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ひとりの「理想」は、ふたりの「夢」へと変わっていく。【オ♥フ♥レ♥コ】黛冬優子

 ドーモ、伝書鳩Pだ。

 突然だが、ゲームを遊んでいて思わず泣いてしまった、という経験はあるだろうか。感動のエンディングを迎えたとき、どうしても突破できない壁にぶち当たったとき、心揺さぶるシナリオに出会えたとき…。だが、この伝書鳩Pは一味違う。おれが涙を流すときは「無償有償すべてのジュエルを放出してもなお来てくれなかったpSSR黛冬優子が(仕方がないわねぇ…)みたいなニュアンス込みで口にした『ばーか』を聞いた瞬間」であり、要約すれば「担当が出たとき」である。

 これは冗談ではない。実装日に手持ちの石全てをつぎ込んでも何の成果も得られず、その後手に入れたジュエルを投下しても結果は全敗。そんな折の11月26日、西城樹里のお誕生日記念でもらったジュエルも冬優子ガシャにつぎ込むクソDV男ムーブをかましたところ、そんなおれに危機感を覚えたのか冬優子がきてくれた。それはもう泣いた。冬優子が来てくれた喜びと、おれ自身の不甲斐なさにだ。樹里ちゃんには申し訳ないので今度パフェとかご馳走したいと思っている。

 それはそれとして、黛冬優子については以前も怪文書を投稿しており、ストレイライトのサポートコミュやイベントコミュも網羅しているが、「冬優子」と「ふゆ」の両方に触れられるプロデューサー、否、おれとの一対一の対話が描かれるアイドルイベントが一番甘美に決まっているし、SSRということはコミュの数が多い=最強である。それを読んでおれがいかに狂ったのか、読み進めて行ってもらえれば幸いだし、「黛冬優子」と一緒にスターダムを駆けあがるプロデューサーが一人でも増えれば何よりだ。ま、冬優子のことを一番わかってあげられるのはボクなんですけどね…。

小悪魔♥テンプテーション

 おそらくアイドル雑誌であろう「アイグラ」の12月号の表紙を飾るのは、我らが「ふゆ」である。甘辛系の衣装もバッチリ着こなし、コメント動画も「可愛いアイドル」の王道を往くそれで、文句なし120点のパフォーマンスを見せる。「挑発的に」というオーダーにも難なく応えられる辺り、共通コミュの時よりも一段と成長した姿を披露してくれるのも嬉しい。

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 おそらく、これもスタッフ受けするコメントを研究した結果だろうし、着こなしについても予習して、自信たっぷりに衣装をまとっているに違いない。冬優子はそういう女だ。常に「可愛い」に貪欲であり、愛されるアイドル「ふゆ」を完璧に構築することに余念がない。その意識の高さが何故に醸成されていったのかは公式に明言されていないが、お仕事モードの「ふゆ」を最初のコミュで観られるのは後の「冬優子」とのギャップに驚いてもらうためにも、初の恒常pSSRとして最適のチョイスだ。シャニマスくんの気配りが染み渡る。

 それにしても、テンプテーションとは「誘惑」を意味する言葉であり、冬優子にうってつけのお仕事である。そしてそのお相手は雑誌を手にした読者全員であり、もちろんプロデューサーも例外ではない。恋愛感情ではなく、プロデューサーでさえも魅了されるアイドルを目指す志の高さこそが黛冬優子の魅力である。その魅力が爆発するピンナップ撮影の締めは、こちらにだけ向けられた「ばーか♡」である。こんなもん、抗えるわけがない。

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ここ、笑うところですよ。

ハンド♥イン♥ハンド

 打って変わって「冬優子」の姿を見せる次のコミュだが、一時たりともアイドルとしての自分を高めることを止めたりはしない、向上心の高さが見て取れる。雑誌の発売日にはツイスタ(SNS)でエゴサをして、反応をチェック。自らの印象をコントロールする術に長けている冬優子らしく、狙った反応が見られたらしい。そういうところもアイドルに向いているし、その勤勉さが微笑ましい。

 選択肢によって変わるリアクションも最高だ。「すっごく可愛かったです」なら自信満々で上機嫌な冬優子が見られるし、「かっこよかったです」なら予想外の反応に面食らった様子や、王道のツンデレ仕草まで披露してくれて破壊力がすごい。(この子、性格悪そう)という選択をためらう選択肢まで用意されているが、実はこれこそ最良の選択肢なのは言うまでもない。

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 悪評も受け入れて、完璧なアイドルを披露する。それが彼女のプライドである。「商売なんだから」という言葉に表れているように、アイドルとは綺麗に着飾った商品であることを冬優子は認識しており、だからこそ最高に輝ける一番であり続けようとする。「偽物だ」などという批判はもうすでに冬優子には届かない。「ふゆ」も「冬優子」も彼女にとっては本物で、パーフェクトな自分を創り上げ、魅せつけることを彼女自身が楽しんでいるからだ。その端々に見せる、プロデューサーへの信頼もたまらない。

#EGOIST

 冬優子の「ふゆ」メイクは止まらない。今度は握手会の練習、しかもプロデューサー相手にだ。無類の信頼を見せてくれる彼女が愛らしいのは言うまでもないが、お姫様ムーブが何だかんだ一番似合うのもやっぱり冬優子である。オタサーの姫だ何だと主に服装面をイジられていたが、そういう愛され方にも対応してこそアイドルなのだろう。

 やはりベストアンサーは「好きな食べ物はなんですか?」だ。えっこの子ファンのこと「お兄さん」呼びなの!?という衝撃もさることながら、アイドルふゆでは絶対に見せない表情や声色を存分に堪能できる。カツとかから揚げが好きな冬優子、最高だ。きっと仕事場ではスタッフの目を気にして「もうお腹いっぱいになっちゃいました~」とか言うであろう冬優子が、体型を気にしつつ揚げ物を頬張る姿、見たいと思いませんか??

