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ポコ♪がたまには「株」について語る④

株式投資はやっぱりギャンブルである

世の中のほとんどの人は、「株は胡散臭い」と思っている。

それは無意識のうちに、株をギャンブルの一種と考えているからだ。

証券業界は長年、この「偏見」と戦ってきた。

「日本経済はこれまで間接金融(銀行が会社にお金を貸し付けること)中心でやってきたけど、バブル崩壊でその耐用年数が切れてしまった。これからはアメリカのように直接金融(会社が株式市場で資金を集めること)の時代がやってくる。そのためには健全な株式市場と賢明な個人投資家の育成が必要だ」とかなんとかかんとか・・

もちろん、株式市場で働く人たちが職業への偏見を正したいと願う気持ちにウソはないだろう。

でも、そのやり方が絶望的に間違っているのだ。

彼らはこれまでずっと、

① ギャンブルは胡散臭い

② 株式投資はギャンブルではない

③ だから、株式投資は胡散臭くない

という三段論法で人々を納得させようと躍起になってきた。

でも、このやり方は、みんなが「株ってしょせんギャンブルでしょ」と思っている以上、うまくいかない。

そして困ったことに、どんなに否定しようとも、株はやっぱりギャンブル(偶然のゲーム)なのだ。

じゃあ、どうすればいいかというと、考え方をコペルニクス的に転換して、株をギャンブルと認めてしまえばいいのである。

① ギャンブルは胡散臭くない。

② 株式投資はギャンブルである。

③ だから、株式投資は胡散臭くない。

ほら、ずっとすっきりするでしょ。笑

だって、全部本当のことだから。

ギャンブルが胡散臭くない理由は、私たちの人生が胡散臭くないのと同じだ。

誰も未来を知る事はできない。

そんな不確実な世界の中で、私たちはみんな少しでも成功の可能性の高い道を選ぼうと努力している。

生きるということが、そもそも偶然の積み重ねなのだ。

ギャンブルが胡散臭く見えるのは、偶然によって勝負が決まるからではない。

そこにイカサマがからんで、おうおうにして一部の人だけが得をするようになっているからだ。

日本の株式市場だって、はっきり言って、これまで随分といかがわしいことが行われてきた。

だから大事なのは、全ての参加者に公正で公平な投資機会が与えられる開かれた市場をつくることだ。

そうなれば、株式投資についてのみんなの見方はずいぶん変わるだろう。

なんと言ってもそれは、社会の富を増やし、みんなを幸福にするとてつもない力を持っているのだから。

ところが金融業界の人たちは、「投資家教育」とかいう名目で、「株はギャンブルじゃありません」キャンペーンを大々的に展開している。

そうすると、この理屈を自己正当化に使う人が出てくる。

① 私はギャンブルには手を出さない。

② 株はギャンブルじゃない。

③ だから株にはまっている自分はぜんぜん悪くない。

とか。笑

そして困ったことに、真面目な人ほどこの罠から抜け出せなくなってしまう。

このままでは、「投資家教育」をすればするほど哀れな犠牲者が増える一方だ。

こうした悲劇を少しでも減らすために、まずはいちばん大事な原則を覚えておこう。

株式投資はギャンブルである。

でもそれは、たんなる賭け事ではない。

素人でも大きな果実を手にすることができる、世界でもっとも魅力的なギャンブルなのだ。

・・つづく・・

【参考文献】『臆病者のための株入門』橘玲著(文春新書)

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