こんな時期だからこそ意識すべき子供のための食事
皆さん、こんにちは。
管理栄養士の吉村俊亮です。
先週から全4回の免疫力向上のための食事についての記事を書いております。
今回はその最後の記事になります。
前回までの記事は下記よりお読みいただけます。
お時間のある時に、是非お読みください。
さて、シリーズ最後の記事は、こんな時期だからこそ意識をすべき子供のための食事について書いていきたいと思います。
新型コロナウイルスの影響で外出自粛などからも、子供たちを外で遊ばせることに抵抗がある方も多いかと思います。
子供たちが外で遊べず、運動をしない生活が続くことで子供たちのストレスも溜まってしまうかもしれません。
しかし、こんな状況でも子供たちにとっては実はプラスの面もあります。
それは発育発達についてです。
最近の子供たちは１日の消費エネルギーよりも摂取エネルギーのほうが少ないケースが多く、体の成長に支障をきたしている子供も多いです。
特にスポーツをしている子供には多く、スポーツ栄養の分野では問題視もされています。
小学高学年～高校生ぐらいまでは個人差はありますが成長期の時期です。
この時期に1日のエネルギー摂取量が消費エネルギーよりも少ない場合、生命維持のためにエネルギーが使用され、体の成長に使うエネルギーが無くなってしまい、発育発達に問題が起こります。
本来、年間で10cm身長が伸びるはずだったのが、5cmしか伸びなかったり、疲労骨折などの怪我を繰り返したり、女の子の場合は生理不順に陥ったりと様々な問題に繋がっていきます。
なので、運動が満足にできない時期だからこそ、しっかりと食事を摂らせて体の成長のためのエネルギーを蓄えるように心がけると、今後のために必ずなります。
そしてそれが、免疫力の向上にも繋がります。
成長期の子供に必要な栄養素
成長期の子供には、下記のような栄養素が特に大切になります。
エネルギー
エネルギーが不足すると、本来体の成長のために使われるはずだった栄養素が生命維持のために使われるようになり、体の成長に支障をきたします。
エネルギー不足にならないためには、まずは欠食を無くし、朝・昼・晩と3食きちんと食べることが大切です。１回の食事であまり食べられない子は、おやつなどの間食をうまく使って、エネルギーや栄養素を補えると良いです。
たんぱく質
体を構成する栄養素であり、免疫にも関わる栄養素です。
カルシウム
骨量は２０歳前後でピークになり、その後低下する一方です。この成長期の時期にしっかりとカルシウムを摂ることができると、将来の健康に繋がります。
ビタミンD
骨の成長のためにカルシウムとともに必ず必要な栄養素です。
特に、今の時期は屋外に出ることが少なくなっている可能性があるので、体内でのビタミンDの合成量が少なくなっている可能性があります。ビタミンDは食べ物以外にも、日光に当たることで体内での合成が促進されるため、日光浴をすることもおすすめです。
葉酸
細胞分裂に欠かせない栄養素です。子供の成長のためには無くてはならない栄養素一つになります。
子供が摂りたいたんぱく質食品のご紹介
魚肉ソーセージは魚を材料にしたお肉であるため、脂質も良質なものが含まれています。
また、ヨーグルトも貴重なたんぱく源で、骨を作るカルシウムが豊富です。食物繊維を多く含む果物が入ったものもオススメです。
納豆も良質なたんぱく質であり、骨を構成するために欠かせないビタミンKも豊富なため、骨の成長にも欠かせない食べ物です。
子供が摂りたいカルシウム食品のご紹介
ベビーチーズはカルシウムの他にナッツに含まれる良質な油や鉄分などの栄養素が添加されているものもあり、様々な栄養素を一緒に摂ることができる優れものです。
小魚にも多くのカルシウムが含まれており、ナッツと組み合わせて販売されているものは良質な油も一緒に摂れ、強い細胞を作る手助けをしてくれます。
カルシウムの代表的な商品である牛乳ですが、牛乳の中でも特におすすめなのが低脂肪牛乳です。カルシウムの含有量が多く、カルシウムの排泄を促すリンという栄養素の含有量が少ないため、骨の健全な成長を促してくれます。
子供が摂りたいビタミンD食品のご紹介
卵の卵黄にはビタミンDが多く含まれるため、ゆで卵はおススメです。また、卵は完全食品と言われ、栄養価のとても高い食品の一つです。
ビタミンDは魚にも多く含まれているため、小魚もオススメです。また、ビタミンDは脂溶性ビタミンでもあるため、ナッツなどの脂質を多く含む食品と一緒に食べることでより吸収されやすくなります。
子供が摂りたい葉酸食品のご紹介
葉酸は葉物野菜に多く含まれる栄養素です。葉物野菜以外で多く含む食品は、納豆やいちごになります。
納豆は他にも良質なたんぱく源であり、ビタミンKも豊富に含んでいます。
また、イチゴは葉酸以外にもビタミンCが豊富で風邪予防などにも効果があるので特におススメです。
子供の健康と成長のために、今だからこそ意識してできることをしていただけると嬉しいです。
こちらの記事で、先週から続いた全4回のシリーズ記事は終わりになります。
皆さん、いかがでしたか？
今回の記事が少しでも皆さんのお役に立てば幸いです。