【日常雑感】無意味な未定義語に価値を感じる不思議なオジさんたち

私は大手機械メーカーでエンジニアをしています.典型的な日本の大企業です.最近は兎にも角にも効率化,効率化と言われ,効率化のネタ探しに50代の管理職たちは躍起になっていますが,彼らの思考がよくわかりません.

若手が仕事をしにくいと思う点がたくさんあります.それを改善しようと提案しても受け入れられません.

そのうちの一例をこちらで取り上げます.
私の業務は設計です.試作品の図面を作成・製造し,性能の評価を行い, 量産に繋げるという仕事をしています.

試作品を発注をする際に,図面の他に添付書類をつけて工場に回します.

この添付書類というのが曲者で定義の分からない言葉が多数含まれており 新入社員はその未定義語の意味を理解しようとし,色々な社内のサーバーの文章を読んだり先輩に聞いたりして無駄な時間を使っています.

実例を挙げますと,添付書類の記入欄に”テスト個数”というものがあります.テスト個数とは何を意味するか?

社内用の試験のために発注するサンプル個数であれば,既にそれは発注システムや他の添付書類に入力済みですなので重複してこれを記載する必要がよくわかりません.いわゆる”標準”と呼ばれる社内文書に,この貼付書類の書き方を説明したものがありますが,そこにも”ここにはテスト個数を記載する”と書いてあるだけで意味をなしません.

様々な部署の書いた書類を調査したことがあるのですが,見事にこのテスト個数の解釈はバラバラで,顧客納入用のサンプル個数を書いている部署もあれば,顧客用だろうと社内用だろうと関係なしに,発注する個数の合計を書いている部署もあります.なお,それで後工程である製造部門からなにか文句を言われたとかは一度も聞いたことがありません.

私は毎年,新入社員や派遣社員に,このテスト個数の意味を聞かれます.未定義語なのでこの言葉に意味はありません.この時間こそ無駄の最たるものです.

現在,この貼付書類をIT化し用という試みがなされていますが,私はその際に,このような未定義後は削除しろと上司に提案しましたが
”いやこれはずっと前から運用していて,社内用の個数を書いているんだ”
という理由にならない理由で却下されました.

そして2年前,別の部署に異動になったのですが,私は諦めずにその際にまた改めて,この用語の廃止を求めました.すると今度の上司もまた
"これはどういう意味?,これは本当に意味がない言葉なの?"
と聞いてきました,廃止の声を挙げるのがとても怖いのか,何度も私に聞いてきました.

単純に,管理職になって,新入社員が書く書類の中に意味のわからない言葉がある.ということを,恥ずかしくて認めたくないのでしょうかね.


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