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Dear Boy

タイトルで出落ちかもしれないけれど、辛抱してお付き合いくださいませ。

口をつけばロックだのパンクだのと最近は言っているけれど、実は2018年頃までの10年くらいはガッツリとEDMにのめり込んでいたりしたのが僕です。

きっとみんな在宅で音楽とか聴きまくっていると思うので、たまにはそんな話をしてみようかと思います。

そもそもを言えば、中学生ごろに某走り屋マンガの影響でユーロビートが爆裂ヒットしたり何故だか暴走族の間でトランスが流行ったりした時代を抜けてきたので、その頃からEDM的な素養というものがあったりしたんだ。

その後、前述したようにロックに傾倒していくのだけれど、2010年頃に自分にとって一つの転機となったのがPendulumっていうバンドとの出会いでした。

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Pendulum/Immersion(2009)

追っかけていたELLEGARDENが活動休止になって、他にも数バンド邦楽のバンドが解散したりいろいろあって一段落してしまった心の穴を埋めるべく、洋楽メタルやら洋楽ハードコアを雑食に漁っていた頃(確かこの頃にまだジョン・ムーアだった頃のSkrillexを聞いて好きになった記憶がある)に友達から勧められたのがこのPendulumだったんだよね。

EDMの歴史については

https://futuregroove.jp/2016/12/24/edm%e3%81%a8%e3%81%af/

ここら辺の記事で書いてあるんだけれど、このチャートの中で言えば僕のルーツは完全にEMO/PUNKから入ったドラムンベース。元々聴いていたメロコアバンドのBPMにも近いから聴きやすかったっていうのもあるけれど、なんだこのリズミカルなバックとエモーショナルなリフは。と衝撃を受けたのを覚えています。そっからひたすらYouTubeでドラムンベースを漁る日々でした。

そうこうしてるうちに、EDMにもいろんなジャンルがあるのだなあとあちこち聴きかじるようになり、段々と洋楽シーンでもバウンス系のEDM(HardwellとかShowtekあたりかな)が盛り上がってきて、日本のクラブでも聴くようになりました。当初は(そもそもダブステップとかも聴いていた影響があって)重たければ重いほど、音はコンプレッションしていればしているほど素晴らしいと思っていたけれど、段々そのアクの強さに疲れてきたというか、もっとメロディの繊細な曲ってないのかなあとまた聴き漁る日々、そう言えば、AviciiとかいうDJがスマッシュヒットを飛ばしたなあ…弟がアルバム(True)を持っていたなあ…なんて聴いたのがWake Me Upでしたね。

Avicii/Wake Me Up(2013)

牧歌的なギターバッキングからの包み込むようなリードシンセ、初めて聴いたときはなんとも思わなかったはずなのに、1週間くらい聴いていたら急に頭の先から衝撃を受けたような感覚になって、こりゃすげえ。となったのを覚えてる。

そっからというもの、もう毎日四六時中Aviciiをひたすら聴くようになりましたね。You Make Me、Addicted to You、Levels、本当に何を聴いてもこの人の音楽は多彩だなあと思ううえに、ほとんど歌のパートなんてないのにその数少ない歌詞に込められた悲喜の詩、心を囚われるとはこのことだなっていうくらい、実にELLEGARDENを好きになったときの衝撃以来の衝撃だったよほんとに。

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Avicii/True(2013)

入りがAviciiだったっていうのがちょっと迂回してる感じもあるけど、結局自分の中で一番しっくりくるのは90年台のテクノ系の流れをくむプログレッシブハウス(Daft Punkあたりが古いかな)界隈だなっていうところで、Swedish House Mafiaのメンバーあたり、あとはAxwell Λ Ingrossoらへんを聴くことが多くなった気がするね。あとはちょっと毛色は違うけどMartin GarrixとかZEDDとか。この辺は聴きやすいので、EDM聴いてみたいけどウェーイ系なのはちょっと…っていう人に是非お勧めしたい。

閑話休題。

結局Aviciiが生きているうちに制作した純粋なネームアルバムは2枚しかないのだけれど(そしてやはり甲乙付け難い名曲揃いなのだけれど)、何よりも僕が一番大好きなのがDear Boy。僕が好きな曲に惚れるパターンって必ず決まってそうなんだけれど、最初はなんてこともない曲だと思っていたものがある日急に涙が出るほど感動するっていう恋の落ち方。CHEMISTRSYのBACK TOGETHER AGAINを聴いた時も、ELLEGARDENのLonesomeを聴いた時も全く同じ落ち方をした。このDear Boyがまさに人生において記憶にある限りで3回目のそれだったね。イントロの歌詞、メインリフに入るまでの期待感、一気にエレクトロパートに入ったときの圧、リードの音色、エモーショナルなリフ、ブレイクダウン、もう何を取っても完璧としか言いようがない。語彙にしても何も伝わらないな。聴いてください。笑

2016年6月5日、2度のキャンセルを乗り越えて来日してくれたAviciiを見に幕張のマリンスタジオに馳せ参じた時、ライブセットでDear Boyやってくれるかなあ…なんて思いながら、"So bold and fine〜"のボーカルが聞こえた瞬間にはもう涙と汗と鼻水といろいろでぐちゃぐちゃだったなあ。

というわけで、人生を左右する音楽は時々こうやって舞い降りてきたりするものです。でも、やっぱりいまはロックが好きだよ。というのも、Aviciiが亡くなってしまったことがやはり自分にとってEDMから離れる引き金になった気がする。だからこの曲を聴くときは懐かしい旧友に会うような気持ちになるのです。

個人的なことだけれど僕はAvicii、いやTim Berglingと同い年です。そんな、美しく激しくも短い人生を送った同級生ティムの曲を、僕はこれからも引き出しのどこかに大切にしまっておきたいなって思っていたりするよ。

素敵なリミックスと映像を日本の方が作ってくれているので最後に貼っときます。



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