羽虫

机の上を、羽虫がウロウロ、というより、ジタバタしていた。

飛び回ってはひっくり返り、起き上がっては飛び上がり、また飛び回ってはひっくり返り、といった感じである。

正直、鬱陶しい上に見苦しかった。と同時に、羨ましくもあった。

元来私は慎重派である。何かに憧れても、失敗や周囲の目を恐れてやらずに終わることが多い。

今だって、別にやりたくもない就職活動をしている。

そんな私から見て、羽虫の生き様は本質としては美しいとさえ思えた。

もっとジタバタしよう。

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