業務ごとの手当
クリニックをやっていて、当初は「医療事務」「看護師」として手当をあまり付けずにやっていました。
職務手当はつけていましたが、それ以外は残業代と交通費のみでした。
しかし、色々と考えるところもあり、医療事務については「レセプト手当」を新規に導入し、また、「コロナ手当」も途中から導入しました。
また自費診療導入に伴って、自費診療手当も導入。
様々な手当を導入しています。
正直、給与計算は非常にめんどうくさいのですが、しかしこれには意味があってやっています。
その理由は前回述べたもしかして、スタッフの能力が足りなかった場合、仕事を減らすという作業が必須になるため、どうしても仕事を減らす=給料を減らす、しかし基本給は減らせない!ということになるため、手当をつける必要を実感しました。
なので、いろんな手当をつけることにしています。
ただだからといって基本給を極限まで下げるということではありません。
あくまで+αの部分ではあるのですが、それでもそれがある程度のウェイトを占めるような設定にしています。
ちなみに当院ではレセプト手当は非常に大きな金額となっています。
その代わりレセプトに関する残業代は請求できないことになっています。
医療事務が入ってきて、最初の1か月間はレセプト手当はありませんが、レセプト業務ができるようになれば手当を付けます。
基本的にはレセプト手当としての総額はある程度上限があり、それを業務に携わる人数+レセプト枚数で調整をするという感じです。
そのため、医療事務が入ってきて、レセプト業務も始めたけど、能力がなく、日常業務に支障をきたす場合、業務負担軽減のため、その医療事務はレセプト業務から外し、レセプト手当の支給はなくなります。
一方、レセプト業務に携わる人数が減るため、他のスタッフにしわ寄せがいきますが、総額をレセプト枚数や人数で調整するため、人数が少なくなる分、手当は増えます。
つまり、できない人に付き合って指導しながらレセプト業務をやっても給料が上がらないなら、その人がいなくなって、業務量は増えても指導のストレスは減って、手当は増える。
この方がスタッフ的にはいいようです。
この方式を採用してからレセプトの業務分担やその他、不平不満が減った気がしています。
今の法律的には退職勧奨はちゃんと手順を踏まないと無効とされ、また、退職してから判決が出るまでの間の給与も支払わなければならないことを考えると、非常に企業側に不利な法律の建付けになっていますので、何かしらの自衛は必要だと考えています。
そしてレセプト手当のウェイトを大きくするメリットとしては、医療事務については、レセプト手当がつかないとそもそも給料が多くなくなるため、ばあによっては「それなら辞めます」と自ら申し出てくれる可能性が高くなるとも考えています。
ちなみに当院の場合、レセプト手当は約4万前後になります。
ただし、医療事務の人数が増えれば変わりますので、2人から3人になれば単純に2/3になるという感じです。
なぜなら人数が増えた分、レセプト業務の軽減が図れるからです。
こうやって何をやってもやらなくても給料が変わらないシステムは、スタッフ管理にも大きな影響があると考えています。
ただこれをすると、入職希望者からは「基本給を抑えて手当でかさ上げしてボーナスを低く抑えるシステムなんじゃないか!?」と思われる可能性があり、そこはそうじゃないというところを示す必要はあると考えています。
なので、基本給は周辺クリニックの相場よりは少し高く設定していますが目立って高いと言いうことはありません。
ただし求人項目には手当がつくこと、それらを考慮したボーナスになることなどがわかるようにはしています。
ちょっと話がそれましたが、業務ごとに手当をつけるメリットはできる人は業務量の増加とともに給料が増える。
逆にできない人は業務量は減る代わりに給料も増えない。
本来あるべき姿はこれじゃないかと思っています。
そして、本当に使えない場合は、基本給のみとなる。
当然ボーナスの査定も最低になりますし、総額としてはかなり減ってしまい、可能なら退職勧奨せずとも自ら辞めてくださいを作り出せると思っています。
あとはクリニックからの評価が自分は高くないんだなということも理解してもらえると思っています。
ただこの最大のデメリットは給与管理が面倒くさいことです🤣
僕は自分でやっていますので、手当の漏れがないか、毎月レセプト手当は変動があるため、その変動分の間違いがないかどうか、ボーナスを作成する際にはどこまでみんなの公平性が保てているか。
そういうところは非常に考えます。
でも、僕的にはそれ以上にメリットがあると考えています。
ただそうしないDrも大勢いますので、これが正しいとは思っていませんが、僕個人としては能力のある人はいっぱい働き、いっぱい給料をもらう。
能力のない人は最低限の給料になる。
当たり前のシステムを作ろうとすると、業務ごとに手当をつけて給料総額が上がるシステムを作るというのが一番いいという結論に至りました。