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20200917 知らぬは罪

今日も涼しい良い一日でした。
秋の気配が漂ってきています。
長袖着るか迷う季節。
(※写真はいつかどこかで撮ったきのこ写真。もちろん食べてません笑)

午前

【朝カンファ】
・入院中に血糖コントロールをきちっとしたくなる気持ちはすごく分かりますし、自分もそうなりがちですが、一方で病院はRCTみたいな”ツクリもの”の世界です。結局家に帰ったら、「食べるもの」も「食べる時間」も「動く量」も「飲む薬」も何もかもが違うわけですよね。患者さんの生活へ思いを馳せることはとても重要で、家庭医療的な視点とも言えるかもしれません。そして、多くの患者さんにとって家こそが日常です。病院でやり過ぎないように、血糖値の”遊び”は残して置いた方が良いです。

・入院カンファでは様々な持参薬を見る機会がありますが、今回はミノマイシン長期内服症例。適応は色々で、骨軟部組織感染症の長期使用や、リウマチ膠原病領域でDMARDs的に使用されるか、皮膚科領域の長期使用でしょうか。
 ミノサイクリンの有害事象として有名なのはDRESS/DIHSです。カルバマゼピン・アロプリノールに次いで3番目に多いとされています。あとは血清病や薬剤誘発姓ループスも起こるとか。

・その他有名なのは色素沈着や歯牙黄染でしょうか。この写真は衝撃ですよね。色調は青灰色なんですねえ。

【回診】
・胼胝に膿瘍合併。あまり経験しなかったので勉強になります。胼胝に感染を合併して感染性心内膜炎に至った症例報告なども見つけました。色々勉強になります。やはり糖尿病患者さんの足診察は重要です。

・GDM患者さんの自己血糖測定の保険適応について。ちょっとキャッチアップできてませんでした。これ、本当に恥ずかしいけど知らなかった・・・申し訳ない気持ちで一杯です。一応適応拡大は2016年3月だった模様。知らぬは罪だなあ

【C101-3 在宅妊娠糖尿病患者指導管理料 150点】
 在宅妊娠糖尿病患者指導管理料は妊娠中の糖尿病患者又は妊娠糖尿病の患者であって、 下記の者のうち、血糖自己測定値に基づく指導を行うため血糖測定器を現に使用している者に対し て、適切な療養指導を行った場合に算定する。
 妊娠中の糖尿病患者又は妊娠糖尿病患者のうち、以下の(1)又は(2)に該当する者
 (1) 以下のいづれかを満たす糖尿病である場合(妊娠時に診断された明らかな糖尿病)
ア.空腹時血糖値が126mg/dL以上
イ.HbA1cがJDS値で6.1%以上(NGSP値で6.5%以上)
ウ.随時血糖値が200mg/dL以上
(注)ウの場合は、空腹時血糖値又はHbA1cで確認すること。
エ.糖尿病網膜症が存在する場合

(2) ハイリスクな妊娠糖尿病である場合
ア.HbA1cがJDS値で6.1%未満(NGSP値で6.5%未満)で75gOGTT2時間値が200mg/dL 以上
イ.75gOGTTを行い、次に掲げる項目に2項目以上該当する場合又は非妊娠時のBMIが25以上であって、次に掲げる項目に1項目以上該当する場合
(イ) 空腹時血糖値が92mg/dl以上
(ロ) 1時間値が180mg/dl以上
(ハ) 2時間値が153mg/dl以上
→(イ)(ロ)(ハ)はまさに診断基準なので、2項目陽性は導入して良いということになります

午後

【昼カンファ】
・本日の症例カンファはNEJMのProblem Solving。今月は沖縄中部病院卒業の先生からです。非常に興味深い症例でした。興味のある方は是非お読み下さいませ。とはいえ、これ、診断できるのすごいです!最後はちょっと家庭医っぽかった。


【外来再診】
・今日は比較的あっさりな外来日。気になった症例をレビューします。

・もう8年くらいDMだけど投薬しないで経過をみている若年男性。OSAで耳鼻科併診なのですが、この間耳鼻科は4人医師変更。今回も変更になったので、どうなるかねえ?と。どちらかと言えば、本人の職場ストレスなどを聞きながら、ややブラック企業的な職場との付き合い方の相談をしている感じ。

・スタチン誘発性筋痛症の患者。前医で困りに困って相談。結局少量メバロチンに落ち着きましたが、一次予防なのでいるかなあ?とお話ししつつ、でも本人の希望に従い調整しました。CKはずっと高いけど甲状腺機能は正常。マクロCK血症かもなあと思いつつ様子を見ています。

・甲状腺機能亢進症でGraves病だろうという患者さん。自己免疫性肝炎合併。甲状腺が一時期すご〜く落ち着かなくて、メルカゾールの調整を色々やってたんですが、ここ1年ほどでかなり安定しました。現在5mg1錠で安定。この辺りは、本人も今までの経緯もあってあまり動かしたがらないため、有害事象が出ない限り継続の方針としています。止められない人、まあまあいますよね。

・夫婦外来。当初は妻のみでしたが、途中で「実は私も・・・」となり夫婦で診ていくことになりました。定年退職後で仲良し夫婦なので食生活はかなり近いのですが、今回は両者明暗を分けるカタチに・・・何が効いてるのかなあ?と明らかにしていくのが大事。こういった時夫婦いると、あーじゃない、こーじゃないと話しているうちに、2人の関係性や生活が見えてくるのが好きです。

・パニック障害+COPDで見ている中高年男性。しばらく休職して傷病手当を書いていましたが、今回いったん退職することに。ひとまず18ヶ月までは傷病手当金が出ますが、今回産業医とも連絡を取ることに。診断書を作成しつつ、適宜ご連絡することになりました〜。COVID-19下でも傷病手当制度は重要ですね。


とりあえず、ざっくりでした。
明日で今週終わり〜。
週末タスク前に色々原稿仕上げたいなあ・・・



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