トーン。トンパ!
今日はフットサルの話を。
スペインに来て感じたことの一番は【DFのプレッシャーが強い】ということです。
DFのプレッシャーが強いというのは、単純にボールに寄せる、プレッシャーをかけることをさぼらずやるとともに、それを迷いなく決断させるDFシステム(チームとしてはDFはこうします!というもの)が整備されている印象です。
やられた時の責任の所在は結構わかりやすく、そのミスはきちんと指摘されます。
とはいえ、例えばただ抜かれるなよ(選手は誰一人抜かれようと思っていない)と指摘するわけではなく、その前段階でのポジショニング、寄せる時の角度、決断、ステップなど指摘される部分は様々です。
そういった細かいDFが整備されているのがスペインリーグの印象です。
このDFに対して、OFでどのように攻略していくか(OFを放棄したりすることは少ない)、そういった戦術的駆け引きが毎試合行われ、それを何年もやる中でいろんなことが進化していっている印象です。日本もその途中だと思います。
僕のチームでは、個人の力に頼って何かを解決することは一切なく(試合中にそういうシーンが起こることもある)、チームとしてこういうことをしていこうということだけに監督は言及します。
相手のDFがこうだから、今回の試合はこうしていこう、そうすればここに数的優位ができ攻略できる、とそういった戦術的駆け引きや試合を読むことを僕はこのチームで学び、フットサルに対する考え方が大きく変わりました。
そんなチームとしてやりたいことを実現するためには、技術・体力はもちろんですがそれ以外に個人に最低限求められるものがあります。
それが個人戦術というものです。
個人戦術の1つとして、トンパをここでは紹介したいともいます。
トンパの提唱者は、皆さんもご存知インドネシア人の高橋ですが、トラップを動かす(トーン)、トラップを動かすふりをして方向転換する(トンパ)といった個人戦術のことです。
(これを成功させるためにはその前にボールアタックしないといけませんが、ここでは省きます。これでもう1つくらい書けるからw)
僕はこの重要性を、スペインに来て再認識しました。
前述のように、DFの強度がとても高いため、ボールを動かさないと(止めると)、間違いなくプレッシャーを受けます。
ボール保持者本人はボールを奪われなくても、プレッシャーを受けた人の選択肢は限られ、DFはパスコースを予測できるため、次のボール受ける人のプレッシャーはさらに強まり選択肢がない状況になっています。
ボールを動かすことで、相手のプレッシャーの効果を弱め、OF自身はプレーの選択肢を持つことができ、次のボール保持者にも数多くの選択肢を与えていきます。
基本的にそのリズムの中でプレーをしますが、ここで大事なのがDFの立ち位置を見てトンパに変える決断を持てているのか、ということです。
それがないと、相手も少しづつ慣れていき、プレッシャーの強度が高まってきます。
なので、トーンとトンパはペアなのです。
今回、そのことを理解するために映像をまとめました。
14歳以下のスペインの決勝戦、バルサ対ポソです。
14歳でこのプレーをすることに衝撃を受けますが、僕は日本人でもできると思っています。
前半はポソのプレッシャーを受け劣勢だったバルサですが、この個人戦術でリズムをつかみ直し、逆転して優勝しました。
ダメなシーンは前半ですが、いいシーンはほとんど後半です。監督の指示があったのだと思っています!
ぜひ見てみてください!
ではまた!
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