第498回 宮城県大和町散策 前編

1、銭と頭は使いよう

殿、利息でござる

という映画知っていますか?

公開は2016年ですのでもう3年になってしまいましたね。

阿部サダヲさんが主演で、

歴史学者の磯田道史さんの評伝が原作というものです。

実はこの舞台になった吉岡宿があるのが近くの町で、

先日訪れる機会がありましたのでこの話題に触れてみたいと思います。

2、初の映画レビュー?

まずは原作のあらすじから。

舞台となったのは江戸中期の宿場町。

荷物や情報の伝達に欠かせない馬は宿場ごとに用意しているのが通例でしたが、

仙台領では公用の場合、費用はその宿場町が負担することになっていました。これを伝馬役といいます。

これが負担となって、吉岡宿は頭を悩ませています。

そこで阿部サダヲ扮する町の造り酒屋である穀田屋十三郎や

瑛太扮する茶師の菅原屋篤平次らが知恵を出しあって考えた結果、

お上にお金を貸してその利子を伝馬役に充てようというもの。

この奇策に当初は疑いを持っていた宿場の者たちもその志に感銘して

大変な苦労をしつつも事業を成功させる、というお話です。

個人的には最後にいいところで出てくる藩主伊達重村役の

フィギュアスケーターの羽生結弦選手のシーンをわが町の施設で撮影していたのが印象的でした。

3、文化遺産を活かした町おこし

この映画のヒットを受けて、地元でも新たにボランティアセンターを開設するなど町おこしに全力で活かしています。

私が訪れた際にもかなり詳しいガイドさんが

今も続く穀田屋さんのお店や

江戸時代の宿場の様子だけでなく

神社やレトロな小学校の講堂跡、

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映画に登場した人たちが眠るお寺などを案内してくれました。

本音を言うともっとじっくりみたかったところです。

ただ、一つ気になったのはガイドセンターで展示しているこの看板

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菅原屋篤平次が京都の左大臣、九条尚実にお茶を献上し、

返礼として直筆の和歌を賜ったとのこと。

その文言をとって茶の銘柄にして看板を店に掲げたということで

螺鈿を施した豪勢なものです。

いや、京都のお公家さんと直接やり取りをする宿場町の顔役ってすごいっすね。

間に京都の取引先を挟んでいるのか、

仙台藩とのルートでのことなのか

もっと掘り下げて調べてみたいところですね。

4、偉そうに語っていますが

といいつつ、映画はみてないんですよ…

近日中に見れたら加筆修正するかもしれませんので悪しからず。

映画はヒットしたとはいえまだまだミヤギの中でも知るひとぞ知るレベルの知名度だと思いますので

ぜひお近くの方は立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

吉岡宿は奥州街道をメインにしつつ

様々な街道が交差するところで、

わが町からの道が通っていたことを示す石碑も

九品寺の山門の前に移築されて残っていました。

画像4

中央に

南無地蔵菩薩

右に

せんだい至

左に

まつしま至

下には寄進した人たちの名前でしょうか。

旅人たちがお地蔵さまに旅の安全を祈っている姿が想像できますね。


本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございます。

大和町の歴史に関する話題はもう少し掘り下げますので

次回もぜひお付き合いください!




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