クイズ
「クーイズ、クイズ、なーんのクイズ?」
たろう君が、手をパチパチならしながら、言いました。
「はい、もんだいです。」
土曜日のお昼です。
「んー?なんだ、なんだ?」
お父さんは、お昼ごはんに食べた、スパゲッティのお皿を洗いながら、たろう君を見ました。
「みどりで、ほそながい、野菜は、なんでしょうか?」
たろう君は、お父さんのTシャツのすそを、ひらひらさせながら、言いました。
「うーん。」お父さんはお皿を洗いながら、答えました。「きゅうり、かな?」
「ピンポン、ピンポン、せいかいです!では、つぎのもんだい!」
「赤くて、丸いたべものは、なんでしょうか?」
お父さんんはすぐに「ハイっ、トマト!」と、こたえました。
「ブッブッブー!ざんねんでした、ちがいます。せいかいは、リンゴでした。」
たろう君はうれしそうです。
「ええーっ、キュウリ、ときたら、トマトだろう?!」と、くやしそうな、お父さん。
お皿を洗い終わったお父さんは、ソファに横になりました。
「じゃあ、つぎのもんだいです!よーく、かんがえて、こたえてくださいね!」たろう君も、となりに座ります。
「よし、こい!」と、お父さん。
「ぼくが、いま、いちばんほしいものは、なんでしょうか?」
「ほしいものか。なんだろう?」お父さんは、しばらく考えていいました。「あ、恐竜のおもちゃかな?」
「ちがいまーす。」
「わかった、あの、電車だろ?新しくでたやつ、名前は、えーっと…」
「ブッブー、ぜんぜんちがいます。」たろう君が、ニコニコとお父さんを見ました。
「お父さん、もっと簡単だよ!ヒントは、夏です!暑いです!あー、あれが食べたいよー!」
「あはははは、わかった、わかった、こたえは、アイス!」
「ピンポンピンポン、正解です!ねえ、食べていい?」
「おう、お父さんにも、もってきて。」
窓の外では、木の葉がキラキラと光って、まぶしいくらいです。
お父さんは、扇風機の風をつよくしました。
遠くから、セミの声がきこえてきました。
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