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教授のプロジェクト~事の始まり~


ワシは某大学の教授という仕事をしている。

ワシにはやってみたい事があった。

ワシは長年、あるプロジェクトを計画していた。

それは一つの実験であり、観察である。

やっとの事でワシは学長からの許可を勝ち取ったのじゃった。

ワシは早速、プロジェクトを遂行してくれる学生を探す事にした。

ワシの講義を受講する学生の中から、ワシのやりたい事に向いていそうな者、数名に声をかけた。一年や二年では足りないので、まだ入学したばかりの一回生と二回生をターゲットにして選んだ。

しかし、入学して間もない一回生からはただ怪しまれるだけで、総スカンを喰らった。二回生からも、自由を拘束されるという理由で断られ続けた。

その中で唯一人、輝いた目で嬉々として承諾してくれた女学生がいた。実験に伴い名は伏せるという事で、このプロジェクト中に実際につけていた仮名で呼ばせてもらう。その二回生にワシは小春こはるという名を与えた。

小春には正直、期待などしておらんかった。何故なら講義中、殆どワシの話になんか興味を持たずにいつもぼーっと時間が過ぎ去るのを待っていただけのような学生だったからじゃ。小春はたまたまワシが別の学生を口説いている時に、廊下をすり抜けようとしていた。ところが、話の内容が耳に入った途端、そのプロジェクトの内容を詳しく教えて欲しいと言って、ワシにすがりついて来たのじゃ。他に承諾してくれる学生もいなかったので、ワシは小春の熱心さに賭けてみる決心をした。

そうして、ワシと小春のプロジェクトが開始された。と言っても、はじめの一年は下地を整えるだけ。年寄りのワシと、若いエネルギーだけが頼りの女学生の二人だけでは思うようなスピードでは準備が進まなかった。それでも小春は一所懸命に彼女なりの全力で頑張ってくれた。その点にはワシも頭が下がる思いじゃった。

ワシが知識を与え、それを彼女が実行する。彼女ひとりでは到底できない力仕事も多かったので、その時には他の学生にアルバイトとして手伝わせた。

まあ、始まりというのはそんなとこじゃ。






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