見出し画像

「1人のエースより、全員が125%を達成する仕組みを」──ボトムアップでつくるスタートアップ・Ubieのスケール組織

※当時期は2020年12月に公開したものとなります。

※必要最小限の時間で撮影しました。撮影の時のみマスクを外しております。


「入社したら、カルチャーの違う組織に分かれるとは正直思ってなかったですね(笑)」

そう笑いながら語るのは、UbieのUbie Customer Science(以下UCS)に所属し、Sales&CustomerSuccessを担当する中野敦雄(写真右)。

Ubieでは、事業成長を加速させるため、創業3年目の2019年末よりDev/Scale/Opsの3つの組織に分化しており、それぞれが異なる人材要件やカルチャー(行動指針)を設定しています。UCSは10→100フェーズの「拡張」をミッションとしたScaleのための組織です。詳しくはこちらをご参照ください。

中野が入社したのは、ちょうどUbieの組織が分化するタイミング。営業の仕事に留まらず、仕組みづくりや組織文化の醸成にもコミットする彼は、「一から会社を作り上げているような経験」だと語ります。

ボトムアップでの組織改善を経験して、彼は何を思ったのか。UCS代表の柴山友貴(写真左)が聞きました。

組織分化による影響も、感情ではなく論理で考える

柴山:敦雄さん(中野)は、僕が面接したんですよね。明るく元気で、誠実、素直そう、勉強熱心という印象でした。

※中野さんの入社に至るまでのストーリーはこちら

中野:懐かしいですね。ちょうど、僕が入社するタイミングで2つの組織に分かれる話が進んでいたんですよ。組織が分かれることに対して、ひと悶着ありましたね(笑)

柴山:2つの組織に分けるかどうかを一部のメンバーで検討中の頃だったので、入社予定者含め、全体には共有できていませんでした。びっくりしましたよね?

画像1

中野:最初はびっくりしましたね(笑)メンバーによって意見はそれぞれだと思いますが、個人的には社内政治などではなく、事業成長に真剣に向き合っている人たちが考え抜いた結果だと感じられたので、組織を分けたほうがいいと考えていました。

柴山:組織の分化は、主要な機能に最適化した採用活動やカルチャー形成を行うことにより、事業成長を加速させるために必要不可欠でした。そのために、丁寧に組織設計していて、共有するべき情報とそうでない情報を分けられるようにしていたので、分けても問題は起こらなかったんですよね。

中野:ただ、今でも、新しく入ってきたメンバーからは、「DevとScaleのコミュニケーションを増やしたい」という声もありますよね。

柴山:ありますね。抽象的で正論、一見正しそうな主張ってたくさんある。でも、「それって何で必要なんだっけ?というのをUCSでは問います。具体的な理由がないのであれば、今やる必要ないよね、と。不可逆性が高くて、今やらないとマズいことだけ考えましょう、と伝えています。

画像2

中野:DevとScaleのコミュニケーションも、ないとマズいのでは?と思いますが、具体的な理由は出てこないんですよね。

柴山:無限にリソースがあるならやってもいいですが、スタートアップだと現実的じゃない。リターンがない施策なんてなくて、あるのはリターンが大きいか小さいかだけ。そのリターンの大きいところを実態に即してやりましょうと、メンバーには伝えているつもりです。伝わっているよね?(笑)

中野:ちゃんと伝わってますよ(笑)

すべてはスケールのために設計された組織のあり方

中野:初めてベンチャーに入社して、いきなり組織設計の部分から一緒にやれたのは嬉しかったですね。「これぞスタートアップ!」という感じでした。メンバーを中心にボトムアップで、「こういう組織課題が起きたらヤバいよね」という土台の部分から議論できました。自分は経験できてよかったですが、柴山さんはどうしてあれだけボトムアップで進めていったんですか?

