て言うかあの状況なら澄彦が直接現場に行くんだ。何より澄彦は荒邦の事を信頼してるし、何なら原作では荒邦が骨子のボディガードを始めたのは、澄彦が提言したからなんだ。

個人的に、オタクを殺すのは展開の違いではなく解釈の違いだと思っている。特に公式が解釈違いだった時は本当にしんどい。公式が解釈違いって、公式は公式なんだからお前の頭の方が解釈違ってるんだろ、と言われてしまえばそれまでだが、しんどいものはしんどい。(別件だが、続きもののゲームでライターが変わった上でキャラの行動理念が変わった時は、本当に公式が解釈違いになってしまったと絶望した)

奥平くんの演技自体はとても良かったので、原作澄彦のような普段の愛らしく飄々した策士な感じと、圧倒的な強さを持ちながら敵を蹴散らす時の冷たい瞳も見てみたかった。3年4組の皆を、心の底から大切な家族だと思っている澄彦が見たかった。パンフレットを読んで、色々と澄彦を解釈して噛み砕いてその上で演技プランを練ってくれた事が分かるからこそ、余計に。

……という気持ちを抱えながら、特典の原作0話を読んで「これだよこれこれェ!」となっていた。原作読んでくださいマジで面白いんで。


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