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静寂の頃はまだ遠く

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 えっなにそれかわいい…完全にデートじゃん…GIFでくれ…。

 という衝撃の幕開けから一転、このコミュではついにアイドルではない黛冬優子として、こちらに歩み寄ってくる。冬が好きだと語る冬優子の顔持ちは、どこかシリアスだ。こういった、プロデューサーと二人きりのときしかお目に掛かれない表情が最も多いことが、「沼」と表現される所以だろう。

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 全体的に選択肢コミュの破壊力が尋常ではない今回のpSSRの中でも、黛冬優子の核心を突くのがこの局面だ。「なんだか寂しいよな」と返したPに対し、「ぼっちの発想」と笑いつつも、その感慨に共感してみせる。おそらく冬優子は、「孤独」を知っている少女である。19歳になっても魔法少女アニメが大好きな彼女のプライベートは、どこか独りよがりであることは約束コミュやお休みコミュなどで垣間見れるし、可愛いに固執する在り方は「愛されたい」の裏返しとして読むこともできる。

冬優子は、自分がどう見られているかを重視している。アニメのポスターを一生懸命に見つめる冬優子の姿を見たプロデューサーが彼女に声をかけたことをきっかけに冬優子はアイドルになるのだが、後に追加されたpSRのコミュではそのキャラクターと冬優子の類似性が仄めかされる。アニメの中の可愛いキャラクターに憧れ、自分もその可愛いに近づきたいという想いが、彼女の心の中に住み着いている。現時点では公式に明言されていないので想像の範疇に過ぎないが、それは彼女なりの理想の投影なんじゃないかとおれは踏んでいる。可愛くて愛想がよくて、誰からも愛される「わたし」を、冬優子は切望しているのではないか。普段着用しているマスクは、自分の容姿に満足できない気持ちの現れか、あるいは本心を吐き出してしまわないためのセーフティか。(引用元

 そんな冬優子にも、今では並んで歩くパートナーがいて、それはおれであり、画面の前の同業者各位である。「寒いのには強い」と言っていた冬優子は、Pの上着を貸すよう迫ってくる。冬優子はもう孤独ではない。頼ったり甘えたり、素の自分を見せられる相手がいる。その実在を、温もりを確かめようと上着に身体をうずめる冬優子を想像すると、胸が苦しい。等身大の黛冬優子という少女は、どこにでもいる寂しがり屋の女の子だ

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【True】今、ここにある光の色は

 夜の秋葉原(のような場所)、ふと街のモニターに写る人気バンドの世界ツアーのCMを見て、冬優子はアイドルとファンの在り方を語り出す。一生をかけても追いかけきれない量の娯楽が世には溢れていて、その中からアイドルを選んでもらうことの苦労と、アイドルを"推す"側の苦労。その両方を知る冬優子は、その関係がいかに脆くも尊いものだと知っている。

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 自分がアイドルとして追いかけてもらえるだけの価値があるのだろうか。初めて心情を吐露した冬優子に対して、プロデューサーが言葉を紡ごうとすると、絶妙なタイミングでマスクを外すモーションが入る

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 たった一人でもふゆを応援してくれる人がいる限り、ふゆを応援してよかったって、そう思ってもらいたい。そう思ってもらえるアイドルで、在りたい。それは、とても切実な叫びだ。好きなものを保ち続けた自分を肯定するために、誰かの「好き」に応え続けられる自分でありたい。その覚悟を胸に抱き、冬優子はステージに立ち続ける。愛されたいと願うばかり芽生えた「ふゆ」という仮面は、今確かに「偶像」へと進化しようとしている。愛を乞う独りよがりの女の子から、愛を受け愛を返す「アイドル」への飛翔。その最前線にいられることが、プロデューサー最大の名誉だ。

 そして冬優子は、プロデューサーにも選んでもらえるアイドルであり続けると宣言する。エゴサーチや握手会の練習が描かれた前半コミュは、いわば、プロデューサーと冬優子の二人三脚で理想のアイドル「ふゆ」を創る工程であった。冬優子一人のものだったそれが、いつしか二人の夢となり、たくさんの人の愛を背負っていく。黛冬優子が描くアイドル像は、無数の愛を受け止め、肯定するものだ。その頂点を手にするまで、黛冬優子は歩みを止めない。その横に並んで歩くのは、プロデューサーであるおまえ自身だ。その信頼に応えたいと思うのが、プロデューサーってもんじゃないか。

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to be continued.....

えっ、他にもあるの!?

これもよんでほしい

 同じpSSRを扱った愛のある怪文書。こちらが後発なのですが『私と"あなた"の「理想」を描く』って表現は被った!と思わされました。所々抑えきれない「うぅ…冬優子…」感が大好きです。もっとください。

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