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【100記事記念】パッチショップタイガーエンブ‼️

若者が着ているミリタリージャンバーの背中には見事な刺繍が入っているものがある。そして様々なパッチが付いていて、それがファッションとなっている。今回はそんなパッチを作成している会社をご紹介しよう・・

沖縄市中央のパークアベニューに刺繍を入れてくれる店が何件かある。同じ刺繍のものでもそれぞれに得意があるようで、それが店内の雰囲気にダイレクトに反映されている。オレンジ色の看板のトラの絵を入れているタイガーエンブは店内の壁という壁に隙間なくミリタリーパッチが貼られている。パッチショップを名乗っているとおりである。

2019年に創業55周年を迎えるタイガーエンブは現在は2代目。両親の後を継いで弟が社長を務め、姉の泉さんが店長をしている。最初は母親の名前をとって『さち刺しゅう店』としてスタートした。

終戦直後の1945年、母親はまだ独身だったが、群馬から来た人に刺繍を習った。それは真剣そのものだった。強い気持ちで、手に職をつけなければとの思いで住み込みで習った。刺繍をするミシンは足踏み式で膝の位置にあるレバーの調子を見ながら刺繍をしていく。これがいわゆる横振りミシンで、使いこなせるようになるには相当の熟練が必要だった。

独立して店を開いたのは東京オリンピックが開催された1964年で、最初に顧客になってくれたのはコンチネンタル航空のパイロットなど民間エアラインのクルーたちだった。制服などをハンガーに吊ったまま持ち運べるガーメントバックに航空会社のロゴマークや名前を入れてパーソナライズするのだ。

それを刺繍でやった。その頃はものすごく忙しくて注文の約束に間に合わなくて出直してもらうことが起きる位だったという。『アイムソーリーしか言わない位忙しかった。』と両親が口にした言葉のままに語ってくれた店長の泉さん。両親への敬愛の念に満ちあふれていた。

アイムソーリーにもかかわらず客を失わなかったのは仕事が丁寧だったから。刺繍と言うのは続けて縫うので、文字と文字の間に糸がつながる。それを丁寧にハサミで切って仕上げた。『糸一本でも出さない。』のが、1つずつの工程を大切にするお母さんのやり方。その上、海外で作る値段の3分の1でできた。『タイガーエンブで作った』と口コミで評判が広がった。

現在では、図案持ち込みで米兵などが注文に来る。オーストラリアからも注文が来る。自衛隊の人も来る。町の観光協会がやっている『ドル体験』ができる店の1つでもある。もっとも客の9割を占める米兵たちはドルで支払っていく。

店頭には700円からサイズによっては100円のパッチが並ぶ。これなら修学旅行生が店に来ても気軽に何か買っていける。今店で人気なのはバッグタグだ。ヘルメットバッグや部活動のバッグにチームで揃いのタグをつける。バゲージタグとしても他にないスタイルなので目印となる。

沖縄に来た際にはぜひ寄ってみてはいかがだろう。ちなみに店名に使われているタイガーは社長の干支から来ているそうだ。

おしまい

ポコ♪🐸🇯🇵🇯🇵🇯🇵

【参考文献】monoマガジン最新号

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