海自から民間船へ メリットデメリット

 今回は海上自衛隊から民間船へ転職して良かったこと悪かったことを書いて行こうと思います。
 私自身まだ転職して2年ですので現時点で感じたメリットデメリットを書いて行こうと思います。

転職したメリット 8つ

1.年収アップ

 若くで転職したら大幅な年収アップが見込めます。食料金、掃除手当て、欠員手当て、ごみ手当て等会社によっては異なるようですが様々な手当てが付くので給料は高いです。私自身30代で転職し、1.5倍年収が上がりました。しかし、階級が上の方は転職しても年収が上がらない可能性もあります。

2.本当の意味で色々な所へ行ける

 自衛隊に入隊する前「海上自衛隊になったら色々なところに行けるよ」と言われ入隊したものの実際入港できる場所は限られてますよね。監視だったり警戒だったりで色々な所に行けてはいるのでしょうけど。その点民間船だと本当の意味で色々な所へ行けます。下船先で1泊して遊んで帰る人もいるみたいで観光するのが好きな人はいいかもしれないですね。
 仮バース(奇港地)も基本作業がなければ自由なのでパチンコ行ったり飲みに行ったりしてます。

3.休暇を休暇として過ごせる

 自衛隊では休暇なのに出勤させられたり、緊急出港があるかもしれないということで家から出られないなんてことがよくありますよね。民間船では休暇は休暇なので電話がかかってくることもほとんどないです。予定が立てやすいのもメリットですね。

4.休暇を買い取ってくれる

 上記で休暇中電話がかかってくることはほとんどないと書いたのですが稀に乗船が早まることがあります。船員が怪我した、病気した等でやむを得ず交代しないといけない場合です。その時の余った休暇を会社が買い取ってくれます。会社によるのかもしれないですが1日1万くらいですかね。自衛隊だと年休代休使いきれずに捨てていたのでかなりありがたいです。

5.仕事で使う備品、会社負担

 これは地味に嬉しいことで仕事で使う軍手、革手、安全靴、乾電池、カッパ、長靴等々は会社が負担してくれます。その他にもティッシュや洗剤等も会社が負担してくれるところが多いので乗船中かかるのは食費くらいです。会社によってはお米、調味料も負担してくれるみたいです。

6.母港がない

 自衛隊の船には基本的に母港があり、日勤の日には通勤しないといけないですよね。近くに住んでいる人はいいかもしれないですが離れたところに住んでいる人は通勤が大変です。基地によっては駐車場が狭いから長期出港する船はタクシーで出勤するように言われているみたいです。交通費が出ればいいのですが。
 民間船は船がずっと動いているので母港がないです。交代する時に乗船する船がいる場所へ行くという感じです。なので、基本どこに住んでもいいです。都心は家賃が高いから田舎へというのもありです。

7.会社、船に依存しなくていい

 自衛隊は退職するときのハードルが高いですよね。周りからも反対されますしね。私が民間船に転職して感じたことは会社や船に依存しなくてもいいなということです。嫌になれば辞めればいいですし、逆に色々な船に乗った方が勉強になるよと言う方もいます。資格さえあれば路頭に迷うようなことはないと思います。

8.服装、髪型自由

 若い人からすると、これは嬉しいですよね。何か行事があるごとに頭髪服装の手入れは面倒ですしクリーニング代、床屋代も馬鹿にはなりませんよね。民間船は会社から作業着が支給されるのですがワッチ中はジャージ、スリッパのままが多いです。慣れるまではそわそわしますけどね。

転職したデメリット 9つ

1.資格がいる

 資格がなくても雇ってくれるところはあるみたいなので資格がなくても転職は可能ですが、いずれは資格を取った方がいいと思います。私個人の意見ですが資格は5級6級で十分だと思います。転職してみてから上を目指す方がいいかなと思います。3級4級を持っていると求められることも多いように感じます。

2.会社によってはブラックな所もある

 職場の人から話を聞くと、寝る時間もないくらい働かされるところがあったり、劣悪な環境での仕事が多かったりとブラック企業はあるみたいです。しかし、そういう会社に入ってしまっても辞めればいいと思います。自衛隊のように次の人事が決まるまで我慢なんてことはしなくていいと思います。

3.2ヶ月、3ヶ月の乗船が長い

 わかってはいるのですが、やはり2ヶ月、3ヶ月の乗船は長いです。交代者がいなくて下船が延びるなんてこともあるみたいです。休暇はきちんと回っているのか確認してから会社を決めた方が良さそうです。

4.乗船、下船時の移動が大変

 頻繁に通勤しなくて済む変わりに1回の移動が大変です。荷物も多く、交代する場所によっては乗り換えが大変だったりします。会社の持ち船が少なく、乗る船が固定の場合は荷物を船に置くことが出来るみたいです。そういう会社を探すのもありですね。

5.独身だと恋人がなかなか作れない

 これは自衛隊でも同じかもしれないですが、休暇中にいい感じの人が出来ても乗船中に音信不通になることもあるみたいです。ただ、最近は多くの船でWi-Fiが付けられているみたいで沖に出てもLINEくらいは出来ます。

6.安全に対する意識は低い

 作業する際みんなで作業をするので安全監視係なんて人は勿論いません。錆び打ちも防護眼鏡もせず、打っている人もいるので自衛隊と比べると安全意識は低いのかなと感じます。自分の身は自分で守らなくてはなりません。

7.人間関係

 自衛隊は良くも悪くも人が多い分、気が合わない人もいれば気が合う人もいます。しかし、民間船の場合小さい船だと乗組員4人とか5人だったりします。あまりないとは思うのですが誰とも気が合わない可能性もあります。
 また、船での飲酒が可能なので酒癖が悪い人もいる可能性もあります。みんなそれぞれ部屋で飲んでいるのであまりないとは思いますけど。

8.給料、退職金

 メリットの方で年収アップというのを書いたのですが民間船は自衛隊と違い、年々給料が上がっていくわけではないみたいです。自分の能力を上げていき、社長との交渉で上げてもらわないといけないみたいです。同じ会社に5年勤めているけど給料変わらないなんてことはざらにあるみたいです。
 退職金についても会社によって異なり、全くないところもあれば積立で働いた年数によって払われるところもあるみたいです。退職金については、やはり自衛隊の方が手厚いですね。老後の備えは自分で行う必要があると思います。

9.行事の参加が厳しい

 よほどの理由があれば、会社によってはその間だけ下船させてくれるところもあるみたいですが、基本的には他の乗組員さんにも迷惑がかかるので休暇までは降りられないみたいです。

ー最後にー

 今回はメリット8つ、デメリット9つ書かせていただきましたが、あくまで2年の経験で感じた一個人の意見です。まだまだ経験が浅いので、至らない部分も多いかと思います。ご了承ください。
 デメリットでも書いたのですが会社によっては人が足りず休暇が上手く回らない所もあるようです。船乗りに興味を持つ人がどんどん増えていけばいいなと思いこの記事を書いています。
 この記事が決断する助けになれば幸いです。最後までありがとうございました。おわり


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