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いきる力

緊急事態宣言も徐々に緩和され、都内でも人の動きが出てきたようです。僕たちCAMPSITE inc.が運営する長野県にあるキャンプ場「HYTTER LODGE & CABINS」も今シーズンのオープンを5/15に予定していたのですが、期せずして長野県エリアの解除と同じ日になりました。まだまだ予断を許さない状況ですし、たとえこの「自粛」期間が終わったとしてもそれは決して世の中からウィルスがなくなることではないですし、全く以前と同じような日常が戻ってくるわけではないと思います。こうした中で、いつも大切にしていることをあらためて思い出しながら、これからの新しい日常の中でできることを考えたいと思います。

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HYTTERでは、季節ごとに子供たちと一緒に小屋作りをしながら過ごす4日間のキャンプ「HYTTER KIDS CABIN CAMP」を実施しています。このキャンプでは、キャンプ場にある使われていない古いコテージ(小屋)をDIYをしながら、自然の中で「いきる力」を共に学ぶというコンセプトで行なっています。

キャンプではまずはじめにナイフの使い方と火の起こし方を学びます。ナイフワークではこのキャンプの期間で使う箸を作ります。材料となる枝を拾い、適当な長さに切って、ナイフで皮を削り形を整えていきますが、皆本当に集中して取り組みます。初めて使うナイフは使う方も教える方も本当にドキドキしますし、毎回必ず何人かが怪我をしますが、正しい使い方や怖さを体験することで、ものを大切に使う気持ちや人を傷つけてしまうことの危険性など実体験として学んでくれていると感じています。

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火をおこしは、食事ごとの最初の子供たちの仕事です。キャンプでは絶対にマッチやライター、着火剤は使いません。使っていいのはファイヤースターター(火打ち石)と薪だけです。もちろん最初は全く火がつきませんが、徐々に火種を作れるようになり、火種を炎にすることができ、そして少しづつ大きな薪に火をおこしていくようになります。普段の生活では火すら見たことがない子供もいますし、どんなものが燃えやすいのか、どうしたら火が大きくなるのか、これも体でおぼえていきます。

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一方で、「いきる力」というと、なにかサバイバル的なことだけがイメージされがちですが、僕たちが考える「いきる力」とは決してサバイバルテクニックのようなことだけではなくて、社会の中でいかに仲間との関係を築きながら生きていくのかということと捉えています。キャンプで初めて一緒になる仲間と一つの小屋を一緒に作っていくことはとてもワクワクしますが、一方で、仲間と意見が合わなかったり、やりたい作業ができなかったり、技術やノウハウも必要ですが、それ以上仲間との話し合いや協力が本当に大切になります。

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仕事の仲間や親しい友人になかなか会えない中で、本当に自分たちは人との関わりの中で生きているのだなと改めて強く感じています。リモートワークやオンラインミーティングでなんでもできちゃうなーと思う一方で、画面を通してではない人の表情やニュアンス、自然の色や匂いや気持ち良さ、そういうものはどれだけ技術が発達しても変わらないものです。ブームとしてのキャンプやアウトドアではなく、人間な本質的な欲求や普遍的な気持ち良さを感じ、「いきる力」を磨きに自然に出かけたいですね。

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