シャドウレイダーズ私的まとめ1.マップ移動と攻撃レンジ

※本記事は2018年にcosaic様が発売した『シャドウレイダーズ』およびその拡張セットの『シャドウレイダーズ 女王陛下の飛行船』を取り上げ、一部2005年にゲームリパブリック様より発売された『シャドウハンターズ』にも言及します。 

[前書き]

とりあえずこの記事が私の初投稿となりますが、まぁ特に言うこともないのでさっさと本題行きます。

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こんな辺境の記事まで辿り着いた時点で既にこのゲームについてはご存知かとは思いますが、今回扱うのは4〜8人(拡張を入れれば10人)まで参加できるボードゲーム『シャドウレイダーズ』(以後本作)。

プレイヤーは19世紀末の『霧の都』で闇から生まれた『シャドウ』と、密かにそれを討伐する任を受けた『レイダー』、その争いに巻き込まれた霧の都の市民(シチズン)の中からランダムに役職を与えられ、自分以外の役職が分からないままゲームが開始し、他のプレイヤーの正体を探りつつ、自身の勢力の勝利条件達成を目指す、所謂正体隠匿系と呼ばれるタイプのゲームです。

もう十年以上前になるので、知らない方もいるとは思うのですが、こちらのシャドウレイダーズ、かつて出ていた別のゲームのリメイクなんですね。

それが、私の人生で初めて購入したボードゲーム『シャドウハンターズ』(以後旧作)です。

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私の中で旧作はとても大きいもので、詳しくは書きませんが、このゲームに出会ってから誇張抜きで人生の行き先が変わりました。

今、ボードゲームを趣味と言っても問題ない人間に自分がなっているのも、最初がこのゲームだったからだと思っています。他のゲームが入り口だったら多分ココまでハマッてない。

そんな私ですので、本作を知った時は大興奮でした。

旧作を購入した時はカードスリーブ でカードを保護するという考え方自体がなかったにも関わらず、最も遊ぶ回数が多かったゲームだったので、カードの角が擦れて白化してしまっており、再販をずっと待っていたんですよ。

ということで本作を購入し、ルールを確認したのですが、大まかなシステムに変更はないものの、結構細かい変更がチラホラと。

こりゃあ旧作の感覚のまま遊んでたら大火傷するぞ。と感じ、誰かに見せやすいところで考察を言語化してまとめようと思い立ち、とりあえず一番手軽だったTwitterでやろうとしたのですが、Twitterでツリーで繋げていくのではやっぱり見辛い。

だったらブログでも開設してソッチにまとめるか、ということで、いくつかのサービスを検討して最終的にnoteにまとめることに決めたという経緯でこの記事を書いています。

と、いうわけでこれから旧作との違いに注視しながら自分なりの考察をまとめていこうかと思います。

まぁ、まとめるサービス決定に半年以上かけてるズボラなので、一年くらいで基本キャラが終わればいいかなー……くらいの気持ちでアップするつもりです。

また、既に本作を購入している人向けに書くので、細かいルールについてはココでは書きません。ご了承ください。


前置きが長くなりましたが、今回はマップ移動についてまとめます。

[マップ概要]

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とりあえず本作のマップの写真です。
各エリアの効果は下表にまとめているのでそちらをご覧ください。
脇に置いてある【⑩女王陛下の飛行船】は拡張セットの『女王陛下の飛行船』で追加されるエリアで、拡張を使用する場合中央の六角の隙間に嵌め込みます。

シャドレイマップ概要

各エリアの効果はプレイすればすぐに掴める部分なので今回は無視し、ダイス確率に関連した移動とレンジに注目してみましょう。

[移動ダイス]

旧作経験者はマップ概要の時点で分かるかと思いますが、本作ではダイスの出目が7以上のエリアの数字が全て1減少しています。
これは任意のエリアに移動できる出目が7から10に変化した為なのですが、コレが本作と旧作のプレイ感の違いとして最大のものだと私は認識しています。

というのも、旧作では7が自由移動だった。つまり16.67%の確率で自由な場所に移動ができたワケなんですが、本作では10。
移動ダイスで10が出る確率は4.17%でしかないので、その差は4倍。
1回のゲームで一度も自由移動できないこともままある確率になってしまった。

この為、旧作では普遍的だった白のカードを引き続けて回復し続けたり、移動ダイスの確率が低いエリアに篭って攻撃される確率を下げる持久戦や、黒のカードを引き続けたり、【⑧市庁舎】(旧作の【⑨希望と絶望の森】)で戦闘以外の打点を稼ぎ続けるといった、特定エリアに依存し、特定エリアに移動し続ける戦略はほぼ使えません。
ちょっと運要素が上がったと言えるかも。
白か黒のカードを引きたいだけならば【④⑤ブラックミスト地区】もあるので50.00%で引けるのですが、旧作は白なら62.50% 、黒なら58.33%なので、やっぱり確率は下がっています。

