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あのときも、これからも

「札幌経由で大阪に帰る。」

大学を中退し、ワーキングホリデーを使ってオーストラリアに旅立ったきり、連絡がなかったエミからメールを受け取ったのは、新千歳空港に着いた時で、私がそこにいたのは全くの偶然だった。
すぐに返信する。私は札幌に二泊する予定で、一日友人と会う以外はノープラン。

翌日、お互い時間が取れた。

はじめて見る「縮毛矯正が取れた」ふわふわの髪をなびかせ、ノースリーブのワンピースを着た彼女と、大通り公園沿いのコーヒーショップで、ひたすらに話した。
彼氏のこと、友達のこと、仕事のこと。
会話というより、言葉の投げ合いだった。
空白の三年間を埋めようと、お互い大童だった。
そのまま居酒屋に行き、札幌駅近くのユースホステルで眠るまで、私たちは壊れたおもちゃのように話し続けた。

あれから15年。
今回は何時間、言葉を投げ合えるだろう。
お互いやかましいおばちゃんになったね。
あなたと友達でいられて、良かった。

もしもがあったら、読むことに繋げたいです。