☆Springin’のしくみをデザイン☆#012【eスポーツ 終了後記】

さて、先日まで行われていました『Springin’プログラミングコンテスト Supported by ツクモ/新しい「対戦型eスポーツ」』の優秀作品が、昨日発表されました。
あまり時間がかけられませんでしたが、なんとか入賞できました!!ヤッタネ!!
ということで、普段はやらないのですが、今回はこの特別感のある特集イベントについて、せっかくnote始めたんだしまとめておこうかなぁ、ということでつらつら書くことにしました。

今回は考えることが多かった・・・。

今回のテーマは、なかなかに考慮する要素があり難しかったと感じています。
①プレイヤーがお互いにフェアである設定にする。
②勝敗の判定が明確にできる。
ということはもとより、さらに高めるには、
③戦略や技術向上によって、"上手くなる要素"がある。
④したがって、むちゃくちゃにやって勝てるビギナーズラックの確率を下げておく。
⑤できることなら、スレスレ・ギリギリで勝てる要素があると盛り上がる。
常連の大人がやるなら、ここまで考えたいと思いました。

今回は、私が優秀賞に選んでいただいた『グラヴィト〜ル』を例に、ワーク完成に至るまで考えていたことなどをお話しさせていただきたいと思います。

最初に考えていたこと。

画像1

このゲームは画像のように、中央にある7つの『陣地ボール』をシューターで撃つことで自分の色に染めて勝敗を決める、というもの。要するに、運動会の『棒引き合戦』のシューティング版です。

最初は本当に、重力とかではなくただの狙って撃つだけでした。
ただ問題だったのは、無茶苦茶な一斉射撃によって、一瞬で上手くもない方が勝ってしまうとか、制限時間内ずっとやみくもな撃ち合いになってしまう可能性があること。これだけは絶対に避けなければと思っていました。

まず考えてみたのは、連射を防止するために『陣地ボールにシューターが当たるまで次のシューターは撃てない』というしかけ。
連射防止の最も簡単な策です。

しかしこれだと、上手くなっていくとおそらく両者が一定のリズムでのシュートになる、つまりはただ「どこを狙うか」というチョイスの戦略ゲームになってしまうことが予想されました。
シューターを撃つ動作についても、いわゆる「ポチッとな」の繰り返しになってしまうので、普段から遊んでいる人にとってはもう何万回もやった飽き飽きしている作業になってしまいます。

ヒントはあのゲームでした。

そこで次の検討するポイントは、
①撃つ動作に、上達する要素を加えたい。
②陣地ボールを狙うために、上達する要素を加えたい。
に絞られました。

そのときふと浮かんだのは、『モンスターストライク』の、あのひっぱってシュートするという動作。
私は実はあのアプリのユーザーではないのでよく分かっていないのですが、
引っ張るという加減があり、撃つ方向もその引く角度によって調整が必要なら、“上達する要素”が多分にあるのではないかと考えたわけです。

Springin’でこの動きを再現するならバネだろう、と考えるわけですが、ここでまた壁にぶつかります。
まずはこちらの動画をご覧ください。

画像2

左側が純粋なバネだけの動き。引っ張った方向と反対側にきれいに動いています。ただ、バネはその位置で固定されるからこそ引っ張るという概念が生まれるので、そのもの自体は動かせません。
続いて右は、シューターをバネで撃つ様子。真正面なら良いのでしょうが、角度をつけるとごらんの通り、引いた方向とシューターがとぶ角度にビリヤードのようなズレが生じ、急いで撃ち合うゲームとしてはナンセンスな状態に。

これではどちらも“狙って撃つ”には厳しいと言わざるを得ません。

ただ、「上達しないと上手く撃てない」という方向性については手応えを感じていました。

後ろでダメなら【引力】で。

そこで、後ろに引くのが無理なら、前で“上手く操作してやらないといけない何か”が、シューターをコントロールするかたちにしよう、と模索する中で、【引力】による狙い撃ちという発想に至りました。

重力ボールとシューターを直線で結んだ方向に撃つ、引力の“引っ張る”を最大限に活かすためのボタンの押し加減という上達要素が加わり、
副産物として、少しゆっくりめに発射すると変化球っぽくなるというおもしろ要素も追加されました。

アイテム数ギリギリの100使い切り。そして期間もギリギリ最終日。何とか最後に出した3作目が入賞に選んでいただくことができました。

最後に、

さて、今回の私のように、
おそらく入賞者のほとんどは、こういったプレイする側がよりフェアに盛り上がる設定について熟考し、その過程で新たな可能性に巡り合っているはずです。
また、プレイヤーを引き込むものはゲームのしくみそのものだけでなく、ストーリーについてしくみを駆使して展開したものや、チュートリアル的なものに多くのしくみを使ったものなどもあり、層の厚さを感じました。
たまにはこうした、しくみにガッツリフォーカスした特集も面白いですね!

ただSpringin’の良いところは、デザイナー人口やサウンドクリエイター人口も巻き込めるところにあるため、あまりこればっかりがフィーチャーされるのもよろしくない。
見るだけワーク・音ワークなどの方向でも、今後とも活躍できる場が作られることを期待しています。


以上、まずは自分の話をまとめておきました。
ここまで読んでいただいた方々にとって、何かの参考になりましたら幸いです。

あ、気になった方『グラヴィトール』やってみてね〜。
他にもいろいろ作ってるよ〜。


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東京の私立宝仙学園小学校の教員。ビジュアルプログラミングアプリ『Springin’(スプリンギン)』の大人クリエイター。あまりテクニックがまだ一般化されていないSpringin’の可能性について考えていきたい。