他にも、特定の相手を延々追跡して攻撃し続けるストーカー戦術もできなくなりました。
こちらに関しては延々攻撃され続けることが少なくなり、能力のため早期に正体を明かしたいキャラクターが大胆に動けるようになったので、この変化は嬉しいですね。

更に【⑩女王陛下の飛行船】を使用するゲームの場合、例え10を出してもそのターンは【⑩女王陛下の飛行船】に移動してしまい、自由移動は次のターン。明確に行きたいエリアがある場合一手損になりますし、【⑩女王陛下の飛行船】は全てのエリアから攻撃ができるエリアなので、終盤で【⑩女王陛下の飛行船】に移動してしまったが為に敵対勢力に総攻撃を受けて負ける、ということも。

シチズンの勝利条件で見ると、装備奪取エリアに行ける確率が20.83%から12.50%に減少しており、上述の通り白黒カードを引ける可能性も微妙に下がっているので、装備収集系の勝利条件はやや達成し辛くなっている気がします。
拡張キャラのブルース(旧作ではブライアンに相当)は勝利条件を二つ持ち、片方はゲーム終了時点で【⑨オリバーの隠れ家】に居ることですが、コチラで勝利するのは狙って出来そうにないですね。
まぁ旧作のブライアンの頃から私はそちらの勝利条件を満たして勝ったことがないので、元からオマケ程度の認識ですが。

このように、自由移動の確率が下がり、行きたいエリアに行けない状況が増えたことで、白装備の『神秘のコンパス』の価値は相対的に上昇していますね。
旧作ではそれなりの確率で自由移動ができるので、便利ではあるものの積極的に奪いに行く必要もあまりないと思っていましたが、本作では敵対勢力に奪われると一方的にアドバンテージを稼がれ続けるようになってしまうので、最優先で確保に行く価値がある装備になったと思います。

神秘のコンパスと同じく、相対的に価値が上昇したものに映魅がいます。
旧作ハンター勢力で唯一本作での名前変更がなかった映魅ですが、彼女はダイスの出目のエリアに移動するか、現在地の両隣どちらかのエリアに移動するか選べる能力を持っています。
自由移動が簡単に出来る旧作では便利だけれど正直強くはない能力と認識していましたが、本作では狙ったエリアに移動できる彼女はかなり強い。
個人的には旧作と比較して最も強化されたキャラクターだと思っています。
能力自体は一切変わっていないのにも関わらず、ここまで魅力的なキャラクターになるのは面白いですね。

[攻撃レンジ]

自由移動が難しくなったということは、ほぼダイスの確率通りの場所にプレイヤーが集まりやすくなったということでもあります。
特に確率の高い【④⑤ブラックミスト地区】【②③探偵事務所】【⑧市庁舎】の二倍超、【⑨オリバーの隠れ家】では三倍超の確率で行くことになるエリアです。
それにより、【④⑤ブラックミスト地区】は攻撃において重要な意味を持つエリアとなっています。

とりあえず、各エリアで行動を終えた後、アイテム抜きで次のプレイヤーのレンジに入る最大確率と最小確率、【④⑤ブラックミスト地区】以外は【④⑤ブラックミスト地区】を除いた場合の最大確率(④⑤なし最大)も併せて記載した下表を見てください。

エリアレンジ確率

表から分かる通り、【④⑤ブラックミスト地区】は最大確率でも最低確率でも全エリア中最高となっており、最低確率でさえ【④⑤ブラックミスト地区】と隣接していない全てのエリアの最大確率を上回っています。
他のエリアは【④⑤ブラックミスト地区】の有無で最大確率に12.5%の差があるのが分かりますね。


これだけだと所詮12.5%とも思うかもしれませんが、これはあくまで『自分の次のプレイヤーが自身をレンジに入れる確率』です。
10人まで遊べるゲームである以上、自分の手番終了から一巡するまでに1人以上のプレイヤーのレンジに入る確率も考慮する必要があります。
この時、12.5%が大きく伸し掛かります。
ということで、残り人数別に各エリアで手番終了してから一巡するまでに1人以上のレンジに入る確率をまとめたのが次表です。

