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「コナン」の「理想の花嫁」問題はジェンダー問題ではない。

こんにちは!学生インターンのぴんさんです!

今日は、表題にあるように、最近話題になっている「コナン」の「理想の花嫁」企画の問題について考えていきたいと思います!!

① そもそもなんの事件なの? 「理想の花嫁」問題とは?

2022年3月19日、名探偵コナンの公式Twitterアカウントは、劇場版「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」の投票企画の内容を巡り、謝罪し、企画名と内容を変更することを明らかにしました。

問題となった企画内容は、「名探偵コナン」に登場する女性キャラクター38名の中から”理想の花嫁”を選ぶことができるというものでした。

SNS上では、

・理想の花嫁という設定が時代に合わない

・ジェンダー観が古い

・センシティブな企画

だという声があがり、それを受けて、公式アカウントが、「皆さまに不快な思いをさせた」ことで謝罪した形となりました。

② 「理想の花嫁」はジェンダー問題?

私には、この問題は、女権主義的な問題とセクシャリティの問題の2つを持っているように思えます。

まず、女権主義とは、何でしょう??それは英語でいう、フェミニズムのことです。きっとフェミニズムは皆さん聞いたことがありますね。しかし、現代日本ではフェミニズムという言葉が多用され、様々な意味のフェミニズムが登場してしまっています。なので、ここでは分かりやすく、女権主義と言います。

女権主義とは、女性の権利を拡大していこうね!というものです。

例えば、女性は会社のリーダーになれない・なりにくいというのは、女性の能力が男性よりも劣っているからではありません。文化的・社会的に女性がリーダーになりにくい環境になっているのです。そうではなく、女性にもリーダーになる権利をちゃんとあげよう。というのが女権主義にもとづく行動となるのです。

さて、今回の問題に話を戻すと、「理想の花嫁」企画には、”女性は花嫁になる(べき)”という文化的価値観が反映されている。だから女権主義に反する、と考えた人がいたようです。

しかし、本当にそうでしょうか?

先ほども言ったように、女権主義とは、女性の権利を拡大しよう!というものです。何も、昔からの女性の権利・役目を否定しよう!というものではありません。仮に”女性が花嫁になる(べき)”という考え方が古いものだとしても、それを否定するのは女権主義ではありません。

なので、私は「理想の花嫁」企画は女権主義的には問題がないと考えます。

次に、セクシャリティの問題について。おそらく今回問題になった原因の1つに、女性キャラクターに焦点をあてたことがあるのでしょう。

"女性=嫁”という価値観が見られるこの企画から、「いやいや、今どき女性だからって、男性のパートナーになるとは限らないでしょ。」のような考え方を持った方がいらっしゃったのだと思います。

これについては、まったくその通りだと思います。

作中で女性と描かれている人物が、男性の心を持っている場合や、男性女性どちらのアイデンティティも持っていない場合、男性とパートナーになりたいとは思っていない場合など、様々なことが考えられます。

なので、これはジェンダー問題というよりもセクシャリティの問題。そのキャラクターの心や内面は誰も分かりませんもんね。

なので私は、この企画にはセクシャリティの問題があると思います。

(まあ、一応、企画には、「花嫁」としか書かれていなかったので、別に女性同士のパートナーとしての「花嫁」という解釈もできなくはないのですが、まあぱっとみ「”男性とパートナーになる”花嫁」に思えますもんね。)

まとめると、私はこの「理想の花嫁」企画はジェンダー問題というよりも、セクシャリティの問題があると思います。

社会的にジェンダー問題の意識が浸透し、多様な意味でジェンダー問題が捉えられるようになった結果がこのようになったのだと思います。

(一般的には、女権主義に反する場合にジェンダー問題と捉えられます。ジェンダー問題は、社会的・文化的・生活的な性を対象とするからです。)

③ この企画を打ち出した公式は悪い?

