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【つながる旅行記#77】江戸東京博物館リベンジpart.4 ~父~

ウソだろ……?


めっちゃ父親に似てる……。



さて、前回は本やら寿司やらお金やらで新しい知識が得られた。
おぼろげだった自分の中の江戸の姿がだんだん固まってきた気がする。


それはそうと、冒頭の画像が誰だったかわかるだろうか?
自分はこの写真は始めて見たが、あまりに父親に似ていて衝撃だった。

あれが誰だったのかというと……福沢諭吉である。

お札の顔よりもかなり若い頃の写真だろう。
面影はあるが、結構違う顔に見える。

しかし本当に若い頃の父によく似ている……。

いやこんな身内ネタをいつまでやってても仕方がない。
それに今の父は歳相応に老けたが、老年の福沢諭吉の顔とは全く違う。
人間の顔というのは不思議なものだ。


さて、福沢諭吉というと「学問のすゝめ」が有名だが、自分はニート時代に福沢諭吉の本をあれこれ読んだ結果、「福翁自伝」がとても良かった。

※色々な福翁自伝が出版されているが、自分が読んだのは以下の本。

「福翁自伝」はその本のタイトル通り福沢諭吉の自伝なのだが、思った以上にぶっちゃけトークをしているので非常に面白い。

特に酒の話が多く、Kindleの検索機能を使用して「」で検索をかけると、146個ヒットする。どんだけ酒への思いが溢れる人生なんだよと思う。

というわけで、酒にまつわる話を紹介しよう。

自分の悪いところを公にするのはあれだが、そうしないと事実談にならないから、幼少以来の飲酒の歴史を語りましょう…」という感じで、諭吉は幼少期からの飲酒歴を語り始める。

幼少の頃、月代(さかやき:おでこから頭頂部までの髪を剃ったアレ)を親に剃ってもらう際、諭吉は頭の窪んだ所を剃るのが痛かったらしく、かなり嫌がった。
それに対する母親の解決策が「お酒飲ませてあげるから我慢しなさい!」だったのである。当時はみんなそんなものだったのかはともかく、諭吉はそれ以来我慢すれば酒が飲めるので、泣かずに耐えるようになった。

時は流れ、緒方洪庵の塾で勉強をしていた頃の諭吉は、飲酒しまくりな生活スタイルにすっかり成り果てていた。さすがにヤバいと思ったのか、あるとき酒を断つことを決意。1年間の禁酒を成し遂げることに成功する。

しかしこの1年の間には、諭吉に別の凄まじい変化があった。

塾生たちによる、「諭吉ィ!酒やめたならタバコやったほうが良いって!やっぱ楽しみがないとな!」という”諭吉を喫煙者にしてやろう運動”により、
こんな不養生で臭いもんを吸うやつの気が知れんわ!」とかつては言っていた諭吉が、「なんか……タバコの風味って良いよな!」と言ってしまうレベルの喫煙者に成り果てたのである。

そして禁酒は成功したのだが、あくまでも1年間に限っての話。
その後はまた普通に酒をガブガブ飲む生活に戻ったのだった。

酒を飲みまくり、タバコも吸う。
「大酒飲み」+「ヘビースモーカー」
の最強モンスターの誕生である。

その後諭吉は、必死の思いで30代後半までにどうにか酒は抑えることに成功したのだが、自伝の中で「タバコだけは結局やめられませんでした……」と、後悔の念を述べている。偉人もタバコの依存性には勝てなかったのだ。

その他にも、囲碁を全く知らないのに、対局している人にあーだこーだと超テキトーなアドバイスをして頭がいいフリをし、「なら福沢、対局しよう」といざ言われると、「馬鹿を言うな。お前程度を相手にする暇はない!」などと言い放ち、対局をかわしていたりした。(なんだこいつ……)
しかしさすがに1年くらいで普通にバレて散々罵られたりしている。

あとは、「鯛の味噌汁だよ」と言って相手にそれを食べさせて2時間ほどしたあとに、「実はさっきのフグだったんだよね!こりゃもう吐いても間に合いませんな!ガハハ!」と言い放つという、相手によっては斬り殺されてそうな行動をとったりもしている。

あとは塾生たちで料理屋などに行った際に、毎回おちょこや皿を盗んで、塾生たちの間で手柄自慢をしたりとか……

いやこれ本当に将来1万円札になる人か?



……とまあ、そんな「偉人も一人の人間だったんだね!」と思わせてくれる「福翁自伝」。わりと簡単に読めるのでおすすめだ。

偉人もたくさんの人並な失敗をして、偉業を成し遂げたのだ。
あるいは失敗しても最終的に偉業を成し遂げたらなんかOKになるのである。


なんだか文字数的に福沢諭吉の自伝紹介で今回は終わりそうだ。

流石にちょっとあれなので、神田明神が神田祭のときに使う山車(だし)を貼っておこう。

神田明神の山車
関羽

なぜだか上には三国志の関羽が居る。

江戸では籠職人が大きな籠細工を作ったこともあるらしい。
錦絵なので誇張されている可能性はあるが、でかい。

青森のねぶた祭りにこれが繋がっている……のかは不明。


さあ、そういうわけで江戸東京博物館も次がラストだ。


次回へ続く…!


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