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『2gether』第9話レビュー:運命のお泊まり!あまりに可愛すぎるので、ソファでいちゃつくふたりの動画をループ再生しながら一生を終えたい

世界中を涙と胸キュンの沼に落とし込んだタイ発のドラマ「2gether」。最終話までの全話レビュー連載です! 書き手は、ご自身もタイドラマ沼に落ちた、ライターの横川良明氏。プロの書き手として冷静と情熱の間を彷徨いながら、横川氏が「2gether」と共に毎週金曜を駆け抜けます!


文/横川良明

よこがわ・よしあき●演劇とテレビドラマを得意とするライター。初のインタビュー本『役者たちの現在地』(KADOKAWA)が発売中! 電子書籍『俳優の原点』(ライブドアニュース編集部)も発売中。

<前回までのレビューはこちらから>

「推しができると毎日が記念日」とはよく言ったもので、Bright&Winを追いかけてると、本当お祝いごとでいっぱい。

去る9月22日は、「LINE THAILAND PEOPLE'S CHOICE AWARDS 2020」でBright&Winがベストカップル賞を受賞! ベストカップル賞ですって! ベストカップル賞ですって! 当然ですよね〜〜〜(鼻息)。

と、なぜかこちらがドヤ顔をしてしまいますが、推しが世の中から評価されるのはいついかなるときでも誇らしいですし、喜んでいるふたりを見ているとこちらまでうれしくなります。

授賞式のお召しものはこちら。たまに冷静になるんですけど、まだ22歳なんですよね? すごいフェロモンが出ていらっしゃるのですが…。

Winくんの笑顔はいつ見てもホッとします。バーバリーのトレンチコートもとってもお似合い。

Winくんのコーディネートを見てなんか新鮮〜〜と思ったんですけど、コートスタイルなんですよね。そう、よくよく考えると私がBright&Winを知ったのは今年の5月。つまり、まだ春夏の彼らしか知らないのです。

ここから寒さが深まっていけば、どんどん冬コーデなふたりも楽しめるということ。そう考えたらすんごいアドレナリン出てきた。

え! Winくんに絶対ダッフル着てほしい!!! Brightくんは毛皮とか着ちゃって!! あ、でも動物愛護に関心の高いBrightくんは毛皮とか嫌かしら。と、ひとしきり脳内スタイリング会議をしてしまう今日この頃。これから冬のBright&Winを楽しめると思うと、早くクリスマスやお正月が来てほしいと願うばかりです。

では、すこぶる楽しい気持ちになったところで、第9話のレビューを始めます。このレビューでは物語の内容にガンガンふれていきますので、ネタバレを避けたい方はすみやかに避難してください。


僕の走馬灯には、ソファでいちゃつくふたりを出してください

<第9話 あらすじ>
暴漢に襲われたTine(Metawin OPAS-iamkajorn/通称Win)とSarawat(Vachirawit Chiva-aree/通称Bright)は、そのままSarawatの家で一夜を明かす。
暴漢の正体は誰なのか。疑惑の矛先を向けられたのは、Mil(Sattabut Laedeke/通称Drake)。Tineに恋心を寄せるMilが、Sarawatを痛めつけるために襲ったのではないかと疑いが浮上する。
そんな中、Sarawatの率いる政治学部と、Milの率いる工学部の校内サッカー試合が開催。ラフプレイが続く中、Milと衝突したSarawatが足に怪我を負ってしまう。

この9話に関しては、好きで好きでしょうがないシーンがあるので、そこについて語りますね。

みんな大好き。初めてのお泊まりです!!!!!! もうここのシーンのTineとSarawatは何から何まで可愛すぎて、いったいどこから話せばいいのやら。

ことのはじまりは前回のラスト。謎の暴漢に襲われ怪我を負ったふたりは、手当てのためにSarawatの家へ。

ひと言だけいいでしょうか? Tineの靴下、汚すぎひん?

