【つながる旅行記#64】開通した北海道新幹線で上野の花見へ
これがはこだてライナー……。
函館駅で、初めて見るはこだてライナーを眺める。
2016年4月。
もうスーパー白鳥は居ない。
廃止されたのだ。
いよいよ北海道新幹線が開通した。
これから先、本州と北海道の行き来では北海道新幹線に頼ることになる。
はこだてライナーに乗ってたどり着いたのは新函館北斗駅。
新幹線の開通にあたり、新設された駅だ。
そう。新幹線は函館駅から出ているわけではないのである。
だから函館駅から新函館北斗駅まで移動して、そこで新幹線への乗り換えが必要になる。めんどくさい。
しかし将来的に北海道新幹線を札幌まで伸ばす予定がある以上、こうなるのは仕方ないようだ。確かに函館駅まで行くのはかなりのロスだろう。
新幹線に乗り込み、おもむろに弁当を取り出す。
普段駅弁なんて買わないというのに、つい開業のテンションに身を任せて買ってしまった。
とはいえここから長いこと乗らなければいけないので弁当は必要だ。
それにもう、目的地に着くまで下車することはない。
スーパー白鳥だったころは新青森駅で新幹線に乗り換えたのだが、北海道新幹線になったのでもうその必要はないのだ。
正直なところ、新青森駅で乗り換えるときに駅一階のお土産コーナーに行くのが大好きだったので、その機会がなくなってしまうことが悲しくもある。
あの青森を感じられる場所に寄っていくのが最高だったのだが……。
いや、世界は変わっていくものだ。
諦めよう。これが時代の選択だ。
あ、コンセントがある。
そうか。新幹線だからコンセントがあるのだ。
おいおい……最高だな新幹線。
もう全力でPCを楽しみつつ目的地へ向かうことにしよう。
人混みきっつ……
新幹線に乗ってやってきたのは東京、上野。
実は旅行を開始してからまともに東京観光をしていなかったのだ。
理由としては、一時期東京に住んではいたので優先順位が低かったのと、
単純に人混みが苦手だからである。
今日もおそらく、夜になったら頭痛が襲うことだろう。
田舎民に都会の人混みはきついのだ。
この耐性のあるなしは、人生に大きな影響を与えそうだと思えてならない。
体が浮くレベルの満員電車を体験したときには、朝に弱い自分でも1時間早く起きることを即座に選んだのは言うまでもない。
ということで今回見に来たのは上野の花見。
都民であれば当たり前の行事なのだろうが、自分が東京に住んでいたころには一度たりとも行かなかった。もちろん人混みが苦手だからだ。
しかし人生経験という意味でやっぱり体験しておこうと今回思い立った。
日本の首都の花見だ。一度は行かないと。
でも……。
……正直早くもギブアップしたい。
さすがは世界上位の人口密度を誇る首都東京。
もう人、人、人、人……。
昔行った激混みの東京ゲームショーが公園で再現されたような混み方だ。
ゴミ箱のスケールもすごい。
このデカさでなければ対応できないのだろう。
きつい……きついぞ……。
いやはや、やっぱり自分には都会の人混みはきついようだ。
桜の写真なんて撮っていられる状態ではなかった。
まあいいか。桜は愛媛でいっぱい見たしな……。
不忍池(しのばずのいけ)で体力を回復する。
やっと少しは落ち着ける場所に着いた。
ちょっと横を見たら人だらけなのは変わらないのだが……。
こうしてみると結構な種類の動物たちがいる池だ。
本当に自分は東京暮らしの時にどこにも行ってなかったんだなあと実感する。
もったいないことをした。
……いや、観光よりも人混みの苦手さのほうが上位に来てたのもあるか。
しかし今回はしっかり観光しにきたのだ。
まあ花見は……もう達成したということにして、どこか他へ行こう。
ちょうどよく下町風俗資料館というものがあった。
ここに入ろう。
思えば自分は下町についての知識も全然ない。
これは好都合。
花見より、今は資料館だ。
~次回へ続く~
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