見出し画像

文の呼吸 壱ノ型 起承転結

鬼滅の刃が流行っているのは展開の早さもあるでしょう。「え、この話はもっと引っ張れるでしょ?!」なんて思うくらいドンドン話は進んでいく。
そして魅力的なキャラたち。誰もが惹きつけられる鬼滅の刃のストーリー構成は「起承転結」なのですよ。あの魅力的なストーリー展開。自分の書く文章に応用することができたら・・・。

■今までの起承転結について考えてみた

起:始まり・前置き
承:物語が進む・詳細説明
転:急展開・転換・反論
結:終わり・結末・結論

文章を書くと、必ず構成方法で出てくる「起承転結」。
起承転結を意識して書きましょう。なんて言われた経験はないですか?

学校で習ってきた起承転結の意味は上の説明のようなものでしょう。

無理。これじゃあ応用が利かない。書いていてワクワクしない。

ネット時代の文章は最初にダラダラと前置きを書いてしまうと読んでくれません。冒頭から惹きつけなくてはいけないから。読者はかまってくれません。

それに「起承転結」は大学の教授や日本語学の先生からすこぶる評判がわるいのです。加えてビジネス文書とも相性がわるい。

「起承転結」は使えない文章構成である、と。

・・・果たして本当にそうなのでしょうか。

じゃあなぜこれほどまでに「起承転結」が一般的に浸透しているのだろう?

■起承転結は定義がとても曖昧

日本語学専門の高崎経済大学教授、高松正毅先生は「起承転結はそれぞれの機能の定義が明確でなく曖昧だ。ほとんど使い物にならない」とまで言っている。

千葉大学国際教育センターの佐藤尚子先生は「転の部分が論理の一貫性に反する」と論じ、論文指導者の横尾清志氏も「転の部分が論理的な展開から逸脱している点が論理的でない、中学生の作文指導も起承転結で書くことを意識してはならない」と述べている。
(wikipediaより抜粋)

有名ブロガーやプロの作家も「起承転結ではなく起"転"承結で書け」と主張しています。

どれだけ嫌われているんだ、起承転結は。

気になるのは「起承転結は定義が曖昧」というところ。
なんと、これだけメジャーな文章構成のくせに使い方がよくわかっていないのです。

■起承転結の起源を調べてみた

大辞泉 起承転結の意味
1 漢詩、特に絶句の構成法。第1句の起句で詩意を言い起こし、第2句の承句でそれを受け、第3句の転句で素材を転じて発展させ、第4句の結句で全体を結ぶ。起承転合。
2 物事の順序や、組み立て。

漢詩の構成が起源でした。

起句、承句、転句、結句。

今まで教えられてきた、知っていた意味と少し違います。
「転」が反論だなんてどう変わっていってしまったんだ。
「結」は結論なんて書いていない!

元の意味をたどると起承転結の使い方・定義づけができました。

■本来の起承転結

起:読者を起こす
承:起こした読者を受け止める。
 (寝かさないよう)飽きさせないように展開する。
転:視点を変える。または別視点で承の内容を発展させる。
結:全体のまとめ

だいぶ変わりました。
こうやって見ると、すべての文章構成はここにたどり着きませんか?

例えばビジネス文書やセールスレターで求められる「最初に結論から入る」。これは読者を起こすことそのままです。起承転結でも文章の内容によっては結論から入ったっていい。

「起」は前置きじゃなくていいし、状況説明ばかりでもない。
もし状況説明で読者を起こせるのなら構わないでしょう。

前回の記事で書いたPREP法SDS法も、起承転結に含まれます。

PREP法
P起:Point(結論・ポイント)
R承:Reason(理由)
E転:Example(具体例・事例)
P結:Point(結論・ポイントを繰り返す)

SDS法
S起:Summary(概要説明)
D承(転):Details(詳細)
S結:Summary(まとめ)

「起」と「転」の意味をしっかり定義してあげると、途端に文章は書きやすくなります。
「起」は導入部だけじゃない。
「転」は反対意見じゃない。

■鬼滅の刃の起承転結

鬼滅の刃の各エピソードは以下の形式で進みます。

【起】主人公視点で衝撃的な事件が起こり
【承】主人公視点で仲間と出会ったり戦闘シーンがあったり
【転】悪役視点(鬼)のエピソードがあり
【結】主人公視点で解決し後日談

起承転結は使い方を知ると使いやすいのです。心に響きやすいのです。
なぜって、日本人は小学生からこの構成に慣れ親しみ、刷り込まれているもの。

【転】の使い方が絶妙だと思いませんか?
文章であなたが書きたいことは、あなただけが書けることでしょう。
誰かがすでに書いているのなら、あなたは書きませんよね。
【転】がポイントです。

最後まで読んで頂きありがとうございます! また是非おこしください。 「スキ」を押していただけるとめちゃくちゃ感激します 感想をツイートして頂ければもっと感激です ありがとうございます!感謝のシャワーをあなたに