ラジオの生き残り方がすごい

ラジオについて

伊藤と岩田のラジオシーズン2は明日で最終回です。散歩中に聴く方、増えています。是非聴いてください。昨日は何か別の事をしながら触れられる音声メディアが、今後注目されるという話を書きました。今日は、ラジオの生き残り方が凄いという話を書いていきます。

メディアは、情報を伝えるという役割を果たします。大きく発展したメディアは、それぞれの時代で情報を伝える媒体として一番優れていた、伝わるスピードが速かった物がほとんどです。ラジオの凄さに行く前に、近代あたりからのメディアの歴史を見ていきたいと思います。

まず、大きく発展したのは新聞(雑誌も含む)でしょう。アメリカ独立戦争やフランス革命が起こった18世紀、既に広く読まれていた新聞は、世論を動かし、市民革命を成功させました。その後産業革命で都市の人口が増加して大衆が生まれた際には、労働者向けに低価格化を実現し、情報を伝える媒体として敵なしの状態となりました。

20世紀に入ると、ラジオが発明されます。第一次世界大戦後から徐々に浸透していったラジオは、第二次世界大戦時には世論に対して大きな影響力を持ち、戦争の結果やプロパガンダはラジオを通して市民に届きました。日本で敗戦が伝えられた玉音放送もラジオで伝えられます。

戦争前から開発されていたテレビは、終戦後一気に注目されます。当時は白黒でしたが、一般人には手の届かない値段だったため、街頭テレビに多くの人が集まりました。その後カラーテレビが商品化され、1975年には家庭への普及率が90%を越えます。

その後はインターネットが開発され、現在に至る。メディアの歴史としてはこんな感じだと認識しています。それぞれ一番情報を伝えるのが速く優れていた時代がありますが、より速い媒体が現れると速く伝えるという役割では使ってもらえなくなります。

ただそうなったとしても、それぞれすぐに消えるのではなく、なんとか生き残ろうと奮闘するわけです。
新聞は年齢層が高い人の生活に上手く入り込み、さらに子供の勉強に役立つという印象付けに成功し、家庭や学校にも普及しました。

テレビは一度買ったら何年も使えますから、そうそう捨てられません。さらにタレントというスターを作り出し、そのスターがいる場所として地位を確立しました。常に何かを放送しているのも強みでしょう。

一番生き残るのが大変そうなのが、ラジオです。常に放送している、無料等の強みは、テレビと完全にかぶっています。映像があるほうが好まれるので、負けです。テレビのようにラジオが全世帯に普及しているわけではありません。そこまで注目されていないので、4K放送みたいに音質を上げてASMRを配信するみたいな技術革新も起こりません。新聞や本のように教養がつくイメージもありません。

それでもラジオは生き残っているのです。これって本当に凄いことだと思います。前置きが長くなりましたが、ここからが僕の話したかったことです。まず、昨日書いた「ながら」にいち早く着目して、運転しながら聴いてもらえる工夫をしました。車内では、Wi-Fiがない、映像を見ていると危険、テレビの電波も入りにくい等、ライバルたちが弱点を露呈しています

その分ラジオは余程山奥に行かない限り聴けますし、高速で交通情報を流し続けるハイウェイラジオを開設したため、最近ではトンネル内でも受信環境が整備されています。曲を沢山かけるなど、ドライブ用の番組を量産して、車内はラジオというイメージ作りに成功しました。

テレビのコンプライアンスが年々厳しくなっている中で、特に深夜ラジオでは何でもあり感を維持。テレビに出ている芸能人が、ラジオでしか話せないトークを展開する事でレアさを出すことに成功しました。

さらにメールやハガキを通したリスナーとのコミュニケーションを徹底。運が良かったら、自分のメールが芸能人に読まれるという距離の近さと、リアルタイムな双方向性を作り出しました。

さらにさらに、民法、NHKどちらも無料で聴けるアプリ、ラジコを開発。スマホさえあればラジオを聴けるようになりました。一週間以内であれば、リアルタイムを逃しても聴くことができます。テレビはネット配信で大揉めしていますから、この団結力は凄いです。

このように、一見需要が無さそうでも、自分たちの強みをしっかり理解して、独自性を出していけば、生き残れるのです。これから生きていく中で、いつも自分に需要があるとは限りません。存在意義が分からなくなった時は、ラジオみたいに自分の強みを再確認して、何かに特化していけばいいのかもしれません。

最後まで読んで下さりありがとうございました。特に前半、分かりにくかったらごめんなさい。スキ、感想、共有等してくれると励みになります。明日もよろしくお願いします。

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