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デザイナーの面接USA

殴り書き & 書きかけ

面接で一番聞かれる質問について書いたついでにもう少し面接について書く。面接は Interview 。面接する人は Interviewer、される人は Interviewee。採用候補者という意味で Candidate と呼ばれる方が多い。

面接は双方向

面接はもちろん採用する側が候補者を見る場なのだが、受ける方が会社やプロジェクトを見極める場でもある。一緒に働きたくない人や自分にとって価値のないプロジェクトで働く必要はない。流動性の高い社会なので実力のある人はさっと自分にとって良い場所に移っていく。

UX系のチームでは「その人と一緒に働きたいか」を採用する側も受ける側も重視する。「面接に出てきたマネージャーが感じ悪かったからやめた」みたいなのもわりと聞く。

受ける側から職場の雰囲気やプロセスについて質問することも多い。

相手は現場の人

メインの面接は現場のマネージャーやスタッフと行うのが普通。会社の規模などにもよるが人事担当の人は最初のスクリーニングや事務的な窓口くらい。

大勢と話す

場所によって全然違うが、面接相手が一人だけというのはまずない。色々な人と1対1で順番に話すパターンが多い。人ごとに違う側面を見られる。何人にも会うと半日から丸一日かかることもある。

即戦力かどうか

今ある仕事にフィットするかどうかが基本的な採用条件。スキルや実績、仕事に関連した判断能力などを見る。学生時代にサークルで頑張りました、みたいな話は関係ない(雑談はみんな好きなのでエピソードがあって困ることはない)。

日本の新卒採用のように「10年かけて育てる」みたいな発想はないが、研修や教育サポートは日本より充実している所が多い気がする。魅力的な職場にして優秀な人を採りたい、維持したいから。採った人にはちゃんとエサをあげる。

ポートフォリオが一番大事

それなりの評判や人脈があれば別だが、そうでなければポートフォリオが重要。応募時に見るものがなければ始まらない。

取りたい人のレベルによって見方が違うのでジュニアレベルなら素晴らしい実績がある必要はない。が、自主制作でもインターンの仕事でもきちんとまとめておく事が大事。ポートフォリオのデザインもUXデザイン。見る人のことを考えていないポートフォリオはデザインができてないという評価になる。

見る人には時間がない。チラッと見ただけでも伝わり、もっと知りたい人は掘り下げられるようメリハリをつける。

プロジェクトをまとめるときはその内容や難易度が伝わる事、そして何より自分が何をしてどういう結果を残したか、が重要。プロジェクトの名前と絵が一枚、みたいなのはNG。チームの中での自分の責任(responsibility)、成果物(describable)、プロジェクトに与えた結果と影響(impact)、など具体的にする。

プレゼン

面接では、まず 100%プレゼンをすることになる。大抵は過去のプロジェクトについて話すが、未来へのビジョン作ってきました!みたいな人もいる。自由。

大事なのは自分が何に興味があり、何ができるかを明確に証明(prove)すること。証明なので証拠がないといけない。ビジュアルデザインなら成果物がかなり語ってくれるが、プレゼン自体のストーリーテリングが大事。

伝えたいことは数個に絞る。相手に持ち帰って欲しいのは、「デザインシステムに強い」「俯瞰的に戦略を立てられる」「デザイナーとエンジニア両方をリードできる」みたいな自分の強み。実力を証明するためにエピソードや成果物を使う。

デザイナーとしての個人を見せるのが目的で、プロジェクトや商品を売ることがゴールではない。プロジェクトそのものの説明に時間を費やして、その人が何をしたのか、何ができるのか伝わらない、というのは良くある失敗パターン。

「これをデザインしました」みたいなボヤッとしたのはNG。「Xという問題を認識したので、ユーザリサーチを行い、Yを提案。こういう困難があったが、こう解決して、結果こうなった」みたいな具体的な説明を。結果だけでなく考え方、アプローチを見せる。

よくある質問

(過去のプロジェクトについて)
やり直せるなら何を変えるか
なぜ X という意思決定をしたのか?

(スキルや興味について)
デザインはどう学んだ?今は何をソースにしてる?
XXX という概念について説明してみて
今何が熱い?
5年後 Y はどうなっていると思う?

(実力テスト)
このアプリを批評してみて。
自分ならどう変える?

ググると山ほど出てくる

デザインエクササイズ

 その場で課題を与えられることもよくある。これもググれば例がたくさん見つかる 。有名なのはGoogleの「1000階建ビルのエレベーターをデザインする」とか。

具体的な解は置いておくとして、デザインエクササイズで一番良くないのは黙ること。黙ってホワイトボードに向かって時間がなくなる。

面接相手を同僚だと思ってプロセスに巻き込む。考えていることをどんどん喋ったり書いたりしながら質問してしまう。「問題はAとBの2つに分けられるよね」とか、「ユーザがこういう層だと仮定してるんだけど良いかな」みたいに。

反応も見れるし情報も引き出せる。自分が何を気にして、どのようなプロセスで物事を考えるのかを見せる。一人で考えて結論だけ話すのではなく、相手と一緒に解くのがコツ。


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