2021シーズンガンバ大阪個人レビュー GK&DF編

 もう2021年も終わりですね。今年はガキ使がないので紅白を見よう……とはならずにこの記事を書いています。いやーガンバ大阪サポの鑑!

 本来であれば2021年のシーズンレビューを書こうと思ってたんですが、今年のシーズンレビューを書くのは色々しんどそうというのと、過去に色々シーズンレビューっぽい記事を色々書いてたので……

 ……それで補完していただくことにして、今期は難しい状況の中頑張ってくれた選手たち全員にフォーカスして個人レビューを書くことにしました。本当は全員一気にやろうとしてたんですが全然書き終わらなかったのでとりあえずGK&DF編として投稿します。よろしくどうぞ!

追記:MF編も公開しています。


GK部門

No.1 東口 順昭

 今年もリーグ戦フル出場の絶対的守護神。疑いなく残留の立役者。毎年チーム内MVPに選ばれすぎて最早殿堂入り扱いとなっている。圧倒的シュートストップ、的確なコーチング、ハイボールの安定感等コメントすることもおこがましいレベルだが、昨シーズンからチャレンジを進めていたGKからのビルドアップは監督交代で見られなくなった。片野坂監督ではまた求められることも変わってくると思うので、来期の変化にも期待。

No.25 石川 慧

 今期セカンドGK。リーグ戦の出場はなかったが天皇杯で3試合、ACLで2試合に出場。ACLではチェンライ・ユナイテッドにラストプレーで同点に追いつかれる悔しい瞬間も経験したが、出場すれば安定したパフォーマンスを見せ今期出場した試合では無敗。長年サブGKとして過ごしてきただけにメンタルの作り方が分かっているのか、公式Youtubeや公式番組で垣間見える所作の隅々に人の良さがにじみ出ていた。ちくわ的人生相談したいガンバ選手ランキング第1位。

No.23 林 瑞輝

 今期レンタルバックで復帰。新体制会見では悲壮な決意を感じる表情が僕の中で話題だったがその後一切の音沙汰なく姿も見られないためサポーターからも現在を不安がる声が多数。家出か……?

No.22 一森 純

 「左ハムストリング付着部不全損傷」なるなかなか聞きなれない怪我とその手術ででほぼフルシーズンを棒に振ってしまった。実は育成年代の試合ではスクランブルでCB経験がある一森、来期は彼のようなGKに対するニーズも高まるはずなのでカムバックに期待!

No.31 加藤 大智

 一森の怪我による緊急補強で今季途中に愛媛FCから加入。しかし終盤にはサブGKの座をつかみ来期は完全移籍でガンバに加入が決定。時折DAZNに移り込む姿を見る限りチームではムードメーカーとしてのポジションを確立している模様。明治大学所属時には大学タイトル三冠を経験しておりCB佐藤とは先輩後輩の関係で公式番組ではその関係性が垣間見えるシーンも。東口が健在である以上なかなか出場機会は得にくいとみられるが、セカンドGK争いに割って入るポテンシャルは充分。

DF部門

No.3 昌子 源

 昨期終盤に足首の手術を行い天皇杯決勝は不出場ながら、「来期に向けて早めの手術」の有言実行で開幕戦スタメン。DF部門ではリーグ最多の出場を果たした。しかし過密日程の中で納得できるパフォーマンスは見せられず。しかし、今期のパフォーマンス以上に彼が果たした大きな役割はガンバの「スポークスマン」だったこと。チームで数少ない「発信する選手」として、連載コラム「発源力」では、コロナウイルスのクラスターなど数多くのイレギュラーに悩まされるチームの実情を赤裸々に語り、チーム広報ではなかなかオープンにできない部分を選手の立場から語ることでサポーターとチームとの溝を埋めた。

