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君は僕のヒーローだ!「セントラル・インテリジェンス」(2016年の映画)

「もしいじめられっ子の太っちょと20年後に再会したらロック様になっていたら?」というちょっとバカっぽいあらすじに「殺人を躊躇しないCIAエージェント」という属性と「あなたのことが大好き」というエロコメの要素を追加してしまった意欲作です。(5億点)

Filmarksの感想はこちら。

あらすじ

しがない中年会計士のカルヴィン(ケヴィン・ハート)。高校時代はスーパースター「ゴールデンジェット」と呼ばれていたが、しみったれた現状に不満を抱き妻との関係もぎくしゃくしがちだ。 そんな彼に当時おデブでいじめられっ子だったボブ・ストーン(ドウェイン・ジョンソン)からコンタクトがあり、20年ぶりに再会することになる。そこに出現れたのはまるでロック様のような姿に変身したボブであった。痛飲し一夜を明かした二人のもとにCIAトクシュブタイが現れる。ボブの正体は裏切者のCIAエージェントだというが……?

ゴールデンコンビ誕生

本作の主役はジュマンジ/ウェルカムトゥジャングルでもコンビを組んだ、ドウェイン・ジョンソン(あふれだすフェロモン)とケヴィン・ハート(ケーキを食うと死ぬ)の二人です。治療と称してロック様が妻役としてカウンセリングを受ける「友キス&ビンタ」のシーンは必見です。

本作のメインストーリーは2つ。「カルヴィンが現状と向き合って成長する話」と「冒頭のいじめのシーンをボブが克服するという話」が絡まりあってストーリーが進行していきます。

え? CIAトクシュブタイとの追跡劇? そんなもん犬にでも食わせろ

心身の成長といじめの克服

ボブは屈強な肉体と自信を身につけたけど、時々いじめの記憶がフラッシュバックして弱気になる場合があり精神的な支柱は「学園のヒーロー《ゴールデンジェット》が身を挺してぼくを守ってくれた」という記憶だけなんです。一方で、カルヴィン自身はそんなことを特に気にしているわけではなくて当然のようにボブを守ったわけで、無意識に完璧なヒーローを演じているわけです。再会して立場が入れ替わったとしてもボブのソンケイが下がることなく、ゴールデンジェット!君は僕のヒーローだ!ゴールデンジェット!君なら僕を助けてくれるだろう? ゴールデンジェット! 最期に君に会えてよかった! ゴールデンジェット ゴールデンジェット ゴールデンジェット ……ちょっと怖いぞ。重ヒロインだ。

ところで「大飯ぐらいの昔の友達が自宅にやってきて子どものようにはしゃぎまわるが正ちゃんはもう子供ではない責任のある大人になるんだ。という苦味と成長の物語」を読んだことはありませんか? そう『劇画オバQ』ですね。本作はハイティーン層を対象としたライトな作品だと思うんですが、20年の成長の苦みも加えてオッサン世代まで幅広い年齢層が楽しめる作品です。

※本筋に関係ないせがれいじりネタが多いのでちっちゃなお子様には注意が必要です。(匿名ペニ共有アプリ「チンスタグラム」とか、片手で自家用機を運びながら残った片手で無意味に股間に極太ロープを挟んで振り回すロック様とか)

ロック様が追跡してくるモンスターホラー。

この作品は「もしも瞬間移動しながら笑顔でどこまでも追いかけてくるロック様に付きまとわれたら?」という恐怖のモンスターとの奇妙な追跡劇を描いたホラーコメディとしての側面もあります。

本作の(ロック様/ボブ・ストーン)は歩いて移動する姿がほとんど見えず、一瞬でも目を離すと短距離ワープで地形の裏とかに再出現します。作中には物理的に不可能な位置や距離を瞬間的に移動してくるシーンが意図的に多数用いられており、バイオショック・インフィニットのエリザベスさんのように「視線が切れたり一定距離離れると《別のロック様》が沸いて出てくる」という《因果に導かれてカルヴィンを中心とした無数の世界線から出現したロック様》なんだと思います。 正直、ドウェイン・ジョンソンがヒールターンして笑顔の殺人鬼役を演じたら逃げ切れる自信がありません。

まさかのダブルヒロイン制

ストーリーも終盤。実はボブには最愛の相棒がいたことが明らかになります。その相棒の正体とは、アーロン・ポール。そうブレイキングバッドシリーズの正ヒロインで彼を巡ってあまりにも多くの血が流れたことで知られるジェシー・ピンクマンです。 セクシーな美貌とロック様に匹敵する身体能力をもつCIAエージェント。しかし、彼は事件に巻き込まれて死んだ。カルヴィンは死んでしまった絶対正ヒロインとボブの間で揺れ動くことになります。正直、彼が出てくることを知らなかったので超コーフンしました。ピンクマン!

CIAはおバカな清涼剤

あまりにエモい部分ばかりを語っているのでお気軽なところを話します。本作のお邪魔キャラであるCIAですが基本的にはおバカです。作品名(Central Intelligence Agency)になっているのに。

彼らは「その時点で最もあやしい存在をターゲットに追跡する」というアルゴリズムを与えられており、真実の追及や深く考えることがない組織なので彼らとの戦いは安心して楽しむことができます。

特にオフィスでの銃撃戦は爽快感がありオフィスハックの映像化はこんなかんじでやるべきでは? というアイデア(台車を使った DIE-GO-ROアクション等)が豊富で愉快なシーンでした。

未来へ

事件を解決したゴールデンジェットとボブは、20年ぶりの同窓会へ姿を見せます。会場は因縁の卒業式と同じ場所。 そこでボブのとった行動は……。

ややトンチキな言動が新たな文脈でリフレインされ、なんか感動を生み出すというグッドエンディング。いいもん観た。

この映画を知ったレビュー。ツナ缶食べたいさんありがとう!
筋肉版鶴の恩返しってキャッチフレーズすごくない?(すごい)

そしてロック様=ハートキャッチプリキュア説が再び強化されました。ロック様はハートピカピカ。20年間毎日磨いているタイプ。

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