春愁

今日から3月。

今年の冬は寒さが特別だったのか、自分がただ寒さに弱くなっただけなのか、早朝の陰鬱な冷気が苦しくて、生きていることさえも辛いと感じていた。

3月の頭から雨が降っていて気が滅入ったが、10時を過ぎると春の訪れを告げるように暖かい陽がアスファルトを射していた。教室の窓から外を眺めていた私の目は小学生のようにキラキラしていたと思う。

学校は午前中で終わり、お昼頃には帰宅した。
母親の作っておいてくれたチャーハンと、スーパーで買ったカスタードパンで空腹を満たした。

いつもならそのまま炬燵で寝っ転がり、携帯をいじっているのだが、今日は天気が良かったのでレコードを流しながら部屋のお掃除をした。

レコードを聴きながらお掃除なんて、ちょっぴりお洒落かも、なんて思ったりした。
天気の良い昼下がりはなんとなく、気分がいいのだ。

そうこうしているうちにいつのまにか陽が沈み、母親が作っておいてくれたカレーを食べた。私はいつも夕食の時間が早く、17時半にはひとりで食べ始める。母親は仕事が忙しくて夕方に帰ってくることがあまりない。

レンジで温めたカレーを口いっぱいに頬張る。作りたてじゃなくてもちゃんと美味しい。幸福の味がする。
それでもやっぱり、母親が温かいご飯を作って待ってくれているというのは本当に幸せなことだと思う。
でも母親の料理なら何の料理でも、冷めていても美味しい。私の不安や憂鬱な気分をすべて包み込んで安心させてくれる。まるで春の空気みたいだ。

明日はまた寒さが逆戻りするらしいが、明日は学校が休みなので久しぶりに読書でもしようと思う。

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