なんでこんな真っ黒なんや…。僕がおかんなら「もう……」って洗濯機の前で絶望してるぞ。いろんなスポンサー商品の忖度が入ることでおなじみの『2gether』ですが、僕なら確実にここで漂白剤のタイアップ入れてる。それともタイの靴下の裏はみんなこんなものなのでしょうか…? 衣装にしてはあまりにリアルな汚れ具合が気になって仕方ないので、事情をご存じの方がいたらお便りください。

そんな小さなツッコミさえ軽くぶっ飛ばすのがこの第9話。

手当てを終えたSarawatは「今夜一緒にいてくれるか?」と再びTineをお泊まりに誘います。この、一度目を伏せて息を飲み込んでからTineに視線を向けるリアリティ。普段は大人っぽいSarawatがこういうときだけは年相応の男の子の顔をしていて、Brightくんの表情演技の巧みさに舌巻きすぎてロールケーキになりそう。千の仮面を持つ男とは彼のこと。早く月影先生に見つけられてほしい。

そんなSarawatの誘いに一瞬ドキッとしながらも、「言ったろ? 何も持ってないから泊まれないって」とかわすTine。しかし、同じ失敗は二度犯さないのが知将Sarawat。「お前が必要なものは用意済みだ」とTineのために買い揃えたお泊まりグッズ一式を指差します。最高。

4話のお菓子もそうですが、Tineのためならいくらでもお金を使うところがSarawatの愛すべきポイント。完全に反論を封じられたTineはついにSarawatの部屋にお泊まりすることに。

風呂上がりのTineにSarawatは、ソファで寝るか、ベッドで俺と一緒に寝るかと迫ります。「どうする?」と誘うように眉毛を上げるSarawat。視聴者が固唾を飲んだ瞬間、次のカットはソファで寒そうに寝ているTine。もうコメディとして完璧なカット割り。こうやって思わずクスクスできちゃうから『2gether』が好きなんです!!

そして、こんなところで拒否されようと決して屈しないのがSarawat。ソファで寝ているTineの横で強引に添い寝します。

何これ夢か。

こんな甘いシーンが1話220円(レンタル)で見られるわけねえ!! 絶対にあとで高額請求のメールが来るに決まってる!!!! ってうろたえそうになる。

さらに、じっと見つめるSarawatに、Tineが「落ちるまでキスするぞ」と挑発。秒でキスしにいこうとするSarawatにTineがふざけて抵抗するところとか、声出さずには見られへん。絶対ひゃーって言うてまう。何回見てもひゃーって言うてまう。

とてもじゃないけど無声で見る自信がない。僕、ひとり暮らしだから大丈夫ですけど、これご家族などと同居されながら見ている人とか大丈夫ですか? 「アイツ、うっせえな」とか思われてませんか?

しかも、ようやく落ち着いたと思ったら「なあ、落ちるまでキスってどうやるの?」とさらにTineが爆弾投下。

◆〠※%☆〓*「¥?#1︎>〆

興奮しすぎて小田和正より言葉にできない。

しかも何がおそろしいって、この終盤のやりとりがBrightくんとWinくんのアドリブだということです。もう事実を飲み込むのに脳の処理速度が追いつかない。どうか僕が死ぬときは、このふたりの動画が走馬灯に出てきてほしい。

マンションの外観カットになった瞬間のリップ音と「くくく」って噛み殺すような笑い声とかリアルすぎて内臓破裂しそう。もし僕が死んだら、遺産は全部BrightくんとWinくんに渡してください…(にっこり)。


『2gether』オタクの好きな言葉は「アドリブ」です


この『2gether』、実はこうした台本にない台詞ややりとりが随所に盛り込まれているのです。それを知ってからというもの、「もしやここもアドリブ!?」と妄想するのも楽しみのひとつになりました。

たとえば、このあとのシーン。怪我をしたSarawatに代わって、Tineが軽音楽部のステージに立つことに。本番に向けて鬼教官Sarawatのもと、Tineは特訓に励みます。ピックの握り方から細かく指導するSarawat。そのやりとりは、なんだか指輪の交換のようにも見えます。

なーんて、たくましい妄想を膨らませていたら、Sarawatから突然「結婚しよう」と衝撃のひと言が。実はこれも監督とBrightくんによるアドリブ。Winくんはまったく聞かされていませんでした。つまり、このあとのTineのリアクションはガチリアル。その背景を知ると、そんなTineの様子を見ておかしそうにクスッと笑うSarawatも、なんだかリアルな感じがします。


Fongの良さを語り合うパーティーとか誰か一緒にやりませんか…?