No.4 藤春 廣輝

 ガンバ一筋11年目のレフトバック。なかなかベテランのイメージがないがもう33歳である。シーズン当初、4-3-3という新たなオーガナイズに挑戦するチームの中でこれまでの大外吶喊オーバーラップではなくインサイドの位置をとる「偽サイドバック」のタスクを与えられ、ガンバサポーターのみならず多くのJリーグファンを驚かせた。しかしシーズン序盤はケガに苦しみニュー・藤春が確立される前に監督が替わってしまった。脚が攣ってからが本番、という持久力の高さが売りだったがさすがに寄る年波には勝てないのか、復帰後に再び怪我をしてしまいリーグ戦はわずか19試合の出場。来シーズンの再起に期待したい。

No.5 三浦 弦太

 DF陣では昌子に次ぐ出場時間を記録したキャプテン。一対一のデュエルではこれまで通り安定した性能を見せていたものの、今期取り組もうとしていた「DFラインからのビルドアップ」という観点では大きな貢献ができず、ハメパス(cf.内田篤人のFOOTBALL TIME)に追い込まれるシーン多数。チームを引っ張らなければいけないキャプテンの立場、プレイヤーとしての貢献ができない立場のはざまで相当に苦しんでいたのではなかろうか。真夏の15連戦終了と同時に怪我で戦列を離れ、復帰したのは残留決定後の名古屋戦から。シーズンオフにはFC東京への移籍が取り沙汰され、筆者も別れを覚悟していたがどうやら残留とみられる。条件は東京のほうがよかったと聞くし、来期は相当な覚悟を持ってガンバでの戦いに臨んでくれるはず。新監督のもとでもう一皮むけてガンバにタイトルをもたらしてほしい。

No.13 菅沼 駿哉

 コロナ中断の代替試合を含む圧倒的な過密日程の影響でローテーション制を採用していたガンバのセンターバック陣。菅沼は準主力としてガンバ復帰後最多となる19試合のリーグ戦出場を果たす。そしてホーム柏戦にて嬉しい復帰後初ゴールとなる決勝点を叩き込んだ。このゴールは公式番組「ガンバTV」のアウォーズにおいて選手が選ぶ年間ベストゴールに。後半戦は怪我で苦しんだ昌子や三浦に代わってディフェンスリーダーを務めた。派手なプレーを見せる選手ではないが強さがあり、残留争いの終盤戦では幾度となくボールをはじき返しゴールを死守した。来期は再び厳しいスタメン争いに臨むこととなるが、彼のようなセンターバックが控えてくれていることは本当に心強い。さて菅沼といえば、「キャプテンマーク絶対つけたくないマン」として有名。試合の流れでキャプテンマークを付けても交代出場の選手に渡す、試合後関係ない選手に渡すなど、とにかくキャプテンマークをつけたがらない。責任から逃れたいのか彼なりのジンクスがあるのかは不明だが、菅沼に先導されるガンバクラップ(ホーム勝利後の定番イベント)を見られる日は果たして来るのだろうか。

No.16 佐藤 瑶大

 今期明治大学からガンバに加入したニューフェイス。過密日程の影響もあり1年目からリーグ戦8試合に出場(うち7試合は先発)。序盤の宮本ガンバにおいてはチーム事情で右サイドバックを務める試合もあった。出場機会のみに着目すれば新人にしては上々だったがその内実は「プロの洗礼を浴びた」一年だったと言えるだろう。長谷川にぶち抜かれ、三笘にぶち抜かれ、ユンカーにぶち抜かれ、マギーニョにぶち抜かれ……、恐らく彼にとってサッカー人生で最も裏を取られた一年だったのではないだろうか。マギーニョを倒してもらったレッドカードは「ガンバTV」のアウォーズにおいて「やっちゃっちゃ~賞」(やっちまったプレーに贈られる賞)を満場一致で獲得。ただ必ずしも苦しい経験ばかりではなかった。終盤の横浜Fマリノス戦では持ち前の空中戦の強さを活かしマリノスの強力アタッカー陣をシャットアウト。失敗を繰り返して強くなるのがセンターバックだとすれば、来期はもっと強くなった彼の姿を見られるはずだ。