柴山:机上の空論で話をするのではなくて、お客様の声を柔軟に反映するために、ボトムアップで実態に即して変化することを重要視しているからです。組織が大きくなると、現場から離れてお客様の声を反映できない組織になってしまう可能性が高まります。

現地現物を大事にすること。その価値観をカルチャーとして醸成しながら、マネージャーになっていってほしかったんですよね。UCSという組織の規模が、近いうちに200~300人になるのは自明だったので。

中野:だから、プロセスに参加できたし、経験を共有できたんですね。

柴山:そうなんです。UCSのメンバーに徹底してもらいたいのが、システム思考とプロセス改善。システム全体を捉えながら、部分を切り取ってプロセスを改善する。マクロとミクロの視点を切り替えながら、必要な行動をするというのをバランスよくできるというのが大事。特に、スタートアップだと、そもそもから考え直さないと達成できないような目標が設定されることもある。資金調達のタイミングとか。

中野:入社してすぐだったのに、このままだとあと2~3カ月で資金はショートするかもしれないと言われて(笑)今まで達成したことがないような数値を達成しないと資金調達できません、と。コロナのショックもダイレクトに来たタイミングでしたし、あれはキツかったですよね。

柴山:そういう目標達成を目指すときって、一部のプロセスを改善しているだけだとたどり着けない。「そもそも、どんな変数があったんだっけ」と、システム全体を捉えられるかが大事。そのときは、根本から見直して打った施策がヒットして、見事目標も達成できたし、資金調達もできてよかった。

画像3

中野:あのときに適切な施策を導けたのは、過去のデータがすべて可視化されていたのが大きいですよね。どんなキャンペーンを打ったら、どうお客様が反応するかのデータがすべて残っていた。データを可視化し、データによって意思決定するカルチャーがあったからこそだなと。

柴山:そこもUCSのカルチャーですね。営業の敦雄さんからすると、嫌かもしれないけれど、全ての歩留まりデータを誰もが見ることができるようになっているし、ランキング化もされている。これは実際に経験してみてどう?(笑)

中野:すごく良いと思ってます。自らの実績がわかるだけでなく、細かなプロセスごとに歩留まりがデータで出ているので、自分は何ができていないかまでわかるんです。実績がでている人と比較して、何を改善したらいいのかのアクションにまでつなげられる状態になっているなと。データですべて可視化する一方で、「数値を上げることが目標じゃない」ということも柴山さんが同時に発信している点が印象的です。

柴山「差を埋めて標準化できる人間が重要なんだ」と、いうことを伝えてますよね。8000しか存在しない病院という限られた顧客に対して、再現性高くサービスを提供するためには、標準化が欠かせません。

中野:ですね。「数字やランキングはそのために出している」と、しっかり表現してくれるので、理解できるようになりました。KPIは、あくまで差を理解するためのデータで、それをもとに、どうすれば全体の数字を上げられるのかが大事なんだと。

柴山さんの言っていることを理屈では理解していたつもりだったんですが、最近になってようやく習慣化できてきたように思います。

柴山:UCSが目指しているのは、1人のスーパープレイヤーが1,000%の目標を達成するのではなく、全員が125%達成できる状態。中央値が高い状態を目指して、そのためのアクションを全員でやってるんですよね。Ubieの事業をスケールさせるためには、それが必要だなと考え、組織設計から採用基準まで最適化していて。

スケールのためにUCSメンバーが持つべき4つの要件

中野:標準化して、中央値が高い状態をつくるうえでは、自分の差分を受け止めて改善する素直さをもっていることが重要ですよね。スケール組織であるUCSらしい人材を採用するための要件を以下の4つにまとめました。

1.GRIT(やりきり)
2.当事者意識
3.誠実さ
4.ラーニングプロフェッショナル


一言でまとめると、自分の取り組みを定量的に捉えて言語化し、何を改善するべきか課題を見つけて、そこに対して論理的にやり切れる人。これがUCSが求める人材。個人プレイを求めるのではなく、チーム全体に貢献し、全員で高いレベルを達成していけるという点も重要だと思います。

柴山:実際に現場で働いている敦雄さんとしては、この採用要件はどう見えてますか?