また、9話の個人的な推しポイントは、Fong(Thanawat Rattanakitpaisan/通称Khaotung)。勝手に水戸洋平と呼び続けていますが、Fongの水戸洋平たる所以が存分に発揮されたのが、この9話でした。

チアの最中に気を失い病院に運び込まれたTine。Sarawatは自らも怪我を負いながらも、Tineのそばから離れようとしません。目を覚ましたTineはそんなSarawat の優しさに心乱されつつ、眠っているSarawatの上着をそっと掛け直します。

恋人やん。

オタクたちのそんなツッコミをFongも感じ取ってくれたのでしょうか。Tineとふたりきりになったところで、「あいつ、本当はいいヤツみたいだ。本気でお前を心配してた」と背中を押すようなひと言を。

さらに、Sarawat のファンにぶつかられブルーハワイを落としてしまったTineに「大切なら強く握ってろよ」と暗示めいた言葉をかけます。

水戸洋平〜〜〜〜!!!!!

今さらですが、水戸洋平とは名作『SLAM DUNK』の登場人物。主人公・桜木花道の親友であり、最大の理解者です。まだグレまくっていたミッチーがバスケ部を襲撃しにきたときは、花道たちを守るために率先して罪をかぶってくれるなど、めちゃくちゃいいヤツ。それだけでなく、夏休みを返上して花道のシュート合宿に付き合ったり、花道が右45度の位置でパスをもらおうとしていたことをいち早く見抜いたり、流川に「ド素人」となじられても必死で怒りを耐える花道を見て「バスケット選手になっちまったのさ…」と名言を残したり、バスケ部の仲間とも桜木軍団の他の連中とも違う立ち位置で、花道を見守り続ける水戸洋平。

花道と流川のコンビももちろんいいですが、個人的には花道と洋平のコンビの方が刺さるタイプです。

決して出しゃばらず、本筋には絡んでこないけど、鮮やかな名言で主人公をアシストする最高の親友(そして顔がいい)。まさにFongは、水戸洋平そのもの。そう気づいた瞬間から、Bright&Winとはまた別に、Fongに対するクソデカい感情が止まりません。

この9話はそんな「Fong a.k.a 水戸洋平」の真骨頂。Tineを案じるSarawatに「お前の言うことは聞くはず。Tineを説得してくれ」と相談されるなど、
独占欲の強いSarawatからも一目置かれています。

そして、そんなSarawatに対し、TineがSarawatを受け入れないのは、Tineがいつも世話を焼く側で、世話を焼かれる今の状況に慣れていないからだと、恐ろしく核心を突いたアドバイスをするのです。

もちろんこのドラマのカップルはSarawat×Tineです。それはわかる。絶対に譲れない。だけどその上で、Fong→Tineも見たい!!!! と感情が爆発してしまう。こうして人は二次創作の道に踏み出すのだなと未知の扉を開きそうになった第9話でした。

そんな9話は、Man(Chinnarat Siriphongchawalit/通称Mike)とBoss(Chanagun Arpornsutinan/通称:Gunsmie)に後押しされ、SarawatがTineに公開告白するところで終了! これまた本筋にはそこまで絡んできませんが、Bossの情報量の多い小芝居も気になりだしたら止まりません。はたしてTineはSarawat の告白にどう答えるのか……? それは10話を見てのお楽しみ。

10話は『2gether』史上最高に心拍数が上がる回なので、どうか心臓を5個くらい用意してお待ちください。

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