見出し画像

本屋に行けない今、本屋についてちょっと考えてみた

緊急事態宣言が出て早数日。
要するにまとめると「外に出るな」ということで。
元から引きこもりがちな私にとっては影響ないかなあなんて思っていたけど
そうでもなく。
外に出ないって結構不便だし、
気分転換も難しい。

不要不急の外出を控えてください。
そう言われて真っ先に控えられるのは娯楽関係だ。
バイト先は本屋さんだけど
まあ人が少なくなった。
最近は休ませてもらっているけど
どうなっているのか心配。
それにこの事態が収ったあと、
人は街に戻ってくるだろうか?
お店に人は戻ってくるだろうか?
そんなことを考えてしまう。

今の書店は結構通販に押されている。
いろんなユニークな本屋さんがたくさん開店して
少しずつ実店舗にも目が向いてきたのに、この状況。
大変なお店はきっと私のお店だけじゃない。

通販は便利だし、楽だ。
電子書籍は場所を取らないし、売り切れとは無縁。
私も漫画は全部電子版に変えた。
技術の勝利。

ただ小説とかはやっぱり紙だ。
電子版で文字を追うのが苦手だというのもあるけれど
読み返したり、ページをめくる紙の感触だったり、
そういうのも含めて本を読むという時間、なのだ、私的には。
通販もあまり使わない。
カードとかを使うのが面倒だというのもあるけれど、
本屋に行くのは本を買うためだけじゃないと思うのだ。

書店と通販の関係は、辞書と電子辞書の関係に似ている。

中学生の時、紙の辞書を引くのが苦手だった。
引くのは嫌いじゃない。
ただ目的の言葉を探すのが苦手だった。
たくさんの文字が並んでいるページからたった1つの言葉を探すのが
すごく時間がかかって、
多分30分くらいで終わる予習が倍はかかってたと思う。
ただでさえ慣れない学校生活で疲れていたのに
さらに予習で時間がかかるなんて……と
中1の私はため息しか出なかった。
しかも学校にも持って行かないとダメで、
教科書だけで結構重いのに……とこれまたため息しかでなかった。

電子辞書を買ってもらったのはそれから数年してから。
電子辞書はすごく楽。
入力すればすぐ目的の言葉にたどり着ける。
しかも持ち歩きも簡単。
便利。素敵。最高。
技術の勝利だなあ、なんて思っていた。

でも英語の先生がこんなことを授業で言っていた。
「紙の辞書は引いているときに他の単語にも触れられる」
だから紙の辞書の方がいいのだ、と。

それが本当かはおいといて
なるほどなあと思ったことは覚えている。
それは英単語を覚えているときも思ったけれど、
何回も目に触れた単語は基本的に覚えている。
基本的な単語を覚えているのは何度も読んだり書いたりしているから。
でも辞書でしか出会わないような言葉だってある。
英和辞典であっても、国語辞典であっても
そういう普段は出会わない言葉に出会うのは結構面白くて
しかもそういう無駄な知識が役に立ったりするのだ。

書店も一緒だ。
通販だとおすすめされている本や知っている作家さんの本しか買わない。
きっと面白いだろうし間違いないだろうからそれはいい。
もしくは何か明確に目的があるとき。
集めている漫画の新刊とか、授業の参考書とか。
そういうときは本棚を回って探すのが面倒で通販で注文する。
参考書は特に。
漫画は家に何巻まであるかを確認しながら注文できるし。
でも私は目的なく本屋さんに行くのが結構好きだ。
平積みされている本をジャケ買いしたり、
本棚の間をぐるぐる回りながら探したり、
そういう無駄な時間。
その時間が新しい作家さんや本の出会いに繋がる。
そのときに見つけた本が面白かったら当たりを引いた気分。

だから私は本屋さんが好きだ。
そこでしか出会わなかった本がきっとあるから。
外出自粛が必要なくなったら最初に本屋さんに行こう。
それでゆっくり、ゆっくり本棚を見て回ろう。

だから、みんなも。
たまには本屋さんに遊びに行ってください。
外出自粛が解けたら。

それまではみんなおうちで
あつ森してましょ笑
ご自愛ください。


良ければサポートお願いいたします。