エリアレンジ人数別確率1

エリアレンジ人数別確率2

【④⑤ブラックミスト地区】の12.5%の違いが最も出ているのは【⑨オリバーの隠れ家】ですね。
残り人数3人の【⑨オリバーの隠れ家】の最大確率は【④⑤ブラックミスト地区】と隣接した時とそうでない時で16.14%の差があり、【④⑤ブラックミスト地区】アリの値は【④⑤ブラックミスト地区】ナシの残り人数4人の値より大きくなっています。

更に、残り人数が3人以下であれば最低確率が【④⑤ブラックミスト地区】以外の全てのエリアが50%未満となっているのも分かります。
3人というのはゲームの最終局面でよくある人数であり、一発、二発が勝敗に直結する状況で、レンジに入る確率が50%を切っているかは無視できない要素でしょう。
良くも悪くも【④⑤ブラックミスト地区】が攻撃における焦点となるのは間違いありません。

とはいえ結局エリア移動はダイスの女神の気分次第なので4.17%の自由移動で多少考慮できるかな?程度の知識なのですが、前項でも触れた神秘のコンパス映魅を使い、必要に迫られない限り終盤での【④⑤ブラックミスト地区】への接近を避けることで長期的な生存率を上げることができそうです。やっぱり強いな神秘のコンパス

【④⑤ブラックミスト地区】以外の部分に目を向けると、どのエリアに居ても残り人数が4人以上であれば誰かしらのレンジに入る確率の方が高いのが分かります。
なので、1対3のような状況では、手番が回ってくるまでに一発以上攻撃されてしまい、手番が回ってくる度に体力が大きく削られる思った方がいいでしょう。
相手の攻撃に合わせて手数を増やせる狼男であれば逆転もそれなりに出来るのですが、他のキャラクターだとかなり厳しい状況を強いられることに。


つまり、このゲームで生存したければ、同時に3人以上の敵を作らない立ち回りが非常に重要になります。
1対3になってしまう状況は幾つか考えられますが、経験上シャドウレイダーだけで1対3になる事はほとんどなく、大抵の場合どこかでシチズンが絡みます。
自身がシャドウレイダーならば、シチズンは探偵で勢力を掴んだら終わり……とはせず、自分の敵になるものなのか、状況次第で味方に引き込めるものなのか、行動を注視し正体を探っていくべきでしょうし、自身がシチズンであるならシャドウレイダーが同時に敵になる展開を避けるべきでしょう。

個別のキャラクターの能力で言えば、シャドウの拡張キャラであるワイトが能力発動中に特定の相手を狙って攻撃するには擬似的に1対3以上の状況を作れば良いワケですから、三回以上手番を連続できれば一定の効果が望めそうです。
ワイトの能力は決定力が断トツで高い一方、タイミングが難しく使用を躊躇しているうちに脱落してしまうことがシャドウの中では多いキャラクターです。
なので判断基準の一つとして『三連続で動ければ最低限の仕事はできる』というのを持っておけば、最適解でないにせよ、能力抱え落ちという最悪の事態は回避しやすくなるんじゃないかなと思います。

ただでさえシャドウは長期戦有利な陣営なので、レイダー陣営はジリ貧の状況に持ち込まれる前の対処は必須です。
なので、レイダーフェリックスゴードンは敵3人を1人で相手にしなければならない状況で、うち1人をその手番か次の手番中に潰せる算段があるなら能力を使うことを強めに検討していいと思います。
ただ、どちらも妖刀ヴァンパイアや最終盤のワイトなど対処が難しい相手に対して使いたい能力なので、あくまで状況を見て……となりますが。

[後書き]

5000文字も超えて、これ以上書くと見返す時に面倒なのでこの辺りで一旦切ります。
とりあえず、パッと見で旧作との違いが一番見える場所であることと、映魅ワルプルギスの有用性を実感するために必要な情報だろうと思い、まずマップの考察から垂れ流しました。

エリア毎のレンジに入る確率は感覚で掴みにくい部分なので、計算してみて意外と新しい発見が多くあり、これだけでもまとめた価値はあったんじゃないかなぁと個人的には思っています。
あと、普段確率計算とか一切せずに遊んでいるので計算式に一部間違いがあるかもしれません。その時は教えて頂ければ直します。

次からは基本セットのキャラクター考察に行こうかと思います。
自分が間が空くと面倒になる性格だと自覚しているので、できれば一ヶ月以内にアップしたいんですが、これから仕事が忙しくなる時期なのでもっとかかるかな……?
なるべく早くするよう精進します。
ではまた。


[おまけ]

死神のスコープを持っている相手のレンジに入ってしまう確率も一応計算していたのでここに置いておきます。

エリアレンジ確率死神入り

結論:死神のスコープ2つ持ちからは逃げられない。

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