No.19 キム ヨングォン

 残留争いを強いられたガンバにおいて出場試合のリーグ戦勝率は56%と、出れば高い確率で勝利に関与していたヨン様。ホーム徳島戦ではビルドアップのできるCBの見本のようなプレーで先制点の起点となった。出れば高いクオリティを見せてくれてはいたものの今期は例に漏れず怪我との闘いに苦しんだ。3月の日韓戦強行出場など、代表キャプテンとの二足の草鞋がコンディション維持の難しさに拍車をかけていたように感じる。結局10月のホーム鳥栖戦での負傷離脱以降は一度もリーグ戦にエントリーされることなくシーズンを終え、契約満了となってしまった。ガンバとしては高額オファーで契約延長を打診するなど来期も必要な人材としての待遇を用意していたはずだが、来年で32歳とキャリアの終盤に入り、加えて3人目の子供が産まれたこともあって来期はKリーグ蔚山現代でのプレーを選択。寂しいが、元気な彼の姿はACLで観ましょう。

No.24 黒川 圭介

 今期はリーグ戦15試合出場とプロ入り後最多となるJ1リーグ戦出場数を記録した。しかし藤春の負傷によって得た出場機会という側面が大きく、藤春復帰後はカップ戦要員となってしまった。足元のうまさやドリブル突破など、ライバルに勝るポイントはあるはずなのだがどうにも信頼されていない。信頼されるためには何が必要か考えてみた結果、見た目が大学生っぽいのがいけないんじゃないかと思った。来年は髪の毛を黒く染めてスーツも仕立て直し、サイズの合った革靴を履けば……というのは冗談で、チーム事情で守勢に回ることが多い中選ばれにくい選手だったのは事実。来年で3年目なので一度目の契約更新タイミングが来るはず。新監督の下開花するだけのポテンシャルはあるはずなので期待。

No.26 柳澤 亘

 今期高尾が怪我がち、かつ元からスカッド的にも薄すぎた右サイドバックにようやく夏補強でやってきた新顔。サイドバックとしては芯が強く当たり負けしないフィジカルを備えており、残留争いの中肉弾戦に陥りがちなガンバに速攻で馴染んで過密日程の大きな支えになった。「王子」と呼ばれるほどの甘いマスクもあってか早速ファン感謝デーで起用され、実直に課題に取り組む姿によって一気にファンベースを伸ばしている(らしい)。髙尾とはポジションも年齢も同じだが、大学即J1の髙尾と比べると、大学→J3→J2→J1とたたき上げで登ってきた点で対照的。来期もよきライバル関係を築いてほしい。

No.27 髙尾 瑠

 昨期ブレイクを果たしたが今期は開幕から怪我に苦しむ一年となった。ガンバとしても彼ありきで開幕スカッドを組んでいたはずなので、もし彼が万全の状態でシーズンインを迎えていたらガンバの今シーズンは全く様変わりしたものになっていた可能性もある。復帰即離脱、という場面が多くなってしまい過密日程の被害をもっとも受けてしまったプレイヤーともいえるのではないだろうか。筆者の今年のACLユニフォームは高尾の背番号が刻まれている。こんなパフォーマンスで済まされるプレイヤーではないはずなので、オフにしっかり体を整えてもらい、来期からの爆発に期待したい。

No.40 シン ウォノ

 ボイン高校からの加入後U-23でもなかなか出場機会を得られなかった中、今期ついに天皇杯でトップチーム初出場を果たす。出場後にアップされたインスタグラムの投稿は涙ぐましいものだった。しかしながら来期もトップチームに絡めないとなれば日本での将来が危ぶまれる。同じくボイン高から加入した先輩、ペ・スヨンのように韓国で再起を期すか、はたまた意外な形でのブレイクを果たすか様子を見てみたい。色々と謎が多いボイン高→ガンバのルートだがこうしたコネクションがガンバの韓国代表リクルートに一役買っている可能性が高い。来期以降もこのルートは存続するのだろうか。

というわけでGK&DF編はここまで!次回に続く!(多分)

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