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【Thinka Report 2021/9】 大きな市場の獲得は、小さな市場の独占の連続でしかない

UB Venturesが運営する起業家のためのソーシャルクラブ「Thinka」

今回は先日開催された9月のMonthly Thinkaの模様を一部お伝えします。

Thinkaとは?

ThinkaはUB Venturesが運営する起業家のためのソーシャルクラブです。

アーリーステージのスタートアップ起業家が集い、自らの課題・体験をシェアし、共に学ぶ場として2019年から運営しています。

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9月Monthly Thinkaの様子

Thinkaでは月に一度、参加する起業家の課題に沿ったテーマで勉強会を開催しています。

9月Monthly Thinkaのテーマは「プロダクト創成までの歩み方 ~ターゲット選定からPMF達成への道~」です。

ゲストは株式会社ユーザベースCo-CEOの佐久間 衡さん。

初期プロダクト開発期における課題、ターゲット選定の考え方、PMFまでの歩み方・その判別についてその見識を伺いました。

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大きな市場の獲得は、小さな市場の独占の連続でしかない

起業家にとって初期に考えなくてはいけない最重要事項が顧客ターゲティングです。

狭く、具体的なターゲティングではスケールの難しさがある一方、広くターゲティングをするとユーザーに深く刺さらないサービスとなる懸念があります。

その中で佐久間さんは「大きな市場の獲得は、小さな市場の独占の連続でしかない」と言い切ります。

ユーザベースの祖業であるSaaSプロダクトSPEEDAの初期のターゲティングではプライベートエクイティファンドやM&Aブティックファームなど、非常に限られた対象をコアターゲットと設定していました。

その数、わずか20社程度。

そうした具体的な顧客像に対しDay1から使えるような業務に直結するプロダクトを届けることで、競合が提供できない価値を見出し、小さな市場を独占することに成功しました。

その後、コンサルティングファーム、投資銀行など周辺領域へターゲットを徐々に広げながら、小さな市場の独占を積み重ね、より大きな市場の獲得へと進むことができました。

SaaSプロダクトは既存の開発型のシステムと異なり、誤った顧客ターゲットからは容易に解約がなされます。

そのため、確実に価値を届けることができる少数の顧客を初期ターゲットに定め、顧客の課題解決につなげていくことが重要です。

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まとめ

起業家にとって初期のプロダクト開発はその後のサービス展開の土台となります。

「TAMの小ささを指摘される懸念」や「広く顧客に利用されるため機能を複雑化する」ことは常に頭をよぎるのがPMF前のフェーズです。

その中でSPEEDAやFORCAS、INITIALなど複数のSaaSプロダクトを作ってきた佐久間さんは、限られた具体的なターゲットに対して、まずはいち早くプロダクトをリリースし、顧客に改善を届け続けることが重要と言います。

今回のセッションでは第一ターゲットに向けて、価値を作り続けることの重要性をThinkaメンバーで共有することができました。

次回のMonthly Thinkaは10月末に開催予定、レポートは11月頭にリリース予定です。

UB Venturesとは?

UB Venturesは、サブスクリプションビジネスへの投資に特化をしたベンチャーキャピタルです。

2018年のファンド立ち上げ以降、複数のB2B SaaS企業への投資を行っており、起業家への支援を日々行っています。スタートアップへの投資を行う中で、単に資金を提供するだけでなく、ユーザベースグループの持つ、「SaaS起業のナレッジを提供する」ことが、私たちの強みであると考えています。

このようなリアルな事業経験に基づいたアドバイスやサポートを提供しています。

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執筆:飯塚 大智 | UB Ventures インターン
2021.10.06