見出し画像

社会課題を解決するアーティスト~結婚・出産でキャリアは終わらない~

どうも。
革の手入れが趣味のガリバーです。
この時期は肌と同じで皮革製品も乾燥するので、クリームなどで手入れしてあげましょうね。
ニベアでもOKなんですよ~。(元・皮革専門店管理者の知識)

さて。
僕のライフワークでもあるアーティストのキャリアデザイン。
中でも、女性アーティストの課題はめちゃくちゃ深刻。
これは差別的にとらえてもらいたくないんだけど、育児や家庭に追われて現役を退く女性アーティストは本当に多いんです。

また、商業の世界だけじゃなく、人材育成の観点からも、伸びざかりは25~26歳くらいまでだと思っています。例外はあると思うけど、体感として。

アラサーやそれ以降のアーティストは伸びないのかというと、そんなことは全くない。
だけど、それまでとは違う伸びしろを見つけていけるかが大事。
アジとか個性とか言われるものだったり、役割じたいを別のことにしたり。
冒頭の革の話にこじつけるなら、経年変化を楽しむ段階になっていくんですね。

でもそれも続けばこそ。

続けることで、まだ見ぬピークに出会えるかもしれない。
若い頃よりもいい音楽ができるかもしれない。
・・・なのに、マーケットに自分の居場所がない。

そうしてフェードアウトしてしまうのはMOTTAINAI。

まだまだ実力はトップレベルなのに、マーケットでは商品価値が無いかのように、業界では一歩引かれて見られてしまう。
でも、アーティストとしてのあなたを活かす機会は、必ずあることを忘れないでほしい。

そんな思いを込めて。


■ライフステージと仕事の関係

結婚と育児は男性も関わりますが、出産だけは女性にしかできないですよね。
これらは喜びでもある反面、悩みの多い領域でもあります。

出産経験の有無や、男性からの理解が得られにくいなどの課題はもちろんですが、一番の課題は「それまでの生活と同じではなくなる」ことへの対応かと思います。
もちろん身体の変化も含めて。

女性の仕事の継続率について、こんなデータがあります。

画像1

結婚する前と後で、仕事をする人の数はあまり変わらず、むしろ結婚をきっかけに退職する人は減っています。
一方で、子供が生まれると、就業を継続する人の数は一気に減ります。
これは世の中の仕組みや、当事者の意向もあると思うので、そりゃそうかと思うんですが、本当にやりたいことを辞めなければいけないとしたら、ちょっと残念ですよね。

では、自営業の人はどうかというと、非雇用者よりはるかに継続率が高いことが分かっています。

画像2

(出展:国立社会保障・人口問題研究所)

ということは、女性がライフステージの変化に関わらずに好きなことを続けるためには、自営業として成立している方がよさそうですよね。

それを実現するために必要なのがキャリアデザインなのです。


■キャリアデザインの意義

そもそも僕がなぜ「キャリア」とか「育成」とかピーヒャラ言っているかというと、こんな課題に終止符を打つため。

━━1.職業としての不透明さ━━
アーティストという職業のしくみが一般的に知られていないから、世間の人からもアーティスト志望者からも、目指し方がわからない。
運や実力の偶然の組み合わせでどうにかなってるように思われがち。
なり方すら不明確なものにリスクを背負って取り組むって大変だし、教育を受けようにも何が正解かわからない。

━━2.業界とアーティストの課題のズレ━━
昨今言われている音楽業界のアレコレは、ぶっちゃけ、アーティスト個人の日常生活には全く関係のない話ばかり。
レコード会社やプロダクションや興行会社など「音楽業界の人」が食っていく話と、「アーティスト個人」が食っていく話はベツバナなんですね。
音楽ビジネスを細かく分けていくと、みなさんご存じのとおり、個人レベルでできることが広がっています。
ただし、それをどうやって売上に繋げていくかのビジネススキルが必要で、アーティストがそれを使いこなせていない。
繰り返しますが、音楽で食っていくってことは、まぎれもなくビジネスであり、これまで会社がやっていたことを個人がやる時代になっているだけ。
ここに拒絶反応が出てしまうと、もう滅びるしかない。気合だー!

━━3.セカンドキャリア━━
アスリートと同じように、アーティストにもセカンドキャリア問題があります。
要は「第二の人生どうしまっか?」というアレですね。
でもアーティストはアスリートと違って、やりようによっては一生現役でもイケるんです。
もちろん、役割を変えて違うことやってもいいですけどね。

これらの課題を解決するには、下記のようなことを設計する必要があるわけです。

 ●いつ
 ●何をすれば
 ●どのようになれて
 ●何をなすことができるか
 ●身に着けるためのお金や学びがどれくらい必要か
 ●それは(又は、それをやる自分は)どのような価値があるのか

こういった自分なりのルート設計をすることをキャリアデザインと言います。
ね、必要っぽいでしょ。


■商業的価値を知る

商業っていうのは、商品を作って売り買いすることですよね。
その価値には、好みなどの感情がめちゃくちゃ影響します。

たとえば、ガッキーが宣伝している商品と、めちゃ健康によさそうな商品と、チャリティー商品が陳列されていたら、あなたならどれを選びますか?

