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Alternative Plans

なんだか最近は、気づけば「どうやったら人にウケるのだろう」と考えている節がある。 

昔の自分はそうじゃなかったなあ、とふと思った。いや、いまも他人に迎合するのは好きではないけれど。

自我というものがどの段階で確立されたのかはわからないけれど、確実に「自分の意思で」何かを選び出した時期があったのを覚えている。

そう、何年かに一度、僕はなぜ音楽をやっているのか、そもそも何が好きなのか、そんなことを考えたりする。

そもそも、幼少期から音楽には触れていた。

ヤマハの音楽教室は3歳から通っていたし、エレクトーンとクラシックピアノも足掛けで13年くらいやった。音楽ってのは日常にあるものだったし、当時は気にもしていなかったけれど僕には絶対音感があって、どんな曲でも1,2回聞けばメロディーを歌えててしまうというのが当たり前だった。

そんな僕が物心ついて最初に自分で買ったCDはCHEMISTRYの1stアルバム”The Way We Are”。

ASAYANとか歌の大辞テンて番組は当時あったよね。その辺の影響でケミストリーを買ったのを覚えている。

あの頃から「歌が上手くなりたい」という明確な憧れを持つようになった気がする。

そっから高校くらいまではなんとなく世の中の流れに任せるように音楽を聴いていた気がするな。ORANGE RANGEとか、モンパチとか、HYとか。色々ごちゃごちゃと聴いていたし、ユーロビートなんかも聴いていたし、そういうのが現在の音楽性に影響している部分も多分にあるのだけれど、この辺の頃の記憶は本当にごちゃっとしてる。

そんで高校に入って空前のバンドブームがきて、手当たり次第邦楽ロックを聴くようになった。ハイスタとかゴイステとかね。ロックっていうのは汚くて衝動的な音楽なんだっていうのを知るようになっていくんだけれど、そんな頃に出会ってしまったELLEGARDENっていうバンドがぼくの人生に多大な影響を与えてしまうんだ。ロックがかっこいいなんて。

ロックは泥臭くなきゃいけないと思っていた。けれど、エルレに出会ってから「ロックはお洒落でパワーがあってかっこいいんだ」というのを肯定するようになった。パワフルなバッキング、ハイフレットで掻き鳴らされるオブリ、疾走感あるリフ、期待を高めるユニゾンからのエモーショナルなアルペジオ。どの要素を取ったってどうしようもなくカッコいいんだよ。

この時からなんだ、はっきりわかるんだけれど、エルレを好きになって以降、確実に、他意なく自分の趣味趣向で音楽を聴くようになったのだ。

それからは自信を持ってどんな音楽が好きか?と聞かれたら答えることができる。グランジロック、ハードコアロック、オルタネイティブ、スクリーモ。洋楽も邦楽も本当にたくさん聴いた。コードバッキングとハイフレットのオブリ、エモーショナルなアルペジオ。誰かがカッコいいと言っていたのを受け売りにするのではなくて、ぼくがぼくの意思でカッコいいと思える。これがぼくの自我だと思っている。

しかし、ともすればそういう趣味をいつの間にか忘れていたりする。

多くの人がよいと言ったもの、流行っているもの、権威者が評価したもの。そういったものを肯定する大人にはなったんだけれど、それを自分の趣味に取り込んでしまっていたりする時があるんだ。これはいけない。

この10年くらい、アニソンも、EDMも、J-POPも、確かに好きだし名曲がたくさんあることを知った。別に人が聴かない音楽に固執する必要もないと思えるようになってきた。けれどやっぱり、誰かが評価した曲だから、と聴いちゃいけないと思っているんだよね。

そんな時は、無心で音楽を聴いたあの頃に戻ってみるのだ。童心だなんてキレイなものではないけれど、タワレコの試聴機にかじりついて買ったアルバムを、擦り切れるほどに聞き続けたあの頃のように。そうだ、いつかそんな曲が書きたいな。

そうすると、ああぼくは誰と比較して辛くなってるんだって思えるようになってくる。

The only heaven I know

My Stereoman is fine

He takes me everywhere I go

ああ、そういえばそんな曲がやっぱりエルレにあったな。 

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