『ロッキー3』 ひたすら面白い映画に会いたくて 〜55本目〜
本作は、ロッキーシリーズの3作目であり、前作でロッキーがアポロを倒し、ヘビー級世界チャンピオンになったその後の物語。本作の見所は何と言っても、ロッキー対クラバー・ラングとの試合シーンである。
今までの試合とは違い、この2人の試合は全ラウンド余すことなく観ることが出来る。観ているものは、本当のボクシングの試合を見ているかのような錯覚に陥ってしまうことだろう。
ボクシングの臨場感も迫力もこれまでのシリーズよりもケタ違いなのだ。これ以外にも見所はたくさんあるのだが、特に試合シーンに力が入っているということは、本作の最大の特徴であると言えるはずである。
この試合シーンは、盛り上がること間違いない。観ていて最高にエキサイティングな試合なのだ。
55本目 : 『ロッキー3』(1982)
『ロッキー3』(1982)
脚本・監督 : シルヴェスター・スタローン
「Go ahead and do it, Eye of the Tiger(忘れるな、トラの目だ)」
メラメラと闘志が湧き上がるロッキー3の音楽
本作は、前作よりもOPの出来が非常に良い。出来るだけ短く前回のアポロとの対戦をダイジェストでお届けしているのだ。前作が、少々長すぎたのだろう。これぐらいが丁度良いのである。
ロッキーのテーマから、サバイバーの「Eye of the Tiger」へと流れるように繋がっていくのがめちゃくちゃカッコいい。最高のOPである。
チャンピオンになってから、ロッキーがこなした数々の防衛戦を「Eye of the Tiger」に乗せて順に見せていく演出は、上手すぎる。
観ている者のハートがものの見事にがっちりと鷲掴みされてしまうのだ。ロッキーにふさわしい音楽がまた1つ登場したなと思った瞬間である。本当に良い曲だ。何度でも聴きたくなるし、この曲を聴くとメラメラとやる気も燃え上がってくる。
そういえば、昔走る時にこの曲をよく聴いていたなあ。
(出典 : 【YouTube】Survivor Band「Survivor-Eye of the Tiger (Live in Japan 1985)」)
私の1番好きな場面
私の1番好きな場面は、物語の最後。それは、ロッキーとアポロが2人だけでこっそりと行う彼らにとっては3度目の試合の場面だ。この場面は、昔観たときにめちゃくちゃ良いシーンだなと思ってから、今の今までずっと大好きな場面である。
世界チャンピオンの座をかけて2度も死闘を繰り広げた2人の間には、他の誰も入り込む隙間がないほどの熱い「友情」が存在する。
この友情は、本作でアポロがロッキーのボクシングコーチになったことで急速に深まっていったはずだ。
「戦友」から「親友」にまで2人の関係は変化を遂げたのである。EDに入るまでの2人の一連の会話や動きは、もはや完璧であろう。
思わず「へへッ」とニンマリしてしまうほどワクワクさせられ、熱量たっぷりの演出にも関わらず、クールにEDへと突入していくのだ。何度観ても名シーンである。
個人的に、『ロッキー3』といえば、このラストだろうと思っている。それぐらい大好きな場面なのである。そして、EDが「Eye of the Tiger」というのもまた素晴らしい終わり方であることよ。
最後に 〜ハングリー精神を取り戻せ〜
ロッキーは、世界チャンピオンとして何度も防衛に成功していたが、アポロに挑戦していた頃のハングリー精神はすっかり失っていた。
チャンピオンになり、精神的にも金銭的にも余裕が出始めたことで、現状にすっかり満足してしまっていたのである。
このハングリー精神を取り戻すということが、本作の重要なテーマなのだ。
昔ロッキーシリーズを観た際に最も影響を受けたのが、この本作のストーリーであった。
自分の中でハングリー精神を取り戻すためには、どうすれば良いのか。このような悩みを私自身もちょうどその頃持っていたからであろうと思う。
本作では、そういった「トラの目(Eye of the Tiger)」、すなわち、「ハングリー精神」を取り戻すための方法をロッキーの物語を通して、学ぶことができる。
人生の局面を思い返せば、誰しもロッキーのようにハングリー精神を失ってしまうことは、何度もあるはずだ。
例えロッキーのようなスターであっても、自分磨きを怠ってしまうと、普通の人間へと成り下がってしまう。
このまま普通の人間として、生きていくという選択肢ももちろん間違いではない。しかし、自分の限界が訪れるまでは、自分磨きを怠ることなく、何事にも貪欲に取り組んでいった方が良いのではと、私は思うのだ。
自分の限界を自分自身で狭めることなく、自分の中に「トラの目」を持ち続けていれば、本作のロッキーのように、何歳になっても、一皮剥けることが可能なのである。
私もロッキーのように、常に自分磨きを続けることができるタフな人間へと成長していきたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?