画像4

中野:「GRIT(やりきり)」は、自分のリソースをどこに投下すべきか、行動を全て可視化し、筋道を立てて目標へ向かうことだと理解しています。

続いて、「当事者意識」。UCSは採用や組織づくりもすべて自分たちで行います。だから、誰かがやってくれるだろうではワークしない。例えば、あるメンバーが新入社員のオンボーディングの型ができていないことを「これは課題だ」と自発的に作りなおしている。これは当事者意識を体現したエピソードだと思います。

「誠実さ」は、UCSの事業領域としてとても大切な要素。あるメンバーは、理不尽に見えるクレームに対しても、最後まできちんと丁寧に対応していました。普通であれば、契約のお断りも選択肢にあるような案件でしたが、誠実に対応した結果、最終的に導入まで並走していました。

最後に「ラーニングプロフェッショナル」。自分の課題を見つめ、他のメンバーのアウトプットから学ぶ姿勢でいることです。最近入社したメンバーが、他メンバーから学んだ内容を全員にシェアしたんです。おかげで組織全体での学習サイクルがより洗練されました。ラーニングプロフェッショナルであると同時に、組織全体の成長を意識している当事者意識の現れだと思いましたね。

柴山:UCSにとって、ラーニングプロフェッショナルはなぜ重要なんでしょうね。

中野:ひとつは、成果達成のなかで環境が日々変化していてて、プロセス自体も変化するから。その度に、僕たちは新しいことを学び続けなくてはならないので、常に素直にいることが重要です。もうひとつは、プロダクトの変化。僕たちが提供するAI問診サービスはSaaSの分野。提供できる価値が日々変わっていくので、変化に合わせて学び続けなければならない。

柴山:ラーニングプロフェッショナルとGRITは重要視しています。UCSは市場のナンバー2ではダメなんです。圧倒的ナンバーワンでなくてはならない。そのためには、成功パターンを理解して、さらに次の成功をどうするのかというのを検証し続ける。過去の成功体験に縛られずに、その環境に最適なものを、プロダクトの変化や外的要因の変化に合わせて作らなければならない。だから、ラーニングプロフェッショナルである必要がある。

また、大企業なら120%ほどの目標で良い場面でも、スタートアップでは「その10倍もの数字を達成しないと会社死にます」というケースがあって。それを乗り越えるときに「GRITできるか」が重要になる。普通に考えたら無理なものを、どうしたら達成できるのかを考え、やり抜けるかが大事なんですよね。

UCSは全員で組織を作り上げる

画像5

柴山:UCSで働いてもう少しで1年が経ちますが、実際に働いてみてどうですか?

中野:組織のカルチャーづくりに貢献できたと思ってます。例えば、日々の活動に対して課題感を共有して、自分なりのPDCAを回していく過程を細かく発信していました。今ではこの行動が組織全体としてやったほうが良いと推奨されています。これは組織に貢献できた一例かなと。

柴山:組織全体のためのアクションは素晴らしいですよね。組織を率いる役割の人間としては、メンバーから「カルチャーに貢献できている」という声が聞けるのはとても嬉しい。UCSの組織は、誰かがすべてを作るのではなく、全員で作ろうというスタンス。これからも、ぜひ組織そのものを一緒に作ってくれるメンバーを探していきたいですね。


【Ubie Customer Scienceオンライン説明会】

毎週水曜日19:00‐20:00にオンラインにて実施しております。
当日は会社説明の他、特定のテーマで社員のディスカッション、またリアルタイムでの質疑応答も活発に行われますので現場の生の声をお伝え出来るかと思います!
少しでもご興味お持ちいただけた方は申し込みフォームよりお申込みください。

Ubie株式会社 Ubie Customer Scienceでは一緒に働く仲間を募集しています


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?