1389
※note毎日連続投稿1414日をコミット中1389日目。
※音声・文章、どちらでも楽しめます。




おはようございます。
山田ゆりです。



今回は
ほんの些細な事って忘れやすい
をお伝えいたします。



「のり子さん、かわいいカップね」

席を外していたＡ子さんが事務所に戻ってきた。
Ａ子さんがのり子の近くを通った時に独り言のようにつぶやいた。

はっ！
そうだ。


胃のあたりをつねられたような気持になり
のり子は椅子から立ち上がった。少しオーバーなくらい小走りで事務所を出た。

引き戸をあけて目の前のキャビネットの上にのり子のコーヒーカップがあった。


100㏄くらいしか入らない、最近お気に入りのカップである。



やっぱり。

先ほどコーヒーを飲みほし、カップを洗おうと廊下に出たのだ。

廊下に出たらその寒暖の差にぶるっと身震いをした。
カップを目の前のキャビネットの上に置いてのり子はトイレに向かったのだった。

やがてカップの事はすっかり忘れて自分の席に戻りＰＣに向かっていた。


のり子にはよくあることだ。


のり子はキャビネットの上に置いてあるカップを持ち上げ、給湯室に向かった。

湯沸かし器から出てくる暖かいシャワーにほっとしながらカップを洗い
ふきんできれいにそれを拭いてカップを持ちながら事務所に戻った。

そしてＡ子さんに軽くお辞儀をしながら自分の席に戻った。



仕事は忘れることが無いようにのり子はリスト化したり付箋を貼ってうっかりミスを防いでいる。


でも、カップを洗う、そんな些細なことは付箋に書かないから
つい、うっかりしてしまう。


しっかりしろ、のり子。



でも、これはのり子だけのことではない。
時々、他の人も同じことをしていた。

もしかしてあのキャビネットはカップを置きたくなる何か特別な力があるのかもしれない。


な～んて、キャビネットのせいにしてのり子はまたＰＣに向かった。





今回は
ほんの些細なことって忘れやすい
をお伝えいたしました。

本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。　

ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。

山田ゆりでした。





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