バンドマネジメントについて

今回はお題の通り、バンドマネジメントについてつらつらと書きたいと思います。

と言いましても、「バンドが思い通りに動いてくれない!ムキィー!」的な問題を即座に解決するものではなく、仕事も予定も嗜好もバラバラなバンドメンバーのライブブッキング、はたまたスタジオ練習や個人練習を「いかに効率良くまとめ上げるか」を備忘録としてまとめたものです。


僕のバンド

僕は今、自分がリーダーを務めているジャムバンドでのみ活動しています。

過去には地元のアマチュアミュージシャン(オケ・ジャズ・ロック・タンゴ…)や結婚式・パーティーでの演奏、古楽器とのコラボ、地方遠征のプロのサポート等々、ジャンルも形態もバラエティー豊かなサポートに参加させていただきました。

しかし、仕事と家庭と音楽以外の趣味、何より自分自身の精神的バランスを保つために、今現在は自分がリーダーを務めるジャムバンドだけに絞って活動しています。
バンドメンバーはギター、コントラバス(僕)、ドラムの3ピースです。

メンバー仲は良い方ですが、バンド活動以外ではあまり遊ぶこともなく(たまにセッションやご飯に行くくらい)、職場も職種も年齢も音楽の嗜好性も三者三様です。

更に言えば、家族構成も休みが取れる日もバラバラです。
そんなメンバーと効率よくバンド活動を行うために心がけていることは下記のとおりです。


1.早めに次回のライブ日程を決める

バンド活動を行う上の、最大公約数的な着地点は「ライブ」という方が多数だと思います。
とか言いつつ、僕のバンドは年に数本しかライブをしてないので偉そうなことは言えませんが…

例えば、普段の生活でも「帰ったら○○をする」とか「次の休みは△△に行く」という具体的な目標をあらかじめ設定することで頑張って動けることも多いかと思います。

同じように、バンドのモチベーションを保つためにも予定を入れておく、つまり「次のライブブッキングをしておく」ことを積極的に取り入れてます。


2.演奏予定曲をザックリ決めておく

ライブの日程・ブッキングをした後は、演奏会場の雰囲気や対バンの雰囲気を考慮しつつ、バンドの力量を最大限に発揮できる選曲を行います。

自分が好きな曲でもいいですし、メンバーで案を出し合って決めるのも良いでしょう。
旅行もそうですが、準備してる時も楽しいですよね。

選曲はいつもワクワクしながら楽しんでやってます。時々、考えすぎて熱が出たりしますが。


3.スタジオ練習でセットリストを絞る

バンドでスタジオ練習に入ったら、まずは演奏予定曲を一通り演奏してみます。

ここで大切なのは「バンド練習は個人練習とは違う」という意識をバンド全体で共有しておくことです。
個人練習は飽くまでも「個人の演奏技術を高める練習」です。
バンド練習は「バンドのアンサンブルや細かい決め事を確認する練習」です。

アマチュアバンド、特にセッションの延長線上のようなジャズバンドに多いんですが、「基本、集まって練習はしない。譜面も準備しない。本番のインプロビゼーションとアドリブを大切にする!」って人たちがいます。

正直に言いますと、鋭い洞察力をお持ちで、ハプニング的な演奏で素晴らしいものを作り上げられる方は一介のアマチュアに留まりません。
とっくの昔にプロになって世界中を飛び回ってるはずです。

大抵の場合は「何となく始まって、何となく全員がソロを取って、何となく終わる…え?今終わったの?」という「ヤマなしオチなしイミなし=801」な演奏が出来上がります。
腐女子との相性は好いのかも知れませんが…

個人個人の好みがあるので何とも言えませんが、僕はそういった演奏に対しては「見るのも聞くのも非常に退屈。時間の無駄。」と感じてしまいます。

無料にせよ有料にせよ、お客さんは「見て聴いて楽しむ」ために足を運びます。
メンバーにしても、なかなか時間が取れなかったりする中、時間を割いてバンド練習に来てたりします。

