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【炒】大好きなバーミヤンチャーハンの死んだ日【炸】

ハッとさせられました。
バーミヤンで頼んだあんかけチャーハンのベースがバーミヤンチャーハンではない。バーミヤンチャーハンに解凍したあんかけを載せる手間すら惜しみ、出自が謎のチャーハンもどきとあんかけが一体化した料理が出現したのです。

頭が真っ白になりました。
無人調理効率化による劣悪な環境の中でも数少ない劣化の程度を抑え込んだ最適化の象徴、バーミヤンチャーハン。それにアツアツのあんかけが乗る。美味くないはずがないじゃないか。

その期待を、あんなどこのものとも知らないヌペッとしたチャーハンもどきで誤魔化そうというのか。あのコメの揃ったヌペッとしたもどきチャーハン。白米とあまり変わらない自己主張のないチャーハンもどき。あれはバーミヤンチャーハンではない。あんまりじゃないか。

その者、黄金色の衣を纏いて空から米(まい)降り、衆生の空腹を満たしたり。チャーハン。(幕末の詩人イーガーコテル/独)

大衆中華料理は下準備が10割。賞味期限は0秒。
電磁波調理大いに結構。中華厨房は時短と効率の最前線にあると断言してもよい。大衆中華料理店にお金を落とすのは手際と効率化によって生じた料理の速度に対してだ。速度はうまさである。下準備が10割。あとは手際でいくらでも上乗せされるんだ。

共通メニューをベースにトッピングやアレンジで味わいを変化させていく。ラーメンに炒めた野菜を載せたり、チャーハンにレタスを混ぜたり、最小限の工夫で最大の効率化を目指すのが調理ではないのか。その手間と工夫を生産時点で別のラインにのせられたあんかけをかけられるためだけに生まれたどこの馬の骨とも知らないチャーハンを用意するとは!!

片栗粉や調味料が電磁波でダマになっていたり、たんぱく質が凝固してセクト化した豚バラが提供されるようになったのはいつごろからだろうか。バーミヤンに鍋を振る人間はいない。機械化されたマシンシェフしか存在しないことは知っているが、ここまでの手抜き(いや、料理自体は手が込んでいる)が許されるのだろうか。

決して懐古趣味ではない。
たとえ、自分で作ったほうが美味くても私は効率的に調理された手際に代金を支払いたいんだ。だから、可能な限りキッチンからチャーッ!(炒)ジャーッ!(炸)と音がする店を選ぶし、そんな店舗が再び増えてほしい。 #こんな社会だったらいいな

それはそれとして味はうまい。
セントラルキッチンの味をなめてはいけない。彼らは味に対してあくまでも真摯であり味覚の中央値を探り続けている。おすすめです。美味しかった。

バーミヤンでは、シェフの腕前に左右されない餃子や揚げ物がおすすめです。あとスープバー。シェフの腕がハッキリでる炒め物は避けるんだよ。約束だぞ。

炒め物したいなー。

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