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世話をされたくて暴れるご機嫌悪子に、iPadを買い与えるまで

久しぶりにご機嫌悪子に会った。

ご機嫌悪子(ごきげん-わるこ)というのは、ご機嫌のよろしくない私である。メンタルが荒れる時、「あー、私はメンタルが荒れているな」と認識するだけの時と、「メンタルが荒れて暴れている自分を、よそから眺めている」ような気持ちになる時がある。この、よそから眺めるメンタル大暴れの私が、ご機嫌悪子である。

※ご機嫌悪子の話はこの記事にも出てくる。「ご機嫌悪子の機嫌を取ろうとしない方がいいのではないか」という話。


このところの私のメンタルの荒れは「誰かに世話をされたい」という気持ちではないか、と、昨日の朝に思い至った。

「誰かに世話をされたい」

この気持ちは初めてかもしれない。自分が初めての気持ちを抱くのは面白い。これは何だろう?

思い出したのは、在宅勤務をしている(確か既婚女性の)方の記事だった。すみません、どこで読んだか忘れてしまったのですが、「狭い家の中で、家事と仕事に追われ続けるのに疲れてしまった」と書かれていた。
それを読んで、「ああ、そういう捉え方もあるんだな、わかる気がする」と思ったんだった。

仕事を中断して、お手洗いに行く。あ、洗濯物は乾いたかな。風が強いし、窓を閉めておこう。おお、ご飯が炊けてる、早めに休憩に入って取り分けておこうかな。……気が散る。気が散る!
いちいちストレスに思うことはないけど、都度都度の「気が散る」が、積もり積もっているのだろうと思われる。ステルス疲労というやつだ。
職場に行けば仕事だけしていればいいが、おうちでそのように振る舞うことは、私にはできない。

生活と労働のべたべたミルフィーユに疲れた。誰かに私の世話をしてほしい。甘やかして欲しいわけじゃない。衣食住の面倒を見て、あとは放っておいてほしい。家事も労働もない場所で!

参考:「家に帰りたくない」

昨年12月、出先で「家に帰りたくない」と強烈に思い、そのままホテルを取って泊まったことがあった。


その時は「ハウスキープに疲れた」ということらしい。今回のは、それのもっと激しいやつだ。
ご飯は勝手に3食出てきてほしいし、できれば2泊3日くらい家を離れたい。もちろん、仕事からも離れて。

iPadの導入

ご機嫌悪子が「他人の世話になりない」と思っていることはわかった。理想の対処としては、家を物理的に離れて、食事付きの宿泊施設に2泊くらいすることだ(これのお世話になりたい)。しかし、そうホイホイと出歩ける状況でもない。

だからといって、手をこまねいて待つわけにもいかない。ご機嫌悪子には早急に対応しなければならない。ご機嫌悪子がいるとうるさいし、放っておくとさらにうるさくなるからだ(ご機嫌悪子が聞いたら怒るだろうけど、君は本当にうるさいし、ケアしてあげないといけない気になるし、実際ケアしてあげることになるからだ。まあ、君は私なんだけど。)

それでとりあえず、iPadを買った。

なぜiPadなのか?

私はいつか誰かと原稿合宿に行きたい。それこそ、ここに行ってみたい。

原稿合宿に備えるために、前々からiPadが欲しかった。私はノートパソコンを持っていないし、iPhoneではちょっとな、と思うため。もちろんキーボードもないし。
※なお、iPadが欲しい動機には、本を作る際にペーパーレスに校正がしたい、大画面であんスタMusicのMVを観賞したい、などもある。

しかし残念ながら、今はとても原稿合宿を企画できる状態ではない。やるせない。が、原稿合宿はできなくても、iPadを入手することで心理的に原稿合宿に近づき、ご機嫌悪子の回復を試みることにしたのであった。

iPadの機種の話

蛇足ですけれども。

中古家電のネットショップで、iPad Pro 9.7インチ(128GB)を選んだ。お店選びにはiPad先達の友人がご相談に乗ってくださいました。ありがとうございます。

機種はこちらの記事を大いに参考にさせていただき、9.7インチであることを主眼に選んだ(正確には、10.1インチ以下だとOfficeソフトが無料で使えるから、である。当該サイズで最大のものは9.7インチ。あとはminiの7.9インチのみ)。

無印iPadの第6世代も同じ9.7インチで、上の記事の方は第6世代を購入されていた。私も第6世代も検討したけれど、スピーカーが4つ付いているProの方が、ゲームで遊ぶにはいいかなあなどと思ったのだった。あと、第6世代の色味はゴールドだけれど、Proにはローズゴールドがある。ローズゴールドが好きなんだ……。

これから届くので、サイズ感とかはまだわからない。
ただ、行きつけの美容室に置いてある端末(雑誌アプリ用)がおそらく9.7インチ(Airの第2世代とのことだった)で、それならば作業にあたってそれほど小さすぎることはなさそう……と踏んでいる。

紙でサイズ感を見た

好きなジュエリーショップさんが、オンライン購入の検討のために「石の大きさに紙を切って、着ける場所に当てる」をお勧めされているのがとても好きで、私もiPadでやってみたのだった。楽しかった。自分の手によって形ができて「こんな感じか〜」とわかっていく工作遊び、好き(そうしてこういうことになる)。

お前の夢は私が叶える

「家を離れて他人に衣食住の世話をされて数日過ごす」を、100%実行できるとは限らない。たとえそれが、今のご機嫌悪子によく効く対処方法だろうとわかっていても、自他の健康には代えられないからだ。

それなので、私は冷静に、そして愛情深く、他の手段を検討して示してやらねばならない。ご機嫌悪子が暴れているのは、普段私が「世話」をちゃんとやっているからだ。毎日、狭い家の中で、働きながら、やり続けているからだ。それはとってもえらいことなのだ。ただ生活しているだけといえばそうだし、一般には褒められることでもないかもしれないけれど、でも私は、私くらいは、私を褒めてやらないとしょうがない。そして、自他の世話をやっているあなたもえらい。本当にえらい。

ご機嫌悪子を褒めてやりつつ、息抜きをさせてやらねばならない。何もしてやらずに頑張らせ続けるのは、多分よくない。大事なのは、今を乗り切ることだけではなくて、これからまた長い間、自分の世話をし続けることだから。私は、何の特別な取り組みもなしに日々を送り続けられるほど、質素な人間ではない。わかっているから、なんとかする。

お前の夢は私が叶える。お前は私だから。iPadが届くのを、先に届いたBluetoothキーボードをわくわく眺めながら、楽しみに待とうね。そしていつか、本当に原稿合宿に行こうね(ご一緒してくださる方を随時募集しています!)。

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