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【8/26 無料公開+追記しました】わたしのかんがえたさいきょうのかいぜんていあん vol.1 :モノ売りたい?monomy

概要

特定のサービスをネタにして本職webDが「私ならこうする」と書くだけのコンテンツです。
(当然ながら)各社の社内事情は知りませんし、ログなどの内部データは見られないので

・スクショ
・公開統計情報
・プレスリリース

から推定する縛りプレイ付きでお送りします。

書き手の略歴・立ち位置

ビーズ手芸歴26年の業務経験7年のwebディレクターです。

(内訳はソシャゲが5年、ヘルスケア領域が2年弱)

作ったビーズ作品はインスタに上げております。

キットがあれば意外と色々と3人日くらいで組める。丸カンが緩んだ程度なら自分で直すけど、メガネ留めがちょっと苦手。技術レベルはそのあたりでご判断をば…

今回はハンドメイドアプリ「monomy」を取り上げます。

monomyを知ったのは前職(ソーシャルゲームスタートアップ)で話題にのぼったことがきっかけです。ビーズ手芸歴26年なので当時も興味はあり、リリース直後にDLして試しに触ったりもしました。

ですが、当時はすぐに放置しており、本格的に触り始めたのはここ2ヶ月程度の話です。

復帰するきっかけは、本業が立て込んでいて働きながら自分でデザインを起こして制作…までリソースが割けない状態だったときにインスタあたりで他の人がオススメしているのを見かけたことです。

再び触ってみたところパーツの点数も増えており、

・スマホでさくさくとプロトデザインが組めること
・リアクションが案外あること

が気に入り、頻繁に使うようになりました。
いちユーザーとしてウキウキと使い始め、何度かGOODBUY(まとめて購入予約を集められると、半額以下で購入できる定期イベント)にも取り上げていただき、インセンティブもいくばくか得たものの、職業病ゆえに日に日に

「こう改善したほうがいいのでは…?」

という思いを抱えつつ使うことに違和感がありました。

でも…ただ書くと「ユーザーの声」みたいになってかき消えちゃうじゃん!せっかく本職の知識使ってある程度本気で書くんだから、採用されるようにしたいじゃん!…ということで、noteで公開する運びとなりました。

課題:コアUXとマネタイズポイントのズレ

現状を簡単に書くと

コアUX:スマホで簡単にオリジナルデザインアクセサリーが作れる(作る人向けのメリット)
マネタイズポイント:かわいい/きれいなアクセサリーを買う(買う人向けのメリット)

という状況になっています。

これらのメリットの享受者(作る人・買う人)が大きく重なっていれば一つのアプリにまとめる形で問題ないのですが、

実際は「作る人<買う人」という構図です。

買う人…9,726億円(2014年度の宝飾品市場規模
作る人…8,673億円(2014年度のホビー白書プレスリリース

前者が「ジュエリー」のみを対象にしていることを踏まえると、貴金属を使わない「アクセサリー」も含めると「買う人」の勢力が強いことが伺えます。

ですが、現状のアプリは「アクセサリーを快適にデザインすること」に注力しており、「アクセサリーを快適に買うこと」には向いていない作りです。

検索機能がだいぶ厳しい…

取りうる2つの方向性

このねじれを解決するには大きく2つの方向があります。

1)買う人を増やす(現状の強化・改善)
2)作る人をマネタイズする(方向性の転換)

コアUXを考慮すると2)の方向性が望ましいのですが、

これを実現するには下記ノウハウを踏まえつつ、「ハンドメイドアプリ」に合わせたアレンジが必要です。

・ソーシャルゲームのアイテム販売の見せ方・知識(ただ有料パーツを用意するだけでは買われません。特にmonomyは言うまでもなく女性ユーザーが多く、ハンドメイドの知識もある方が多くいるサービスなので、その点はシビアです)
・適切な価格設定(サブスクリプションモデル?都度課金?)
・アプリ内課金部分の実装・テスト・QAスキル(経験がないと詰まりやすい分野です(実際詰まった経験あります)。そして、この経験があるエンジニアはゲーム系に集中している…)

上記の最低限をこなそうとするだけで専用の追加人員が最低2人要る(プランナー/ディレクター1名・エンジニア1名)レベルなのであまり現実的ではありません。

そのため、今回は1)に絞って改善案をまとめます。

意外な死角:webのECサイトの改修を急ぐべし

実はmonomy、アプリだけではなく専用のECサイトでもアクセサリーが購入できます。

……モノ売るってレベルじゃねーよ!

はっ、つい地が出てしまいました。

でも冷静に見てみても、ざっとこれくらいの課題が出てきます。

・アプリ内で一定程度の購入数を稼ぎ出している「GOODBUY」の動線がない
・とにかく目的のものが探しにくい(パーツ別で探すニーズ…あるんだろうか?)
・オススメがよくわからない(現状のソート順で有利になる特定の作品しか認知されない)
・購入サイトを周知させている気配がまったくない(買う人にやさしくない)

特に、GOODBUYの動線を強化するだけでも一定程度の収益改善は見込めそうです。Webなのでアプリに比べて改修コストも低めですし。

改善案の優先順としてはこんな感じでしょうか。

①GOODBUYの横展開…収益力強化

ECサイトトップにこれの動線がどーんとほしい。

アプリ内単体でも10個購入が集まるのだから、アプリ外にも向けられれば多分もっと購入数は増やせます。

②SEO対策…流入増

上記を見るとわかるのですが、我らがmonomy氏、1ページ目に登場しません。

一方minneさんはきっちり対策して5位以内につけています。

③エディタによるオススメコーナーの新設…各作品の露出増

アプリ内にある「PICKUP」「GALLERY」の横展開もよいですが、日替りで「買う人」の方向を向いた特集ページがあると良いと思います。

それによって、売れる実績のある作品の露出を強化すると同時に、アプリのユーザーさんの希望でもある「他の人の作品に一定程度のスポットを当てる」ことも同時に叶えられるかと思います。

(minne・Creemaあたりではすでにやっており、トップページからも誘導をつけています)

④サイト検索機能の改善…お手本はminne

アクセサリーを買う側としては、やはり下記4観点くらいで絞り込んで探したいです。

とはいえ、私自身がそもそも「買い手が検索機能を使う」という点に関して懐疑的だったりするので、優先度は低めです。

サイト上で売れ線のアイテムをしっかり目立たせる仕組み(①・③)のほうが必要性は高いです。

「色」…メインの色味
「素材」…スワロ?ウッド?羽根?(※いずれもmonomyに実在する素材カテゴリ)
「大きさ」…パーツの大きさデータがあるので、推定値は出せるはず
「価格」…これはいわずもがな

minneの検索機能は色味の設定などがZOZOTOWNを思わせますが、見やすいです。

追記:結局…

私自身はmonomyを使わなくなりました。理由はいろいろあるのですが、いちユーザーとして使っているうちに「内輪でお金を回している」のがわかってきてしまったからというのが一番大きいです。

モノ・サービスを売る立場も経験している者としては、「同好の士(ハンドメイド好き)」以外に、いかにして製品の良さを感じてもらうか?1人あたりの売上額を増やすか?という点に関しての努力が感じられればよかったのですが、そういう観点の努力は残念ながら感じられませんでした。

ただし、ハンドメイド関連のサービス・雑誌は多かれ少なかれこの傾向が強いので、アクセサリー作りで一定程度の利益を上げるには、表玄関から攻略するのは難しいという結論に至りました。

それを踏まえて、私自身は別軸の活動を始めていたりもするのですが、これについては別のお話になりそうです。時期をみて公開予定です。

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