日本でも安くて性能の高い端末が増えてほしい

日本におけるスマホ市場は価格が高いか性能が微妙な端末ばかりなのが最大の問題点である。

まず価格の高さ。性能に対して値段がとにかく高すぎ。xperiaをはじめ国内メーカーの製品は性能に対して価格が高すぎで、ミドルレンジすらも6万前後以上するものが平然とラインナップに入っている。同じ価格であればハイエンド級の性能を持つpoco xやfシリーズを手に入れることができるため、国内メーカーが出している端末の価格の高さがより際立ってしまっている。

日本メーカーはキャリアの言いなりあるいは配慮しているところばかりなのもあり、常に最新チップ(soc)*1 を導入する流れにあり、特にハイエンド用のチップはその傾向が非常に強い。一見するといいことのように思えるのだが、処理能力に直結するチップ(soc)自体の価格も新しいものは基本的に高くなりやすく、そればかりを導入する状態が続くことは当然ながら本体価格も高額になる。それに加え、日本の場合はキャリア主導で製品展開を行うことが多く、それのためのサポート料やブランド料を上乗せしているとしか思えない値付けが横行している。利用者もまたそれにより生み出された製品を手に出すことがほとんどである。しかもそれをいいことにキャリア製品は謹製アプリを大量に入れる・タッチサンプリングレートをはじめとした使い勝手に直結する部分を削ることが多く、そうした環境が形成されていった結果、性能の割に価格が高い製品ばかりが世にはびこる成果をもたらしているのである。加えて発熱の対策もおざなりであるものばかりである。冷却システムに力を入れている中華と比較しても大きく水をあけられている状態で、それは発熱処理の面で毎年変わり映えしないxperiaを見ていると年々中華との端末の完成度の差が大きくなってきているように感じる。

中華スマホを見ていると、1世代~2世代前のハイエンド用チップを使って新製品を展開していることが多く、価格抑制のためにあえてそうしていると考えることができる。そうした中華メーカーの姿勢がチップ調達能力の高さと相まってコスパの良さが際立ち、製品としての魅力を高めることにも繫がっている。世界市場を中華スマホが席巻するのも当然のことと言える。

日本の場合はコストを抑えようとするとメモリ(RAM)、ストレージ(ROM)、リフレッシュレート*2、タッチサンプリングレート*3、スピーカーを真っ先に削る傾向が強く、採用するsocもロー~ミドル*4 用が中心である。その結果割高な端末ばかりになってしまっている。そうなってしまっているがゆえに日本人から見ても日本メーカーのスマホは全く魅力の無い製品ばかり出回る結果となっている。これでは海外メーカーの攻勢に全く太刀打ちできなくなる。

日本市場だとそうした魅力に欠ける端末がキャリア主導で幅を利かせてしまっている。そのためにsimフリー市場も微妙な端末ばかりが展開され、そうした現状を嫌う一部のユーザーが技適を無視してまで海外から日本で販売されていないスマホを輸入して使うという現象が起きているのではないかと思う。実際にtwitterやyoutubeを見ても日本未発売の海外スマホをレビューする日本人は多く、pocoが日本に進出した理由として海外の越境通販サイトから購入する人のうちの1割が日本からの利用者だったからという担当者からのコメントもあるぐらいである*5。

※pocoシリーズは性能に対して価格が非常に安い物が多く、同シリーズが日本に進出する以前から日本人の絶賛レビューが多い傾向にあった(海外通販サイトでのレビューにおいても日本からの書き込みが多数散見されている)。このこともキャリア主導で展開されるぼったくりモデルの多さに嫌気が差した結果とも言えるのではないか。

以上のことを鑑みると、日本市場は中華を見習って1~2世代前のハイエンドクラスのチップを採用した新製品を投入することに力を入れるべきである。そうすることで安くて高性能の端末を多くの人が手にすることができるようになり、サクサクでストレスの無い生活を万人にもたらす結果を生み出す。更に言うならば、そうした環境が形成される事で日本において圧倒的に多いiphoneユーザーの数を減らすことにも繫がり、魅力ある製品が日本市場に多く出回るようにもなっていくことだろう。

*1 スナップドラゴン(snapdragon、以下スナドラ)でいうなら8gen~を含めた800番台に、ディメンシティ(dimensity)でいうならdimensity○○○○の、○に入る数字4桁のものが該当。

*2 webページをめくる際のスクロールの速さ。最低でも90Hz以上あると性能面で優秀な場合が多い(基本的に製品紹介時のスペック表に掲載されていることが多い)。

*3 タッチした際にどれだけ早く反応するかを示したもの。180Hz以上あると快適な場合が多く、ハイエンドだと240Hz以上で対応していることがほとんど。個人的にはリフレッシュレートよりも使い勝手の面において直結しやすいところだと考えるが、リフレッシュレート以上に重視されていないのか、製品紹介のスペック表に記載がないことが多い。

*4 ここではスナドラでいうなら4gen~や6gen~を含めた400番から600番台、またはmediatekのhelioシリーズが該当する。

*5 詳しくはhttps://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/interview/1419235.htmlを参照。

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