僕はガッキーが好きだから、普段なら迷わずガッキー商品を買います。
でも、体調を崩しがちのときは、「ガッキーまじゴメン」と謝りながら健康に良さそうな方を選ぶでしょう。
また、社会問題に関心があるときは、「ガッキーならわかってくれるよな」と言いながら、チャリティー商品を買うでしょう。

つまり、消費者の行動心理は、なんらかのメリットが得られるから「価値がある」と感じ、お金を払うんですよね。
買う人のメリットを最大化することが価値の大きさであり、金額の大きさになります。

もし今、
「自分のサービスには価値があるはずだ」
「勇気や感動を与えているはずだ」
と思っているのに、成果や評価がともなっていないなら、あなたが提供している価値やターゲットを見直してみるといいかもしれません。

仕事は「くれくれ」と思っていても、なぜかもらえないもの。
それは自分が欲しがっている「消費者」のマインドだから。
あなたはサービス主なのだから、「価値のあるサービスを提供する」ことに全力を注ぎましょう。


■代弁・共感・課題解決の社会的価値

商業的価値に対して、社会的価値というものがあります。
ざっくり言うと「課題を解決したりサポートすること」が価値になります。

これも「どこの誰にどんなメリットがあるか」が明確であることが重要ですが、表現者にはとても相性がいい。

アート、音楽、パフォーマンスには、それだけで心を動かす力がある。
作る過程や芸の一部を分解して、ワークショップにすることもできる。

社会課題の根底には、共感や表現力、コミュニケーションが不足していることが多いんです。
そのサポートには、表現のプロであるアーティストが適任です。

もちろん、上記のように「どこの誰にどんなメリットがあるか」がわかるメニューやプログラムを用意する必要があるので、これが事業だったり企画だったりするわけですね。

たとえば、僕は幼少期に事故にあった影響が徐々にあらわれ、歩行障害や内臓の障害などを負った過去があるんですが、「前と同じように」とか「他の人はできるのになぜ」って気持ちは本当にしんどいんですよね。
それはきっと親も同じで、経済的な課題も抱えていたことも考えると、その苦悩は計り知れない。

なので、県や自治体など様々な子育て企画に携わる中でも、「子供のため」であると同時に「親や周辺の人間関係のため」にもなる企画が必要だと感じ、トライしてきました。

子供向けのコンテンツであることはもちろん大事なんだけど、僕は親の顔が"終わってる"ようではイカンなと思っています。
親の心が満たされる環境。
自分では用意できない舞台を提供するのも支援だと思います。


■社会課題×アーティスト×○○

ということで、アーティストは社会課題の解決に相性がいいのでは?というのが、今回の本題でした。

その取り組み方というか、アイデアの方向性について簡単に書いておきます。
堅苦しい言い方をすると事業企画みたいなものですかね。

━━1.三角形を作って新価値をつくる━━
発明家・総監督的な役割。
「社会課題×アーティスト×○○」の○○を見つけたり、その三つを掛け合わせて新たな価値を生み出す。

━━2.課題と解決策の橋渡しをする━━
ディレクターやプロデューサーの役割。
自分の専門分野ではなくても、専門家と課題の橋渡しをして解決する。

━━3.自分が素材となって価値をプラスする━━
プレイヤーの役割。タイアップに近い。
あなたの作品がマッチする課題がある。逆に課題に合う作品や活動をする。

そんなところでしょうか。

子供と一緒に作曲する、クラブミュージックを披露する、発声練習で体力を消費させる(寝つきに良い)など、自分のフィールドを活かしたり、女性ならではのアイデアでプログラムを作ってみるといいんじゃないかな。


■さいごに

女性アーティストに限らず、アーティスト全般にこういう活動の仕方を考えてもらうと、もっと世の中が豊かになるような気がします。

もちろん、誰でも彼でも求められる人になれるとは限らないから、芸が一流であること、社会に関心を持つことなど、日々コツコツやっていくといいんじゃないかと思います。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
最後までご覧いただきありがとうございました!
こちらの記事もよく読まれています★
よろしければ最下部のボタンからサポート(投げ銭)
もお願いいたします😊
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ガリバー宇田川(アーティスト専門家)
メジャー経験のある現役シンガーで日本アーティスト協会代表理事。アーティストの社会進出とキャリア形成の支援がミッション。イベント企画、映像や舞台の脚本・演出、動画、デザイン、企業の採用コンサルもやってます。壇蜜が好きです。📩udagawa@umamitasu.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▶お問合せ・ご依頼はこちらから
https://goo.gl/forms/HvI3q3NxggB3Bfeq2
▶コーチング、ボイトレはこちらから
https://udagulliver.themedia.jp/pages/833524/menu
▶︎HP
https://udagulliver.themedia.jp/
▶︎Twitter
https://mobile.twitter.com/UDAGULLIVER
▶︎Instagram
https://www.instagram.com/udagulliver/
▶︎日本アーティスト協会
http://jaa.strikingly.com





この記事が参加している募集

投げ銭を頂けると一層活動のモチベーションが上がります! 音楽や文筆の創作資金としてご支援をお願いいたします★