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出演オファーは出演確約ではない

「相談相手に決して失礼のないように」
仕事だけでなくてもプライベートでも、仲間でも、上司でも、部下でも、お客様でも、
相手が誰であろうと、どんな場面だとしても意識しなければならないことだ。

でも、テレビの業界にいると、お客様となる「出演者候補」の方に対して、『さすがにそれはちょっと失礼ではないか?』と思うこともしばしばだ。

リサーチャーという仕事の1つに「キャスティングリサーチ」と呼ばれる、企画に合った出演者候補を探し、その方に連絡を取って『○○という番組で△△という企画を考えているのですが、出演を検討いただくことはできますか?』と打診し、制作に報告するまでの流れだ。

(私の主観だが)候補者の方に企画を打診すると、割と多くの方が出演を承諾してくれるように思う。
ただしここで厄介なのが「出演確約ではない」ということ。
多くの方がOKを出してくれた場合、誰かが落選してしまう。
または「ペンディング」といって、本来の候補者が突然ダメになってしまった場合の予備、いわばバックアッパーになることもある。

番組側も撮れ高を考えなければならないので、当然ながら選ばれる人が出て、落ちてしまう人が出るのはやむを得ないことだ。これは仕方ない。
ただし、ただしだ。
宙ぶらりんになったまま、最後どうなったかもわからないまま、いつの間にか終わっていたというのは、さすがにないだろう。
実際、こんなことなどしょっちゅうだ。
予定していた企画が「練り直し」という名目で中断になり立ち消えになってしまったり、本当に候補者が集まらなかったりと、リサーチが止まることは珍しいことじゃない。

ただ、こちらから協力をお願いしているのだから、やるならやる、やらないならやらないで、最後まで連絡することの責務は果たさなければならない。
しかし、リサーチ側の独断でバラシの連絡ができない上、制作側で情報共有がなされていないこともあるので、バラシができないままオンエアまで終了するケースが多い。
幸いなことにトラブルが起きたケースはないが、この慣習は改める必要があると考えている。

テレビという立場に胡座をかいて、協力をお願いすれば全員が協力してくれる時代ではないと思う。
様々な媒体があるのだから、テレビが1番ではない。

自分ひとりで長年の慣習を変えることは難しいかもしれないけれど、「あなたが依頼してくるのであれば、ぜひ協力したい」と言ってもらえるよう、個人の信頼度を高めていきたいと思う。

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