Her name is Laura

気がつけばエルレのことを見ている自分がいる。
こんなにも不思議なバンドは後にも先にもないもんだと思う。

とあるブログでね、エルレが大っ嫌いだっていうのを見たんだよね。エルレってちょっとイケてるやつが「いいよねー!」つって聞くバンドだって。わかるなあその気持ち。女子受け良さそうだもんな。そういうやつに限って「ジターバグ」とかしか知らないんだぜ。
そういう意味では、Green Day好きだって言ってもAmerican Idiotしか知らないやつが世界には1千万人くらいはいそうだよな。

閑話休題。

そういうにわかづくりのファンのような何かに対する漠然とした憤慨ってのは10年前もいまも変わらない。僕がメタルをやったりどんどんプログレッシブな音楽に傾倒したのもその辺の事情が多分に絡んでいる。
要するに、「わかる人にしかわからない」ことをしたかったし、その小さくて脆い理論武装の輪で人を選り好みするというか…つまりなんだ、敵意剥き出しで生きていたよね。

いまになって思うのは結局のところハイスタもゴイステもエルレもみーんな素晴らしいバンドだったんだよね。別に派閥で争う必要もなければ「お前らの好きな音楽も素晴らしいね」の一言で済んだはずなんだ。若かりし自分は何故それに気づけなかったか。
アイデンティティの置き場なんてものは、個の独創性ばかりには必ずしも依存しないんだ。みんな違わなきゃいけないのではなくて、みんな違ってもいいしそうじゃなくてもいい。共感したいところは存分にすればいいのだと。そういうことかなあ。先日のフジロック、ミネタカズノブ氏が「ナンバーワンじゃなくてオンリーワンは、ナンバーワンを否定するじゃないか」って言ってたあの発言の真意はそんなところにあるような気がする。

兎にも角にも、最近の僕はというとMONOEYESを毎日聴いています。エルレの細美さんも好きだし、MONOEYESの細美さんも好きだし、別に個人崇拝のようなものはないけれど、純粋にバントサウンドとしていいなって、あの声とあのギターサウンドの心地よさに、バンドがどんな成り行きで動いているかなんて野暮なことを考える必要もないのかなって思ったりもする。

とはいえもちろん、やはり僕の一番大好きな曲は12年前からELLEGARDENのLonesomeで変わっていない。この矜持だけ持っていれば、あとはたいした問題じゃないのかなって思うよ。

MONOEYESのライブで細美さんに会いたいなあ。願わくば、エルレのチケットも取りたい。

サポートしていただけたら嬉しいです。継続する励みになります。