さて、「理想の花嫁」企画にセクシャリティの問題があったがあったとして、この企画を打ち出した人たちは悪いのでしょうか?

私は、”悪くはないが、配慮はすべきだった”と思います。

まず、なぜ悪くないと考えるかについて。そもそも、これは「コナン」の映画の前売り券を買うと参加することができるという、限定的なイベントだったからです。このイベントを面白い、と思った人だけが参加する遊びだからです。

例えば、男女のパートナー制度に否定的な考えを持っている人がいたとしましょう。その人は”ゼクシィ”を買うでしょうか?はたまた、ごりごりの女性マンガを読むでしょうか?きっと読まないでしょう。

それは、自分の好きなものではないからです。自分の好きでないものは避けることができるからです。

「コナン」のこの企画も同じこと。別に「理想の花嫁」企画に関心がなかったり、"結婚”が嫌いであったら、避ければよいのです。

すべての人に”好かれる”ものが無いように、”嫌な思い”を全くさせないものもありません。だから私は、この企画は悪くないと思います。

しかし、”配慮すべきだった”と思います。理由は「コナン」が今や日本を代表する大衆的な作品になってしまったからです。

特に近年の映画は、興行収入が、70~90億円も稼ぐほどの人気ぶり。あまりにも多くの人に好かれる作品となってしまったからこそ、その多くのファンに受け入れられなければならなくなってしまいました。

そもそもの「コナン」には、小五郎のおっちゃんが若い女の子のお尻を触ろうとしたり、服部平次が世良ちゃんに「胸がさびしい」と言ったり、主人公のコナンも灰原のパンツを見たりと性的な描写があるのです。

また、蘭ちゃんもしょっちゅう、園子に「夢は新一君のお嫁さんになることでしょ~」とか言われているのです。

だから、別に「コナン」にとってはこの企画はフツーなのです。

でも、あまりにも有名で期待されている映画の企画だったからこそ、今回批判されてしまったのでしょう。

これには、若干仕方ない。。。としか言えないところがあります。

「コナン」は自分の人気ぶりを再確認してもらって、今後は大衆受けする企画をするしかないのかもしれません。

まとめると、公式は、若干セクシャリティに問題のある企画を打ち出したことは悪くはないが、人気すぎるがゆえ、大衆受けするものが「コナン」に望まれるようになったために、多くの人に配慮する必要があったと思います。

④ キャラクターへの配慮は必要?

さて、先ほど作中でのキャラクターのセクシャリティは誰にも分からないと言いました。

当然です。だって、実在しない”キャラクター”なんですから。

そのキャラクターのセクシャリティについて実在する人間が配慮する必要があるのでしょうか?

個人的にそれはもう考えすぎなんじゃないかな、、、と思います。

だから、コナンの女性キャラクター38名をずらっと並べて、「はい、誰が1番理想の花嫁でしょうか~~??」と言ったことに批判するよりは、

実在する女の子をずらっと並べて、「はい、誰がミス・ジャパンでしょうか~~??」とか、「誰が1番美人でしょうか~~??」とか言う方によっぽど批判なり配慮なりすべきなんじゃないかと思います笑。

だって、キャラクターだし笑。誰が理想の花嫁でも別にいーじゃん笑。

ただの娯楽作品のセクシャリティにイライラしてしまうくらいなら、別にこの企画を無視すればいいんじゃないかな~~と私は思います。

⑤ 結論 

「コナン」は「理想の花嫁」企画を打ち出したことで、批判を受け、企画変更することになりました。

そのことについて、私は女権主義的な問題には感じず、セクシャリティには問題があると思いました。

そして、企画を打ち出した公式は、悪くはないが、多くのファンに向けて配慮すべきだったと思います。

しかし、コナンは結局娯楽作品なので、そこまで波風立てなくても、嫌いな人は見ない、好きな人は楽しむスタンスでいいんじゃないかな、と思います。

ここまで読んでくれてありがとうございました!!


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