【もっと知りたい産山村】シリーズ第7弾!『山水亭』
産山村の飲食店や観光施設、観光スポットや特産品などにスポットを当てたインタビュー『もっと知りたい産山村』シリーズ。第7弾は池山水源の水を使用し、自家栽培の野菜や地元産食材を使った御食事処「山水亭」さんのインタビューです。
タイとの縁から生まれたメニュー
タイ料理を代表するひとつ「グリーンカレー」が大人気。福岡や大分などの隣接県はもちろん、九州以外からもオートバイのツーリングで、この店の味を求め阿蘇を訪れるライダーが引きも切らない。
香辛料と野菜、鶏肉にココナツミルクを加えてほどよい辛さと甘みのバランスが魅力のグリーンカレーだが、山水亭では地元産のチンゲンサイをトッピングしたり、オムライスとの組み合わせなど、自在なアレンジが魅力だ。
ご主人の井龍次さん(44)がいう。
「グリーンカレーというと、パクチーの風味が強い印象ですが、うちでは日本人の好みに合わせて作っています。村特産のチンゲンサイをのせ、だしにはカツオと昆布、それにチキンを加えたルーにしています。米もウチの田んぼで作ったものですが、カレーはトマトソースのオムライスより人気のあるメニューになっています」
店は大阪で洋食から和食まで手がけた、龍次さんの父、訓治さんが開いたもの。龍次さんは熊本市内のホテルで修業。21年前に村に戻って父と店を切り盛りし、8年ほど前からは店を任せられるようになった。
しかし、今年1月に訓治さんが急逝(享年71)。この2年はコロナ禍もあって、宴会需要がなくなり、テークアウトも始めるようになった。
「平日は厳しいのですが、土日にはお客さんも戻ってきており、1人でやっているとお待たせしてしまい、申し訳ないくらいです。父が生きていたら忙しいときには手伝ってもらえたのですが…」と話す。
にしても、なぜタイなのか。
「産山村では1988年から地元中学(現在は小中一貫教育の村立産山学園)とタイ・バンコクの中学との国際交流が続いており、それが縁となっています。私も何度かタイに行っており、自宅にホームステイで10数人を受け入れてきました」
産山学園はタイ国立カセサート大学付属中学校と姉妹校協定を結んでおり、こうした国際交流活動が評価され、3度にわたって文部科学大臣表彰を受けるなどしている。
村の強みは何か―
井さんは、3年前から村観光協会会長の顔も持つ。
「私自身、若い時には都会へのあこがれがありました。でも、村を離れて産山の水と空気のよさ、食材の豊富さを再認識しました。自然の恵みをここほど感じられるところはないと思います。近年は村の子育て支援が厚く、魅力ある自然がある―と移り住む人もいます」
村のよさをアピールしたうえで、「人口が少ないのは何をやるにしても難しい面がありますが、昨年から始めた池山水源のライトアップなどは、人手をかけずにできるイベントとして成功しました。夏には池山水源でホタルの観賞会も計画しています。まっくらな中に見事な光が踊る幻想的な経験ができます」と胸を張る。
村の中にある、魅力をつなげ、発信していくことにも心を砕く毎日だ。
※年齢などは取材時のものです
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