加害者心理 私の体験(5)私が罪悪感を初めて抱いたとき
あの頃の私は
Yちゃんが喜ぶことであれば
なにをしても「正義」になる
という価値観で行動していた
だから
そんな当時の私にとって
Zちゃんがどんな気持ちなるかなど
考える必要もないことだった
Zちゃんが嫌がることをすればするほど
Yちゃんが喜ぶ
すると
Yちゃんが私のことを褒めてくれる
私はそれだけで満足だった
つまり
私にとって
Zちゃんをいじめることは
私がYちゃんからの褒め言葉をもらうための手段のひとつでしかなかった
だから
当時の私にとって
Zちゃんは「人間」というより「道具」だった
一緒に悲しみや喜びを共有する「人間」ではなく
大好きな人を喜ばせるために利用する「道具」
それが
当時の私がZちゃんに抱いていた認識だった
それなのに
Zちゃんを駅に置いてきぼりにした次の日
Zちゃんは目を真っ赤にして涙を流しながら
「どうして」
と聞いてきた
そして
「待ってたのに」
とも言ってきた
そのとき私は初めて
自分がいままでZちゃんのことを「道具」としてしか見ていなかったこと
Zちゃんの「人間」としての大切な部分を大きく傷つけてしまったことに気づいた
「人間」らしさが欠けていたのは
Zちゃんではなく
私たちの方だった