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どうも、ダルビッシュ有です


「ダルビッシュ有に100の質問、ということでインタビューよろしくお願いします」


「あの、……いいんですかね?」


「何がですか?」


「僕、ダルビッシュ有じゃないんですけど」


「大丈夫です」


「本当ですか?」


「なんとなく面影はありますから」


「初めて言われましたけど」


「ハーフですよね?」


「いや、両親とも日本人です」


「大丈夫です」


「本当ですか?」


「横顔だけしか写りませんから」


「それでもバレそうですけど」


「ちょうど樹と重なるようにします」


「あと、そもそも野球をやったことないんですけど」


「大丈夫です」


「本当ですか?」


「投げるシーンは合成するので」


「それなら、なんとかなりそうですね」


「では質問に入ります。ダルビッシュさん」


「いや、やっぱり違和感あります。ダルビッシュじゃないんで」


「本当にダルビッシュさんじゃないんですか?」


「そうですね。まぁ、BiSHは好きですけど


「ほらほら、近づいてきましたよ。他には?」


「たしかに、身体がだるいような気もします」


「完全にダルビッシュじゃないですか」


「本当に?」


「どう見ても、完全にダルビッシュです。よっ! ダルビッシュ!


「……そう言われると、そんな気がしてきました」


「じゃあ質問いいですか、ダルビッシュさん」


「はい」


「では…………ん?」


「どうしました?」


「あなた、ダルビッシュさんじゃないですね?」


「えっ!!」


「よく見たらぜんぜんダルビッシュじゃない!! 誰だおまえ!」


「そ、そんな……」


「嘘をついたんですね! このニセダルビッシュ! ニセビッシュ!!


「くそう……」


「帰れ! このニセモノめ!!」


「うおおおおお!!!」


僕は、近くにあったボールを思い切り彼に投げつけました。


その球速は179kmだったらしく、初めてボールを投げた僕は、そのままプロとしてスカウトされたのです。


僕はダルビッシュ有ではありませんでしたが、今の僕があるのはダルビッシュさんのおかげです。


その意味で、これからもダルビッシュ有と名乗っていこうと思います。


おわり


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