ちい告 広告代理店が作る広告ではないクリエイティブ 「法人の個人化 – プロ野球と草野球が入り混じるゲーム」
以前はよく広告代理店さんと仕事をすることがありました。
広告代理店がする仕事は規模にもよりますが多岐にわたっていて、クライアントが思い描いている事を超えてアウトプットを出すのが広告代理店の仕事です。
仕事はあくまでもクライアントありきで自分たちから発信することは少ないです。
そんな広告代理店さんが自分たちで発信している小さなフリーペーパー「ちい告」を見つけたのでご紹介です。
ADKクリエイティブ・ワンから、極小フリーペーパー「ちい告」創刊!
ちい告という名前の通り、とても小さいです。
小さいけどとても凝った作り、赤い帯におまけシールもついています。
綴じられていないカードがたくさん入ったスクラム製本です。サイズはとても小さいですが非常に凝った誌面です。
プロ野球と草野球が入り混じるゲーム
ウェブの発達にともなって人が何かを表現してそれを発信することのハードルは低くなっています。発信はSNS、コンテンツはアプリを使えばそれなりに簡単に作れます。
発信のハードルが低くなりスピード感が大事になると伝える「内容や質」よりも「本音感」を重視するようになってきました。
コロナを経て生活がオンラインに依存するとその傾向はより強くなりました。当然企業にもそれが求められるようになり、特にマーケティング活動はその傾向が強いです。企業はこぞって多少粗くてもいいから、というより多少粗い方が本音感がでてよいのかもしれませんが自社でコンテンツを作るようになります。自社のしかも現場の担当者などが自分でコンテンツを造り発信するようになっています。
最初は小回りの効く中小企業が始めていましたが今や無印良品やアパレルブランドなどさまざまな企業がマーケティング活動を個人もしくは個人の発信者を起点に行うようになりました。
もともと一流のタレントやデザイナー、カメラマンなど高品質な広告制作などプロフェッショナルなクリエイティブ制作を得意としていた広告代理店は、半年前にtiktokやyoutubeを初めて有名になった広告業界を全く知らないインフルエンサー、企業の担当者と同じ土俵で仕事をするようになります。
プロ野球の世界に超逸材から趣味で楽しむ草野球プレイヤーが混じって、入り乱れて野球しているような面白い世界になっています。
広告代理店の人、カメラマン、当然デザイナーや動画コンテンツクリエイターなど、これまでアンタッチャブルだった世界の人々が今一度自分たちの価値を見直し、自分たちだけでしかできないことを提示していくこと求められ、それを始めています。
それはクライアントの仕事を受けてそれを消化するというより、自分たちが発信者になるということが重要になってきている証拠です。
長くなりましたが、そんな思考の一端を「ちい告」に感じたのでご紹介しました。細かいことは抜きにして見た目がとてもかわいくて思わず手に取りたくなるフリーペーパーでした。
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