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違和感の無い状態

こんにちは。岩城です。TWOTONEでは取締役業とアートディレクション業を主にやっておりまして、今回はアートディレクション業として気をつけていることの一つについて簡単にお話します。

違和感のない状態、というタイトルそのままです。情報や、ユーザエクスペリエンス、レイアウト、ユーザインターフェースの設計やデザインにおいて、「違和感のない状態」を目指すことが多くあります。

違和感のない状態とは

もう言葉そのままですが、違和感を持つことなく、何も考えず使えること、と考えています。私達がよく使うツール、たとえばドライヤーや自転車、鉛筆などはすでにこれまでの人生でさんざん使ってきた経験があり、何も考えずに使い始めることができて、使い終えることができます。私達が作るものに関してもこれらと同じ状態を目指している、ということです。奇をてらった表現を求められる場合もありますが、私の仕事の半分以上はそうではなく、何も考えずに使うことが出来、使わない状態に置いておくことができる、というフラットなもので、これを作るのは何気ないことと考えられることが多いですがこれにはかなり多くの注意点が潜んでいるものです。

違和感のあるもの

先日、このようなものを見かけました。

これはなんでしょう?あえてラベルを黒く隠しましたが、じつはこういう状態です。

中身はラー油です。とある中華屋さんにてこれをみかけました。

通常想定しているラー油の容器とは大きくかけ離れたこれに、私はぎょっとしました。通常この容器はスキンケア用品や洗剤等を入れるものであると認識しているからです。確かにこの容器だとあまり液垂れすることなどはないのかもしれませんが、違和感しかありません。至って業務的な振る舞いをユーザに強いるのはやや不親切なのではないかと感じました。(もちろん美味しく食べましたが)

店員としては何気なく行った行為かもしれませんが、ユーザとしてはそこに違和感を覚え、なにかノイズのようなものを抱えながらの食事となったことは確かです。私が気にしすぎ、ということもあるのですが、これをみて、私は自分の帯を閉めざるを得なかった、という話でした。

違和感のない状態、というのは本当に難しいものです。地味に受け取られますし話題性もないものなのでそれを作りつづけるのはときにはしんどい思いもするものですが、そういうものをしっかりと作るところから、次の何かが見つかるのだと信じて、今年も生きていこうと思います。

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