練習成果を効率的に発揮するためにも、スタジオ練習は本番での演奏の質を高めることを目的とするように意識しています。

そこでここでの本題。「セットリストを絞る」です。

一通り演奏した中で、危うい曲は容赦なく切り捨てます。
他のメンバーの希望曲であれ、その人自身ができていなければ切り捨てます。
練習してないその人の責任です。

だからと言って責めたりすることはしません。
仕事が忙しかったり、個人練習も取れない状況だったかも知れませんし。

更には各個人の演奏可否もさることながら、アンサンブル自体が「演奏に耐え得るクオリティか」ということに重点を置いて判断します。

その中で抽出された曲目、つまり「クオリティの下地がある程度できているもの」を選りすぐり、突き詰めて練習します。

そうすることで、短い期間しかとれないバンド練習、ひいては次回以降の練習がラクになります。


4.ライブ&終了後

ライブは水モノです。その場その場の出来や感想があるとは思いますが、ライブ終了の打ち上げだけに留めます。

大事なのは「ライブで得られた良い点/悪い点を次回の活動にどう活かすか」です。

止む無く切り捨てた曲への再チャレンジでも良いでしょうし、次のステージで演奏できるような選択肢が得られた等々、活かし方は様々です。

バンドとして活動できる幅がアメーバのように広がっていくと、バンドマネジメントがより面白くなってきます。

もちろん、集客とは別の問題なので難しい所ではありますが…


管理ツール

一昔前はメールや電話でメンバー毎に連絡を取って、手帳にメモして調整したのに、練習当日になってドタキャンしたりで「本番までの練習時間がぁぁぁ…」ということもありました。

が、今は便利な世の中になってスケジュール管理もラクラクです。
オンラインの弊害としては、ネット関係に疎いメンバーやオンライン関係に非協力的なメンバーがいる場合には、ある程度負担してあげなければいけないことでしょうか。

マネジメントはバンドによってまちまちだと思いますので、ここでは僕の個人的な有効活用法ということで参考までに記載します。
※以下で掲げる「譜面共有」等は著作権の侵害を行うものではなく、また、それらの行為を扇動するものではありません。ご利用は計画的に。


・メール&LINE
メンバー/お店/クライアントとの連絡&調整

・Googleスプレッドシート&エクセル
各メンバーのスケジュール・レパートリー・ライブ予定表や、演奏曲目&曲順の管理。さらにはセッションの自動生成表も作れる優れものです。
チケットノルマ・チャージバック・スタジオ料金表等の分担金額を計算するための自動計算式も構築してます。

・Dropbox、Googleドライブ、Googleフォト
譜面・ライブ写真や演奏動画の共有

・Piascore
譜面スクラップ

・iRealbook
参考音源&コード譜

・YouTube
参考音源(プレイリストを作ってメンバー内だけに公開)

・Evernote
ライブ・曲構成等のメモ

・SNS(LINE・Twitter・Instagram)
ライブ情報やバンド現況のお知らせ

・Garageband
簡易的なレコーディング


ざっとこんなもんでしょうか。ちなみに、僕が使用する管理デバイスはMac、iPad、iPhoneです。
普段何気なく使っているツールやちょっとしたスキマ時間を利用することで、バンドマネジメントも時短で済ませられます。

その分、個人練習の時間に充てることが出来たり、実際のバンド活動で出てくる曲の確認やライブへの道程等を視覚化することが可能になるため、より効率的な音楽活動ができるようになりました。

まとめ

長々と書き連ねましたが「円滑なバンド運営」のコツは大きく括ると下記のとおりです。

・バンドのライフサイクル(ライブ~練習~ライブ)を決める
・マネジメントツールを活用する

複数名の人間で構成&運用するバンド活動は、言わば「時間との闘い」です。

音楽表現を念頭に置くことを大前提とした時、各メンバーの意志を尊重しつつ、バンド単体での活動がスムーズに流れるためには「無駄の排除・徹底した効率化」が求められます。

「そのバンド/音に出資できるか」を客観的に考えた時、バンドは一つの商品です。そう考えれば、稼ぎの大小はあれど、バンドは一つの会社みたいなものではないでしょうか?
(※「バンド=会社」と言ってしまうと楽しみが半減する気がしますが、ここでは一つの例えとして捉えてもらえるとありがたいです。)

もちろん、友達同士で集まって音を出して楽しむバンドも大いに有りだとおもいます。しかし、ある程度、ライブハウス等での外部活動をするのであれば、それなりのクオリティは必須です。

趣味だからと言って中途半端にせず、「一生懸命、真剣に考えながら遊ぶ」ことで面白さが出るんだと思います。

この記事がバンドマネジメントの問題に直面しているバンドリーダーやマネージャーの方の参考になれば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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