第235回 初の題名忘れで投稿

1、学問のライフサイクル

たまたま研修会で目にしたのですが、

リクルート進学総研で出している、大都市圏の学科のライフ・サイクル分析というものがあります。

国公私立大学に設置されている学科総数は2014年時点で5139、これを12の大分類と 78の小分類にわけ、それぞれ、志願者数を縦軸に、募集定員数を横軸にして図化します 。


志願者も募集定員も増えているときはI成長期、

募集定員が充足し志願者の増加が緩やかになるII成熟期、

志願者数が減っているのに募集定員が減らず需給バランスが崩れるIII衰退期を経て、

大学が学科を再編するなどして学問分野がマーケットから淘汰されてしまうIV撤退期

また時代が変わって志願者が増えるようになったV再成長予兆期

というサイクルをとるというモデルが作られました。

2、大学の志願者数で見る考古学の位置付け

人文系のいくつかの学問分野についてグラフ化したものが、こちらになります。


まず一見して気付くのは市場規模の差。

教養学や日本文化学と比べてなんと少ないことか。

そしてその形状。

アップにした画像。緑が考古学です。

まさに上記のモデルに当てはめやすい形。

2000年に成熟期が終わり、衰退期に入ります。

2004年には撤退期に入りますが、2014年の段階では再成長の兆しは見られません。

今日の研修会でも発掘調査件数は
1994年頃がピークであったという話題がありましたが、

好景気で開発が盛んに行われた時代は、それに比例して必要とされる発掘調査も多くなります。

そしてその頃採用された人たちがいま続々と退職しており、

技術の継承が課題という流れになっています。

3、ライフストーリーとサイクル

私が大学に入学したのは2002年。

先輩方の

「就職先は選び放題だった」

という台詞を恨めしく聞きながら、就職試験に負け続け

無事就職できたと思えば東日本大震災が発生。

発掘調査員が足りず全国から応援をいただきました。

その一方で県庁で専門職員を募集しても、応募なし、という年もありました。

衰退期や撤退期を肌で感じながらここまで歩んできたと言えるかも知れません。

そしてこれからは再成長予兆期。

新しい波はそこまで来ていると信じて挑戦を続けた行きますよ!

#ライフサイクル #リクルート総研 #志願者数と定員数 #考古学 #技術の継承 #東日本大震災


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